片想いの女の子を自分だけのものに出来ないだろうか、と相談した少年に、その怪しげな占い師は出来るといいました。
でも大したお金は払えない、と少年はいいましたが、占い師はお金ではなく後で別なもので頂くから心配ない、帰ってまってなさいと笑います。
その夜、少年の家の玄関に何かゴトリと重いものが置かれる音がしました。
置かれていた大きなベルベットの包みの中からは……片想いの少女の哀しげな顔をした、水晶のような透き通った彫像が現れました。
添えられた手紙には、彼女は永久にキミのものだ、思う様に愛でてやって欲しい、報酬として彼女の心を頂く、と書かれていました。
呆然と立ち尽くす少年の傍らで、少女は美しく生まれ変わった身体に光を湛え、静かに横たわるだけでした。