町の中央にある聖堂にその少女はいました。
小首を傾げ、美しく瑞々しい裸体を惜しげもなく晒したその姿は
神の教えを人々に広める場所には似つかわしくないものです。
しかし、少女にはちょっと変わったところがありました。
全身が真珠のように輝き、その小柄な身体を包み込むように
大きな翼が生えていたのです。
彼女はその昔、人間の少年と情を交わしたために神の怒りに触れ
真珠の像に変えられてしまった天使の成れの果てでした。
天使の真珠像は教会に与えられ、聖堂の中に飾られました。
半分は信仰の対象として、半分は見せしめのため町の男性の興味の対象として。
彼女を失った後、毎日教会に会いに来ていた少年もとうに彼岸に旅立って行きました。
いったい誰のために、何時までここに佇んでいるのか…。
命を失ったはずの天使の少女の顔には、自分に罰を与えた神に問いかけるような、
悲しみと諦めの表情が浮かんでいるように見えるのです。
なんとなく翼の生えた裸の少女を描いてみたくなったので描いてみました〜。
真珠像を提案してくれた桃色河馬さん、ありがとうございます