固め、足りてる?

作:デュール


注意
・キャラの性格が不一致な場合があります。
・一部キャラが壊れちゃって(はっちゃけて)ます。
・少年固め有りです。
以下の注意を分かった上で読んでください。

1.ぶっちゃけちゃって・・・・いいですか・・・・?

「あははは・・・・杏璃ちゃん・・・・かわいい・・・・」
少女が微笑む、もう一人の少女はへたり座り、涙を流している。
「い・・・・いやぁ・・・・春姫、どうしちゃったの?おかしいよ?」
「おかしくないよ・・・・ただ私は杏璃ちゃんの可愛さを永遠にしたいだけなのよ?」
杏璃と呼ばれた少女の身体は石像へと変化させていく、その侵食は首まで及んでいる。
そして、春姫と呼ばれた少女は杏璃が石化していくことに喜びを覚える。
「あ・・・・い・・・・・や・・・・・・・」
杏璃の口が石化したとたん、声すらも出なくなり顔も灰色に飲み込まれ、動く事はなかった。
「かわいい・・・・杏璃ちゃん・・・・」
少しの間石化した杏璃を抱きしめ、そして軽々と抱き上げて夜の闇へと消えていった。



2.朝早くからやかましい奴

「やっほ〜おっはよ〜雄真〜」
朝早くから雄真と呼ばれた男性に抱きつくやかましい少女の姿があった。
「おい!準・・・抱きつくなって・・・」
「え〜、こんな可愛いあたしなのにぃ〜?」
「うっさい!元々お前は男だろ!!」
準・・・本名『渡良瀬 準』、雄真達が通っている学園の中でかなり有名な少女・・・もとい少年である。
一言で言うとオカマちゃん、けどクラス内では男女問わず人気である。
「あ〜、ひっど〜い〜、こんなか弱い乙女にぃ〜」
「乙女じゃねぇだろ!」
「あはは・・・準さん、そろそろ止めた方がいいですよ〜」
雄真の隣からひょっこりと出た子猫みたいな少女は『小日向 すもも』雄真の義妹で同じ学園に通っている。
少しズレていていつもズレた行動を取っちゃうお茶目さん(?)
「ん〜すももちゃんが言うならいいわよ〜」
「おいおい・・・・」
そんなこんなでいつもの日常が今日も始まる・・・・
・・・・だが、少女達+αにとんでもないことことが起こるとはたった二人を除いて知らなかった・・・



3.事件と恐怖の序章

「え〜・・・柊 杏璃さんはお休みと言うことです」
先生の一言がクラス内を騒がせた。
『柊 杏璃』、成績などは優秀だが性格が良くなく、いつもトラブルを起こす少女
クラス内ではなく学園全体である意味有名
しかし、彼女が休むなどありえない事だ。

そして放課の時間、いつものメンバーが集まる。
「杏璃さん・・・お休みだなんて・・・」
優しそうな少女がまず一言を言う
彼女は『神坂 春姫』杏璃と同じ成績などは優秀だが、一つ決定的な違いは性格
いろんな人にも優しく、突っかかる杏璃を華麗にスルーさせる。
「う〜ん・・・・病気とはありえないし・・・・」
「事故もまずありえないな・・・」
「噂によると、行方不明って話だ」
何気なくすごい事言う男性・・・彼の名は『高溝 八輔』通称ハチと呼ばれている。
かなりの不死身で杏璃の攻撃魔法を受けようが時が経てば復活する。
「「えーーーー!!!」」
雄真と準が声を合わせて叫ぶ
「しー!聞こえたらまずいだろ!」
「あ〜ごめん・・・」
「・・・って春姫さんは驚かないんですね」
「え・・・・?えぇ、そういうのはあまり興味が無いもので・・・」
「興味が無いって・・・・」



4.少女と予言と災難と・・・

昼・・・生徒達が昼食をとる時間・・・
一人抜けたいつものメンバーが昼食をとっている途中に大人びた少女が現れた。
「あれ?小雪さん珍しいですね」
『高峰 小雪』不幸な予言はほぼ100%命中する変わった少女
一見大人しいが行動はとても危険なこともある。
「あの・・・・準さんに言っておきたい事があるんですが・・・」
「え?あたし?」
「言っておきたい事・・・まさか不幸の予言だったりしてな?」
「そんなぁ〜こんなあたしに不幸なんて・・・・「いや、そうです・・・・」
小雪の衝撃の一言、それに二人は流石に無理もなく
「「え・・・・・」」
「とりあえず・・・・夕方に気をつけてください・・・・では・・・」
と小雪は去っていく、呆然の二人
「ね、雄真・・・・」
「な・・・・なんだよ?」
「・・・・いやなんでもない」
通りすがったすももと彼女と同じクラスの伊吹に声をかけられるまでは固まっていたらしい・・・



5.絶望の始まり

準にとって運命の夕方・・・
「あ〜もう・・・・雄真ったら、待っててくれてもいいのに・・・」
置いてきぼりの準、急いで帰ろうとしたが、何処からか声がした。
「声・・・・?」
耳を澄ましながら声のするほうへ行く

着いた先はなんでもない普通の教室・・・
窓からそっと覗く準、そこには彼が驚愕するほどの現象が起きていた。
準の瞳の先には春姫とぺたんと座り込んでいるすももの姿
二つ違ったのは春姫がいつもの春姫ではなかった事
もう一つはすももの様子が変だった事
その場所から声がする。
「春姫さん・・・止めてください・・・」
「ふふっ・・・可愛いからこそその可愛さを永遠にするのよ」
「だからって・・・・石化なんて・・・・」
石化・・・準にとってはあまり聞き慣れない言葉だった。
「もうすぐよ・・・・さぁ、ずっと眠りなさい・・・」
春姫の口調もいつもとは全く違う、そしてすももは・・・・
「い・・・や・・・・だ・・・・・」
その言葉とともにすももの身体が灰色に変化していく
すももが灰色一色に染まった後には喋ることも動くこともなかった。
「二人目完成・・・・石化したからにはもう安心だからね、すももちゃん・・・」
春姫がそう言うと石化したすももの体を触り始める。
普通なら嫌がるはずだが、触るところやわらかさが感じられず、ただ冷たさと固さの感触が感じるだけで、反応すらもしない。
「もう一人出来そうね・・・・準さん?」
やはり気づいていたのか準が隠れている方を向く春姫
「い・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁ」
準は叫びながら走り去る。
「ふふっ・・・・時間はたくさんあるからね・・・・」
そういいながら軽々とすももの像を担ぎ風のように消えた。



6.抵抗も無駄に終わり・・・・

「はぁ・・・・はぁ・・・・」
何処かの教室の教卓に隠れている準
いつの間にか夜になっている。
別に好きで隠れているわけではない、目前とした恐怖から逃れるため、ただそれだけしか準には考えていなかった。
「もしかして・・・・杏璃さんも・・・・」
とか色々な予感を抱えていた。
とっさに準は思い出す。
(そうだ・・・・携帯で助けを・・・・雄真〜助けてぇ〜)
そう思いながらも携帯を手に取るが・・・
「・・・・・!春日・・・・さん・・・・」
はっと準は気づいたときには逃げ出す体制に入っている。
だが、転んだ・・・別に何かに躓いたわけではない。
仰向けになり、恐る恐る足を見た。
「ひっ・・・・・足・・・が・・・・」
準の足が石化している、それは春姫にも準にも分かっていることだった。
「準さんは男だけど・・・・特別だよ、可愛いから・・・・」
「や・・・・やめ・・・て・・・・」
今起こっている事が信じられなく、パニックを起こしている。
「だめだよ・・・・すももちゃんが石化したところ、見られちゃったもの・・・・」
「いやぁ・・・・・雄真・・・・助けて・・・・」
「誰も助けは来ないよ・・・・・諦めて永遠になろうよ・・・・ね?」
身体が石化が進む、それと同時に腕も石化していく
もう逃げることは不可能に近くなった。
「何でもするから・・・・・お願い、止めてぇ・・・・・」
「何でも・・・・かぁ、じゃあ一つだけお願いするけど・・・いい?」
逃げたい一心の準、もう首まで石化が進んでいる。
「石に・・・・なってよ?」
「え・・・・」
「バイバイ・・・・準さん・・・・」
「い・・・・いやぁ・・・雄真、助け・・・・・」
叫ぼうとするが、口も動かなくなる。
石になった頬を撫でる春姫
「もう苦しまなくていいのよ・・・・石になってしまえばいいのだから・・・・」
「・・・・・・・」
準の瞳から涙が流れる、だが、涙は石化の侵食によって止められる。
止まったのは涙だけでなく動きも言葉も思考も何一つ停止した。
石化という束縛によって・・・・
「準さん、本当に可愛い・・・・男なのにね・・・・」
「は〜い、そこまで・・・・」
後ろから少女の声がした。
「え?」
春姫が反応した直後に、どかん!と大きな鈍器で殴ったような音が木霊した。



7.解決・・・かも?

この後小雪さんが全て解決してくれたとかなかったとか・・・・
石化されたのは杏璃やすもも準だけではなくほかの生徒も石化させていたらしい。
でも春日は昨日の事を覚えていないようだ、マジックワンドで殴られたせいかわからないが・・・・
そんなことで、この誰にも分からない事件は誰にも知られずに終わった。

おわり


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