布の中の像(七不思議シリーズ)

作:デュール


美術室にはいろんな像がある。
その中に一つだけ全て布がかぶっている像がある。
だが、それに触れてはいけない・・・



「あのさ・・・・美術室にさ、何かあるじゃない」
少女のユリシーが言った。
「あぁ・・・・あるなぁ・・・・確か布が被せてあっただろ」
「へぇ〜・・・・お前って詳しいのだな」
ユリシーズの男友達のベイウルフとトリスが続けて言った。
「それでさ・・・・その中って気にならない?」
ユリシーが言ったとたん、ヒューベが割り込んできた。
「そうそう、私も気になったのよ・・・・何だろうねぇ」
「おい・・・・勝手に割り込むなよ・・・・」
ベイウルフが突っ込んだ。
「・・・・・別に俺は気にならないが、あまり関わらないほうがいいじゃないのか?」
トリスは反対意見を言った。
「俺も・・・それにむやみに変な物に触らない方がいいと思うぞ」
ベイウルフもトリスと同じ意見を言った。
「むぅ・・・・・・いいも〜んだ、ユリっちと行くも〜んだ」
「えぇ・・・・ちゃ〜んと報告したげるからね〜」
ユリシーとヒューべは教室から出て行った。
「・・・・ったく、知らんぞ〜」
「知らないものは知らん、ほっとけばいい・・・」
そう言い2人は寝始めた・・・一人の少女が教室から出るとも知らず・・・



誰もいない美術室・・・ユリシーとヒューべ2人が入ってきた。
「・・・・・これだよね?」
「・・・・・えぇ、さあ・・・取るわよ・・・・」
2人は布を取る・・・・そこにあったのは黄金像だった。
ただしその像は人の形をしていた。
「うわぁ・・・・って像?」
びっくりしたヒューべ
「ねぇ・・・・これなんだろう・・・・ユリシー」
ユリシーは反応しません。
「ねぇ・・・・ユリシー・・・・・え?」
ヒューべが振り向いた先はユリシーと良く似た黄金像があった。
「・・・・え?ユリシー?ねぇってば!冗談はよしてよ!」
ヒューべは必死にユリシーを呼んでいます、ですが反応は全くありません。
突然後ろから声がしました。
「その子はもう動かないんだよ・・・・・ただの像としてね・・・」
「え・・・・?サラさん?」
声の主はサラであった。
サラはあまり目立たず友達もあまりいない子。
「・・・・どういうことなの?」
ヒューべは問いにサラは
「・・・・・こういうこと」
サラの目が光った、その光はヒューベの体を包んだ。


その光が収まった後、ヒューべはいなかった。
ただの黄金像があっただけだ、ヒューベにそっくりな黄金像が
「ふふっ・・・・また増えたわ・・・・」


数日後、ヒューベとユリシーはいなくなった。
突然の引越しという理由で・・・


「なぁ・・・・」
「なんだ?」
学校の屋上にトリスとベイウルフがいた。
「あの2人・・・どうなったんだろうなぁ・・・・」
ベイウルフは率直な質問を投げかけた。
だがトリスは
「知らん・・・・それにあまり変な事に関わらないとか言ってたんじゃないのか?」
「・・・・・・あぁ」
話がかみ合わず、2人はただ空を見ていた。


2人は知らない・・・ユリシーとヒューべはサラの手により、黄金像となったのだから・・・


美術室にはいろんな像がある。
その中に一つだけ全て布がかぶっている像がある。
だが、それに触れてはいけない・・・
・・・なぜならユリシーとヒューべと同じ目にあうのだから

おわり


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