作:デュール
「うっ・・・」
ユーノは痛みにうなされながら目を覚ます。
正直今自分に起きていることすらよく分からない状況だった。
「やっと起きましたね・・・」
「なっ・・・ここは・・・」
ユーノは過去の記憶を探る。
確か、時の庭園に突入し、敵の数があまりにも多かったから苦戦し、その直後に後ろから強い衝撃が来てそれ以来覚えていない。
「ユーノ・スクライア・・・で合ってるかしら?」
「えっ・・・」
気づけば手足に重みを感じた。
見れば手足に鉄球と鎖でつながれていた。
「どうして・・・僕の正体を・・・」
ユーノはまったく理解できない状態だった。
「リニス、もう起きたのかしら?」
「はい、準備は十分ですよ」
リニスと呼ばれた女性の後ろから来た女性・・・この事件の犯人プレシアが歩み寄る。
「ですが、この子男の子ですよ?」
「そうね・・・女装でもさせてあげなさい、十分な屈辱になるわ」
相談が終了したのかリニスは振り返り服を持ち歩いてくる。
その服は、どう見ても女性が着るようなものであった。
「さて、ユーノ君この服を着てみましょう、痛くはしないですよ」
「えっ・・・えっ?」
だんだん近づくにつれユーノに焦りが生じる、しかし彼の身体は鎖で束縛されていた。
「その服僕が着るものじゃ・・・う・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ」
ユーノが着た服はワンピースだった、さらに男性とは思えないほど似合っていた。
鎖からの開放の次は女装であった。
「さて、今度こそ準備できました」
「何よ・・・男の癖に可愛らしいじゃない・・・何か腹が立ってきたわ・・・」
そしてプレシアはユーノの肩をつかむと乱暴に分厚い板に叩きつける。
ユーノは今すぐ反撃に出ようとしたが、その板が不思議なことにくっついたまま離れなかった。
「は・・・離れない!」
そしてくっついた部分は少しずつ板に埋まっていく。
「う・・・嘘・・・身体が埋まってる・・・」
「埋まるだけじゃないわ・・・貴方の身体は今から炭素冷凍されるのよ」
徐々に下がっていく板とそれに埋まったユーノ、その下には何かが吹き付けてくる。
「冷たっ・・・あ・・・足が冷たい」
下がっていくにつれ吹き付けられた部分が固く冷たくなり、感覚が薄れていった。
「嫌だぁぁぁ!!誰か・・・なのは助けてぇ!」
「なのは・・・それは彼女のことかしら?」
「え・・・」
プレシアが別の方向に向く、ユーノも釣られて同じ方向に向いたとたん愕然とした。
自分の末路を予想するかのようになのはは炭素の板に埋もれ、服はボロボロのままで愛杖レイジングハートを離さずに炭素冷凍されていた。
なのはだけではなく、同じ突入組であるクロノもメイド服を着させられたまま固められていた。
「あっ・・・あっ・・・」
彼女達の変わり果てた姿を見て絶望に浸るユーノ、彼の残された道はガーボンフリーズされるしかなかった。
最後に残された顔も容赦なく吹き付けられていく。
(何も感じない・・・僕、どうな・・・ちゃ・・・)
最後に出た涙も頬を伝う途中で止まってしまう。
「できました・・・どこに飾りましょうか?」
「そうね・・・」
出来上がった板はユーノと同化したまま静かに佇んでいた。
「これでまた少しアリシアを復活させることができる・・・」
ユーノを飾り終えるとリニスは再び報告をする。
「プレシア様、また一人来ました・・・」
「今度は誰かしら?」
目にたーを見たリニスは冷淡と喋る。
「フェイトです・・・」
「そう・・・あの子もせっかく生きているのだから生贄には丁度いいわね・・・」
モニターにはフェイトの姿が映し出されていた。
「貴方は人として認めるわ・・・ただしお友達と一緒になればの話・・・」
そして狂ったように笑い始めるプレシア・・・
無造作に置かれた本、その中の一冊の本にはこう書いてあった。
『禁書:人体復活法』
おわり