花と石像〜花と少年と少女と〜

作:デュール


「ふぁ〜・・・・」
ある少女が目覚めます、名前は「フラン」といいます、ですが少女は人間ではありません。
彼女はトリスマンドレイクといい彼女の奇声を聞くとたちまち石像になってしまう恐ろしい植物なのです。
「あ・・・・おはよう」
彼女は挨拶をします、挨拶をしたのは一体の石像、元は少女でもあり悪魔と呼ばれた少女でもあるのです。
石像の少女は意識があります。
(・・・おはよう)
と彼女も挨拶をします、ですが彼女は石像のため誰も聞いていません。



ある日バスケットを持った少女と剣を持った少年がやってきました。
フランはまず少女を石にしました。
少女は叫ぶ間もなく石像になりました。
その異変に気づいた少年は剣を手にフランに襲いました。
ですがフランの一声により少年も石像になりました。
剣を振る直線の格好のままぴくりともしません。



ある日メイドさん2人と幼い少年がやってきました。
フランはまず幼い少年を石にしました。
不思議な表情をしたまま石像になりました。
少年を石にした後、メイドさんも石にしようとします。
フランが現れるとメイドさんは逃げようとしました。
ですがフランの一声で2人のメイドさんは石像になりました。
虚ろな瞳に石に玉が落ちました、どうやら涙のようです。



ある日少年と双子の少女がやってきました。
フランはまず双子の少女を石にしました。
びっくりしたままの格好で双子の少女は石像になりました。
双子の少女を石にした後、少年は悲しそうにぴくりとも動かない双子の少女を抱きます。
そしてフランの一声で少年も石像になりました。



ある日魔術師の兄妹がやってきました。
多分魔術師装束を着た女性達の仲間だと思います。
少年は炎を出し、少女は氷を出しました。
ですが魔法詠唱中は何もできないので、フランの一声を聞いてしまいました。
詠唱中のまま兄妹は石像になりました。



ある日お嬢姿の少女と普通の少年がやってきました。
2人は嬉しそうに話していました。
気づかれないようにフランは一声で2人を石像にしました。
座り込み嬉しそうに喋ったまま全く動きませんでした。



ある日魔術師装束を着た女性達と一人の少年がやってきました。
いつものようにフランの一声で女性達は石になりましたが、少年は石になりませんでした。
多分精神集中でしょう、ですがそれもそこまででフランは触手で少年を絡み取り集中が途切れた所をフランは一声上げました。
たちまち少年は石像になりました。
触手に絡まれたまま、涙を浮かべて、絶望的な表情をしたまま動きませんでした。



ある日少年と猫耳の少女がやってきました。
フランは一声を上げました。
少年はしりもちをついたまま石像になりました。
ですが猫耳の少女は石になりませんでした。
なぜならこの少女もモンスターだったからです。
少女の名前はミリィといいます。
フランとミリィはすぐに友達になりました。



石に少女はものすごく幸せでした。
今まで男の子の友達がいなかったので、突然増えていくのですから彼女は幸せです。
フランも幸せです、猫耳の少女と友達になれたのですから。

こうしてまた新しい一週間が始まります・・・

おわり


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