でじこ:いいものを拾ったにょ!この石化爆弾で、最近このでじこ様より目立っている目障りなうさだもお終いにょ!
でじこ:石になったあとはバカなマニアに売りつけて大儲けにょ!まさに一石二鳥にょ。
でじこ:さっそくプレゼントに爆弾を仕込むにょ。明日が楽しみにょ!
−翌日:ゲー○ーズ 開店前−
うさだ:おっはよ〜ございま〜すっっ!
でじこ:うさだっ!おそいにょ!!このでじこ様がせっかくプレゼントを用意してやってるのに待たせるとはどうゆう了見にょっ!
うさだ:なによ〜っ!ぜんぜん遅くな…って、プレゼントぉ〜。でじこが、わたしに〜?
でじこ:な、なににょっ、その目は…。家に帰ってから一人で開けるにょ!
うさだ:なにそれ…、今ここで開けちゃいけないの?
でじこ:ダ、ダメにょ、キャラット星のしきたりにょ!
うさだ:なにその、へんなしきたりは。だいたい私の誕生日とかとっくに過ぎてるわよ。なんかたくらんでるでしょ?
店長:いいんですか?ぷちこさん、人のプレゼントかってに開けちゃって?
ぷちこ:いいにゅ…
店長:でもキャラット星のしきたりは…
ぷちこは乱暴にラッピングをむしり取ると、フタを開けながら答えた。
ぷちこ:そんなへんなしきたりないにゅ…
言い終えるかどうかという時に、箱に仕掛けられていた悪魔の装置が作動!禍々しい色のガスがものすごい勢いで噴出した。
ぷちこ:……。
ぷちこは何が起きたか分からないまま、物言わぬ石像へと変わり、ゆっくりと仰向けに倒れた。
石と化した身体が床にあたり「カツン」と乾いた音を立てた。
箱に仕掛けられた石化爆弾は、ぷちこと自らが仕掛けられている箱を石に変えた後も、恐ろしい効果を持ったガス噴出し続け、店長や店内の床や壁、商品だな等をも石に変えながら店内にみるみるうちに広がっていった。
うさだ:な、なによこれ?
でじこ:にょ、にょにょっっ!
口論を続けていた二人は異変に気付き驚きの声をあげた。
うさだ:でじこっ!あんた一体何を…
しかし彼女が振り向いた先にはすでにでじこの姿はなかった。
うさだ:えっ?
あたりを見渡した彼女は出口に向かって脱兎のごとく逃げ出しているでじこの後姿を認めて、事態のただならなさを感じ煙の先を改めて見て、煙を噴出す箱の後ろに転がっている石の塊がかつてはぷちこであったということに気付いた。
うさだ:っっ!
逃げなければ…、そう思うのだが彼女の身体はすでに思うように動かなくなっていた。そして、自分の指先が色彩を失いみるみるうちに石になっていくのを目にし恐怖のあまり悲鳴をあげた。
でじこ:(どうしてこうなったにょ?でじこ様の計画は完璧だったはずにょ?)
でじこの頭の中を様々な考えがグルグルと巡った。
うさだ:いやーーーーーーっ!!
背後からうさだの断末魔の悲鳴を聞きこえてきたが、でじこは振り向く事もなく、一路出口を目指し走った。
でじこ:(おかしいにょ、おかしいにょ。邪魔なうさだを始末してお金も入って一石二鳥のはずにょ。こんなはずじゃ…、こんな…)
突然足がもつれ、でじこは床に放り出された。
でじこ:にょ、にょにょ〜〜っ!
出口まで後数メートル、しかしでじこの足は既に両足とも膝まで石となっていた。
でじこ:あと少し、あと少し、石に、石になんかなってたまるかにょ…。
でじこは這いながらも出口を目指したが、まがまがしい色の煙が彼女の身体を包み込んだ。
電気も止まり、空調の効かなくなった店内にはガスが高濃度に充満し、ほとんど視界が利かなくなっていた。生き物の気配はまるで無く、ただ、この惨状をもたらした悪魔の装置がガスを吐き出し続ける音のみがかすかに聞こえていた。
???:口からバズーカっ!
突然この死の世界の静寂を打ち壊すような爆音が響き、店の壁の一部が吹き飛び、何者かが店内に飛び込んできた。
ぴよこ:今日こそおね〜ちゃんをたおしにきたぴょ!
しかし、店内の視界は0に近くでじこの姿を見つけることは出来なかった。
ぴよこ:ケホッ、ケホッ。おね〜ちゃん隠れたつもりかぴょ。
というとぴよこは店内に向け「口からバズーカ」をめくら打ちで三連射した。煙の中に三本の光の束が吸い込まれていき、それに続いて煙の奥から爆音が三度響いた。爆風がもうもうと立ち込めるガスを吹き払い、徐々に煙が晴れてきた。
ぴよこ:ど〜ぴょ。隠れても…?ぴょ〜〜〜っ!
煙が晴れそこでぴよこが目にしたものは、石と化したでじこの姿であった。
ぴよこは「おね〜ちゃんどうしたぴょ?」と声をかけようとしたが、彼女の口から言葉がはっせられることは無かった…
目の前に転がっているでじこの石像に言い知れぬ危機感をもったぴよこは逃げ出そうとした。
しかし、身体はまったく動かず、助けを呼ぼうとしても声も出なかった。
ぴよこは自分の身体が思うように動かないことに激しい恐怖を感じた。そしてすぐに目の前が灰色に濁りだし、ついで真っ暗となり何も見えなくなった。
すでに身体のほとんどが石と化し、五感すべてが機能しなくなったぴよこは自分のみに何が起きたか分からないまま、激しく恐怖し、混乱して様々な思いがぐるぐると頭の中をかけめぐった。しかしそれも長くは続かず、思考も徐々に濁っていき、何も考えられなくなった。
禍々しい色をした煙は風に乗りぴよこが開けた穴から店外へと流れ出て行った。
○ーマーズの店内から流れ出たガス次々と触れるものを石へと変えていった。被害ははすさまじい勢いで秋葉原の街中に広がっていった。
石化爆弾が作動を停止したころには秋葉原の街には動くものは何一つなかった。
(特別出演:アキバハラ電脳組)
−完−