作:牧師
郊外にある外壁が所々崩れ、立ち入り禁止の看板が入り口にたてられた廃工場。
周辺には雑草が生い茂り、建物の中に人の気配は感じられなかった。
聖春光女学院に通う四人の少女達が、その廃工場に足を踏み入れようとしていた。
「浅見さん。児嶋さん達の足取りはここで途絶えてるんですね」
聖春光女学院三年の神崎歌音(カンザキカノン)が後ろについて歩いている後輩の、
浅見和葉(アサミカズハ)に確認していた。
歌音は長いツインテールの髪に大きなリボン、レンズの薄い銀縁の眼鏡のしたには、
少しツリメがちな大きな瞳、胸の小さなスレンダーな体型の少女だ。
「間違いありません。奈津美が綾香先輩と真帆先輩を肝試しに誘ったって話です」
和葉は少し甲高い声で歌音の質問に答えた。
和葉は首筋で揃えたショートカットの髪に緑のカチューシャ、黒い大きな瞳、
歌音と同じくスレンダーな少女だが、胸は歌音より少し豊かだった。
「奈津美ちゃん、真帆先輩と肝試しに行くのすごく楽しみにしてたんですよ」
和葉と同級生の瀬川瑠花(セガワルカ)がその時の奈津美の様子を伝えた。
瑠花は腰まである長いウエーブの掛かった黒髪、いつも眠たそうな瞳、
形の良い豊かな胸と引き締まったウエストの見事な体型の少女だった。
「高山さんが児嶋さんに好意を寄せてたのは知ってたけど、まさかね・・・」
歌音は好意が伝わら無い事に絶望した奈津美が、ここで真帆を監禁してると思った。
一番後ろで一年の風間美香(カザマミカ)が廃工場の不気味な雰囲気に怯えていた。
滴り落ちる水滴の音や、窓を叩く風の音が一段と恐怖を煽った。
「神崎先輩。奈津美は真帆先輩に変な事なんてしませんよ、怖いから早く帰りましょう」
美香は砂や瓶などの欠片を踏むみジャリっと音を鳴らす度に、小さな悲鳴を上げていた。
美香は短い栗色の髪を、大きな丸い髪留めでツインテールにし、黒色の薄い瞳が特徴的だ、
小柄な体に似合わない大きな胸が悩みの種だった。
「怖いなら帰って良いですよ。ただしここから貴方一人で引き返してね」
この時、四人は廃工場の奥深く入り込み、一階と地下一階の間にある踊り場に居た。
ここから引き返すと、かなりの距離を美香一人で戻らなくてはならない。
「そんな〜、神崎先輩酷いですよ〜。そうだ、瑠花先輩は一緒に戻ってくれますよね?」
美香は少し前を歩いていた瑠花に声をかけ、一緒に引き返すように頼んだ。
「美香ちゃん、駄目よ、真帆先輩も奈津美も大切なお友達でしょ?少し位怖くても
我慢して一緒に探しましょう」
瑠花は美香に向かってにこやかに微笑みながら、ゆっくりと優しく諭した。
「風間さん、そろそろ私達は先に進みます。一緒に来るなら後ろについてきなさい」
歌音の言葉を聞いた瑠花は、美香の手を優しく引いて二人の後に続いた。
四人が地下一階の小さな部屋に入った時、天井から噴出した白い霧に包まれた。
「けほっ、けほっ、あれ・・・眠くなって・・・」
「浅見さん、瀬川さん、風間さん、だいじょ・・・う・・・」
最後まで抵抗していた歌音も意識が途絶え、眠りの中に落ちていった。
眠りに就いた四人の前に一人の男が現われた。
「防犯装置が作動したから来て見れば、またこの制服の少女達か・・・」
四人の制服のポケットから生徒手帳を取り出し、名前と学年を確認した。
「聖春光女学院三年の神崎歌音ちゃんに、二年の浅見和葉ちゃんと瀬川瑠花ちゃん、一年の風間美香ちゃんか」
男は和葉で視線を止めると、ポケットから一本のアンプルを取り出した。
「歌音ちゃん達は後にして、まずは和葉ちゃんに薬を飲んで貰うか」
片手でアンプルの瓶を開けると、和葉の口に薄紅色の薬を流し込んだ。
和葉は口を少し動かすと、次第に熱の篭った吐息を漏らし始めた。
「流石に完成品だな。投薬後の効果が桁違いだ」
男は少女に現われた薬の効果に満足すると、和葉の制服のボタンを丁寧に外し始めた。
和葉を裸にすると更に薄黄緑色の薬の入ったアンプルを取り出した。
「良い機会だ、この薬の効果も調べてやる」
男は、はぁはぁと熱い吐息を漏らす和葉の口に薄黄緑色の薬を流し込んだ。
「あ・・・、ひゃぁぁ、ああんっぅぅん、ひゃあぁん、あああぁぁん、ひっ、ひゃうん」
薄黄緑色の薬を流し込んだ瞬間、和葉は薄っすらと眼を覚ますとイキナリ嬌声を上げ、体を弓形にしならせて、
爪先までピーンと伸ばし潮を噴きながら絶頂に達し続けた。
和葉は絶頂に達する度に、ピキピキと音を立て、体中を灰色の石に変化させて行く。
「そんな馬鹿な、此処までの効果はないはず・・・」
和葉は黒い大きな瞳から涙を流し、体を徐々に灰色に染めていく。
「あああああぁぁん」
一際大きな喘ぎ声をあげ、和葉は全身を灰色の冷たい石に変えて動きを止めた。
「そうか、薬の相乗効果だ・・・、どの成分が反応したか後で調べないといけないな」
男はレポート用紙を取り出すと、今の薬の効果を書き込み始めた。
「んっ・・・、此処は・・・、あ、浅見さん!!」
歌音が眼を覚ますと、目の前に和葉が全裸で灰色の石像に変わっていた。
和葉の体を撫でると、冷たい石の感触が歌音の指に伝わってきた。
「浅見さん・・・、一体何が起きたの?」
問い掛けても石像になった和葉から歌音に返事は無い。
「お目覚めかな?」
歌音の後ろから、急に一人の男が話しかけてきた。
「貴方は誰?そんな事より浅見さんが!!貴方には信じられないかも知れないけれど
この石像の女の子は私の知り合いなのよ」
歌音の台詞を聞き、男は口元に笑みを浮かべながら返事をした。
「ああ、知っている。浅見和葉ちゃんだったかな?ちょっとした手違いで石像になってしまったよ」
「まさか貴方が浅見さんを石に・・・」
歌音は男の冷たい表情に言い得ぬ恐怖を感じ、この場から逃げ出したかったが、体が思うようには動かなかった。
「まだ薬の効果は消えた訳じゃない。口は動かせても体は動かないだろう?それより聞きたい事がある」
男はそこで一呼吸を置き、続けた。
「ここに何をしに来た?」
一瞬の緊張、男はある言葉を警戒してるようではあったが、歌音は正直に答えた。
「先日行方不明になった児嶋真帆さん、高山奈津美さん、逢瀬綾香さんの三人を探しに来たのよ。
此処で足取りが途絶えてるのは分かってるのよ」
男は奈津美達の名前を聞いて、歌音にこう答えた。
「ああ、あの娘達の知り合いか。彼女達は確かにここに居る。この薬を飲めば少しは体が動くようになる。
それを飲んで付いて来るが良い」
男は歌音に青い色のアンプルを渡すと、扉に向かい歩き始めた。
歌音は意を決して薬を飲み下すと、重い足を引き摺りながら、男の後に続いた。
「こ・・・児嶋さん!!高山さん!!」
男に案内された部屋の一角で歌音が目にしたのは、裸のまま抱き合って大理石の像に変わった、
奈津美と真帆の姿だった。
二人は真っ白な大理石に変わった顔で幸せそうにみつめ合い、永遠の抱擁を喜んでいる様にも見えた。
「先に言って置くが、その二人は望んで大理石像になった。もう誰にも彼女達の仲を邪魔する事が出来ないようにな」
男の台詞を肯定するかのように、奈津美と真帆の表情は喜びに満ちていた。
「嘘よ!!喜んで石になりたい人なんか居ないわ」
しかし、歌音はそんな事が信じられなかった。
歌音の言葉を聞き、男は静かに話し始めた。
「では現実の世界で認められると思うか?親はそこまで理解があるのか?世間の風当たりは?」
明らかに動揺している歌音に、男はさらに言葉を続ける。
「普通の親なら同性愛が発覚した時点で全否定され、強制的に転校させられて何処か適当な誰かと結婚させられる。
そんな結末が待っているのではないか?」
男の語った内容に、歌音は言葉が返せなかった。
歌音にも男の言った結末が待っている事が、十分に理解できるからだ。
「この娘達に飲ませた薬には仕掛けがしてある。二人の愛が無くなれば、自然に元の体に戻るようにな」
奈津美と真帆の石化が解けないのは、今もってなお、二人が愛し合っている動かぬ証拠だった。
「そんな、それじゃあ愛し合っている限り、児嶋さんと高山さんはずっとこのまま・・・」
歌音は奈津美と真帆の大理石像を手で撫でた、ツルツルとした感触が伝わってくる。
「見てみろ、残った二人も同じだな・・・」
防犯用か実験を観察する為か、小さなモニターに先ほどの部屋の様子が映し出されていた。
「瑠花先輩、やっぱり少し怖いです・・・、あんっ、そんな所を舐めないで下さい・・・」
瑠花は脱いだ服をシーツ代わりに床に敷き、そこに裸にした美香を寝かせていた。
「んっ、ちゅっ、美香ちゃん、こんなに濡らして本当は気持ち良いんでしょ?大丈夫、恥かしがらなくていいのよ」
美香を優しく愛撫する瑠花、体に負担を掛けない体制で囁きながら、美香の心を優しく包み込んでいく。
チュプッ、チュプッと音を立て舌を絡めるキスをしながら、白く細い指を美香の秘所で指を躍らせていた。
「聖春光女学院では同性愛が流行ってるのか?それともこれが普通か?」
男は素直な感想を歌音に述べた。
「た・・・確かに同性愛者は多いとは思いますが、認められている訳ではないです。
見つかれば学院からの厳しい処罰が待っています」
聖春光女学院ではカップル率十%前後とまで言われていた。
世間体の為、学院の名誉の為、見つかればよくて停学、それ以外は間違いなく退学という措置が待っている。
先ほど男の述べた運命がほぼ現実の物になる、それ故に監視の届かない学院外で行為に及ぶ者が多い。
「認められていないか・・・。どうだ一つ賭けをしないか?」
そう言いながら男は幾つかの薬のアンプルをクーラーボックスのような物に、カチャカチャと音を立てて収めていく。
「賭け・・・ですか?」
歌音は何か危険な感じを覚えつつも、男に聞き返した。
「そうだ、あの二人がこの娘達に飲ませた薬を飲むかどうか?だ。薬の説明をした上でな」
男は奈津美と真帆の大理石の像に視線を向け、言葉を続けた。
「もし飲まなければ、さっき手違いで石にした浅見和葉だったか?彼女も元に戻して全員無事に此処から帰してやる」
男はそこで一旦、歌音の反応を待った。
歌音は少し考え、一つだけ質問をした。
「賭けって事はリスクもあるって事ですよね?もし、二人が児嶋さん達が飲んだ薬を飲んだ時はどうなるの?」
歌音の質問に、男は一本のアンプルを見せ、返答をした。
「この薬を飲んで貰う。まだ実験段階なので効果の程は説明も保証もできない」
未知の薬の被験者。
歌音はその事に恐怖したが、和葉を元に戻し、無事に此処から出る他の方法を考え付かなかった。
「もう一つ質問が、もし賭けを受けなければどうなるんですか?」
男は表情を変えず、歌音に答えた。
「その場合、実力で此処から出て貰う事になるかな?もっとも、無事に逃げ出せたらの話だが」
歌音は男が本気だと雰囲気で察した。
賭けを受けた方がまだ助かる可能性が高い気がしたため、提案を受ける事にした。
「わ・・・わかりました。その賭けお受けします。約束は守って下さい」
歌音は祈るような思いで運命を瑠花達に託した。
「あああん、瑠花先輩・・・、奥に・・・当たって、ひゃうっ、そこっ、そこがすごく良いですぅ」
歌音は瑠花と美香の姿を見て、自らの運命をほぼ悟った。
瑠花は何処に隠し持っていたのか、ベルト付き双方向のディルドーを身に着け、両手で軽く腰を抱えて、
美香の体をゆさゆさと気持ち良さそうに弾ませていた。
「んっ、美香ちゃん此処が良いの?」
瑠花はそう言うと、ディルドーを膣壁に擦りつけ、美香に更なる快感を齎していく。
「ふわぁっ、瑠花先輩っ!!わ・・・わたし・・・、ああっ、イクッ!!イッちゃいますぅぅぅぅぅ!!」
美香は体をぶるぶると震わせながら、この日、何度目かの絶頂に達した。
「美香ちゃん、とってもかわいかったわよ・・・」
瑠花は美香の髪を優しく撫でると、軽く唇にキスをした。
「どうやら終ったみたいだな」
男が余韻に浸っている瑠花と美香の様子を見て、そう呟く。
「貴方誰?」
瑠花は美香を男から守る様な体制で抱き寄せた。
「この土地の所有者だ。お前達に少し話したい事がある」
男はクーラーボックスのような物から一本のアンプルを取り出し、歌音にした話を二人に話し始めた。
「体が・・・大理石に?」
「瑠花先輩と・・・ずっと一緒に?」
瑠花と美香は薄いクリーム色の液体をみつめ、それぞれおもいを廻らせていた。
「わ・・・わたしは瑠花先輩が望んでくれるなら、体を石に変えて永遠に愛し合えます」
「嬉しい、美香ちゃんがそう言ってくれるなら、私もあの薬を飲むわ」
瑠花と美香は薄いクリーム色の液体が満たされたアンプルに手を伸ばすと、一気に飲み下した。
「美香ちゃん、愛してるわ」
「瑠花先輩・・・」
歌音は二人が大理石に変わって行く様を、静かにみつめていた。
二人は抱き合い、膝で立ち、奈津美と真帆と同じ姿で、体を白く染め上げていった。
最初に足首、そして白い侵食はふくらはぎから太ももまで及んでいた。
「ずっと・・・繋がっていましょうね」
奈津美と真帆との大きな違いは、瑠花と美香は双方向のディルドーで今も繋がっている事だった。
大理石化は二人の秘所も過ぎ、ヘソのラインまで達したが、ディルドー付きのベルトはそのままだった、
パキパキと乾いた音を立てながら髪の毛の一本残らず石化し、繋がったまま抱き合う二人の大理石像が完成した。
「児嶋さん達と同じ姿・・・、児嶋さん達も愛し合ってるって事だったのね」
歌音と男の目の前で完全に大理石像に変わった瑠花と美香の顔は、奈津美達と同じ様に幸せに満ちていた。
「賭けは私の勝ちだな。さあこの薬を飲んで貰おうか?・・・どうした?」
歌音は青い顔をして、コホコホと苦しそうに咳き込んでいた。
「な・・・なんでもないわ、いつもの事なの。どうせ後数ヶ月の命だったんだから今此処で石に変えられても・・・」
あと数ヶ月〜の辺りで男の表情が険しくなる。
「病名は?あと数ヶ月という事は病名もわかっているのだろう?」
歌音は驚きを隠せなかった、男が先ほどまでとはまるで別人の様な顔つきをしていたからだ。
「ウイルス性脳肺炎、半年病とも半月病とも言われてるわ」
歌音の体を蝕んでいるウイルス性脳肺炎は、近年突然流行を始めた病気だった。
感染力は低く、感染後も潜伏期間中に発見する事で治療できるが一度発症した後の死亡率は百パーセントと言われている、
発症後およそ半年で死亡する事や、最後の半月程は脳と肺の炎症で苦しみ、死に至る事から半年病や半月病とも言われる。
「ウイルス性脳肺炎か・・・、名前は確か歌音といったかな?薬だがこれを試す気があるか?」
男はクーラーボックスのような物から、最初の薬とは違う紅い薬の入ったアンプルを取り出した。
「もしこの薬を飲むなら此処に数週間程泊まって貰い、薬の効果を記録させて欲しい」
「その薬は何なんですか?此処に泊まるって事は石に変わらないんですか?」
歌音はやや混乱した、男の真意も測りかねていた。
「まだ試作段階だがウイルス性脳肺炎の治療薬だ、末期でなければ効果があるはずなんだが・・・」
「な・・・治るんですか?医者からはもう助からないって・・・。飲みます、飲ませて下さい」
歌音は瞳に涙を浮かべて、男から手渡された紅い薬を飲み下した。
数週間後
「ウイルスは確認されず、おめでとう完治したようだな」
男は歌音に優しい声で話しかけた。
「ありがとうございます・・・、でもどうして助けて下さったんですか?」
男は少し遠い目をして呟く様に話し始めた。
「私の妻が昔、重い病気にかかった・・・、当時の薬では治療が不可能で私は新しい薬の開発に心血を注いでいた。
だが、この国で新しい薬を開発しても市場に出すにはとても長い年月が必要だった、そして妻はそのまま息を引き取った。
薬という物は確かに人の命にかかわる、しかし病気に苦しむ患者も命を落す患者もそれまでは待ってくれない」
男は呼吸を整え、再び口を開いた。
「妻を失い、現実の壁にぶつかった私は人間をやめた、いや、新たな薬の開発の為に人間と言う縛りから抜けたのさ。
苦痛と取り除く薬、病の進行を遅らせる為の薬、認められぬ愛を貫く為の薬・・・様々薬を開発した。
抗癌剤や免疫強化薬など幾つかは市場に出ている筈だ」
歌音も世界的なニュースになった抗癌剤の話は知っていた、数年前、ノーベル医学賞の授与を断った人がいる事も・・・。
「だから私の聖域たるこの場所に肝試しだとか、かくれんぼだとか土足で入り込む輩に容赦をしなかった。
世の為に未知なる薬の実験台として、その身を捧げて貰った」
「私を見逃してくれた上、助けてくださった理由は何なんですか?」
「結果的に歌音は患者だったからだ、それに何もしていない訳ではない。開発中の薬の実験はしているだろう?
ウイルス性脳肺炎の治療薬の実験台にはなって貰っている。これでこの病気で絶望に淵に立たされている人の希望が出来る」
男の表情は穏やかで、歌音が最初に出会った印象とまるで違っていた。
「さあ行くが良い、最初に手違いで石にしてしまった浅見という娘も元に戻り次第帰してやる。
残りの娘達は現実に向き合う覚悟が出来たなら、自らの意思で此処を後にするだろうさ」
最後、去り際に見た男の表情が歌音にはとても印象的だった。
『本当はあんなに優しい笑顔を向けてくれる人だったんだ・・・』
数日後、聖春光女学院には元に戻った和葉の姿があった。
歌音と同じ説明を受けたらしく、奈津美達四人の事も納得していた。
数年後、ウイルス性脳肺炎は不治の病では無くなっていた。
今も男は聖域を土足で踏み荒らす者を様々な薬の実験台にしている。