不幸から幸せになった少年

作:デュール


僕の名前は・・・・今は無い・・・・
前まではあったんだけどね・・・・・
ちなみに言うけど僕は15歳の少年(自称)だから・・・・
とりあえず僕の話、聞いていくかい?
お金?いらないよ・・・・手に入れたって使い道は無いからね・・・・
さて・・・・話そうかな・・・・僕の本当にあった体験を・・・・



その日、僕は見てはいけないものを見てしまった・・・・



僕は夜中、寝ぼけまなこで下へ行った。
ちょうど父さんの部屋のドアが開いていた。
いままで僕は父さんの部屋は見た事が無い。
この機会に覗こうかなと思った。


だけど覗かなかった方が良かったのだ。


テレビで見た研究室みたいな部屋だった。
その部屋にカプセルらしきものがあった。
その中には見慣れない少女が一人いた。
ついでに言ったら裸だ。
カプセルの外には父さんがいた。


そこで父さんの本性を知ることになった。


「さて・・・・そろそろ始めるかな」
父さんらしくない喋り方だった。
そして父さんはスイッチを押した。
少女は何かを叫んでいるようだけど、聞こえなかった。
カプセルに液体が入る。
液体が少女の足を包み込んだとき、少女は苦痛の表情をしていた。
足が液体に浸かった後には少女の体を包んでいった。
少女が液体につかった後には少女はぴくりとも動かなかった。


液体が引いた時には・・・・僕は驚いた。


少女の体は石のようになっているのだから。
さっきまで暴れていた少女が嘘のように動かない。
その時僕の本能は逃げる事を警告していた。
そして僕はパジャマのまま家を出て逃げ出した。


僕は今、走っている、逃げている方が合っている。

とにかく怖い・・・だからこうして逃げている。

暗い街中を走って、走って、そして逃げている。

もうここまでこれば大丈夫・・・・と思ったら・・・・
後ろから何かで叩かれたような衝撃がして、僕は・・・・・気絶した。



気づいたときには僕は絶望状態だった。

そう僕は、あの少女と同じカプセルに入っているのだから。
もちろん僕も裸だった、恥ずかしいと言っている場合ではなかった。
突然、下から液体が入ってきた・・・・

・・・・あの少女が動かなくなったのと同じ液体が・・・・

予想通り足から沈んでいった、当たり前のようだけど苦痛がした。
ものすごく痛かった・・・・けどその後には何も感じなくなった。
それと、動かなくなった。
「嫌だ・・・・・助けて!!!」
僕は叫んだ、だけど誰も聞いてくれない・・・・
理由は簡単声が通らない事と父さん一人だけいる事なのだから。
痛い・・・・・そしてその苦痛の後には何も感じなくなっていく繰り返し。


そして・・・・僕は・・・・液体の中へと沈んでいった。
もちろん体も動かなくなっていった。
僕もあの少女と同じ石らしきものに変わったから・・・・いや確定的に石像になったかな?




その後何年かたって、僕の父さんは死んだ。
まぁ、当然といえば当然だけど・・・・


今は公園の石像になっている。


別に僕は後悔はしていない・・・・・
石像なら石像らしくその場でたたずんでいるだけだから・・・・


さて・・・・もうそろそろ日が暮れているよ・・・・
わざわざこんなつまらない戯言に付き合ってごめんね・・・・
まぁ・・・・僕も暇だったし・・・・それじゃ、機会があればまた・・・・

おわり


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