可愛いセンパイ〜恋する後輩の悪戯〜

作:デュール


ヴァレンタインデー
女の子が好きな男の子にチョコレートをあげる一年に一度の特別な日
とある学校でもその日はやってきます。
「ねぇ・・・・あの子っていいですよねぇ〜」
顔を赤らめながらとある少女『高林 沙羅』が言う。
「はぁ・・・・・あんな男どこがいいの?」
ため息をつくもう一人のとある少女『新月 百合』が言う。
2人の視線は弓道場の1人の少年に向かれている。


そう、沙羅が今、夢中なのは構内でも有名でもある少年だった。
少年の名前は『小春 結』一見少女のような名前だが立派な少年である。
彼は努力家で、2年生でも身長が平均を下回るという異様な数字をたたき出してしまうほど小さい。
さらに、去年の文化祭の女装大会で余裕の1位になってしまうほどかわいい。
それが一部人気の秘密らしい。


部活が終わったのか片づけをはじめる結
「あ〜あ、もう終わっちゃったぁ〜」
「はいはい・・・・・もう行くよ、あんな男、私興味ないし・・・・・」
とさっさと行く百合
「え〜・・・・もうちょっと見て行こうよぉ〜、可愛すぎて襲っちゃいそうだよぉ〜」
「はぁ・・・・・あんたのそのショタっ気な癖、直しなさいよ〜」
百合がそういうと沙羅は頬をぷぅと膨らませ。
「なにおぉ〜、じゃあ百合のそのレズ癖、直しなさいよぉ〜」
「そんな事言ったって・・・・・女の子って可愛くて仕方ないし・・・・・」

そう、この2人はちょっと奇妙な癖を持っているのです。
沙羅はショタ、百合はレズという趣味を持っています。

と、2人が喧嘩をしている間に結が出てきて
「あの・・・・・ここで喧嘩してると・・・・・ちょっと困りますが・・・・・」
「「え?」」
結に言われた2人は気づけば周りに見られている結果となった。
「「あはは・・・・しつれいします〜・・・」」
とこそこそと弓道場から出て行った。


「そういえばさ、明日ってバレンタインデーじゃない?」
「え?そういえばそうだねぇ〜」
帰り道の2人、急に百合はそう言い出した。
「それでさ、沙羅はやっぱりあの男に渡すの?」
「うん、だけどちょっと変わった渡し方をするのですぅ〜」
「変わった渡し方?」
そういうと沙羅は歩いているというのに余裕で歩きながら内緒話を始めました。
「へぇ〜・・・・・これは私もできるのね?」
「うん、そうですよぉ〜、明日例のものを持ってきますからぁ〜」
「期待してるわよ〜、私も、アレ持ってくるから・・・・」


そしてバレンタインデー当日・・・・
「せ〜んぱい!」
部活開始前早くに来ていた結に沙羅と百合が来ていた。
「ん?君達は昨日の・・・・」
「ちょっとごめんよ、えい!」
何かをした百合、その何かとは、非現実的な現象・・・・・魔法だった。
余談だが百合は何かの家系の影響で魔法が使えるらしく、今まで色々な魔法で少女達を弄んだ。
もちろん結はその魔法にかかり、その場で動けなくなった。
「え・・・・・・動け・・・・ない?」
「ふぅ〜ん・・・・・ちょっと魅力あるね、男の癖に・・・・」
冷めた表情で百合は言った。
「し・・・・失礼だなぁ・・・・」
「失礼で結構、だってあたしレズなんだも〜ん」
「り・・・・・理由になっていないような・・・・・」
意味のない理由に突っ込みを入れる結、その最中沙羅が鞄から複数の服を取り出した。
「ねぇ百合、どれがいい?」
「ん〜・・・・ちょっと待って、本当に魔法がかかってるかどうかチェックするから」
というと百合は結の弓道着を脱がせた。
「え・・・・ちょ、誰か来たらどうするのですか!」
「ん〜?それは簡単、私達以外はみ〜んな時が止まってるから・・・・・」
百合の言うとおりだった、外は静かだった。
生徒達の話し声も聞こえず、足音や動物の存在する音さえも聞こえない。
答えは簡単、百合が全ての時を止めたからだ・・・・
「え?」
疑問を浮かべる結の身に付けている物を百合がどんどん脱がせていく
「・・・・ってそれより脱がさないでください・・・恥ずかしい・・・・・」
「男なのに恥ずかしがり屋?・・・・・まぁ、それはそれでいいかもね・・・・」
「そうですよぉ〜、先輩極度の恥ずかしがり屋なんですよぉ〜」
顔を赤くする結、沙羅が続けて言う。
「特に女の子に囲まれると貧血で倒れちゃうとか・・・・・この間もそうでしたよぉ〜」
「わ・・・・・わわぁ、そんな情報を何時・・・・・・」
「先輩への愛の力さえあれば情報電波だって受け止めますぅ〜」
やばいよこの人たちは・・・・と思っている刹那、結は全裸となった。
「ふぅ〜ん・・・・・何かあんた女の子みたいね・・・・・男なのに・・・・」
「・・・・・一応言っとくけどそれが悩みなんですけど・・・・・」
「へぇ〜・・・・ま、いいけどねこの後あんた女の子もどきになるからね」
と言うと百合は下着を結に身に着ける。
下着は下着でも女物の下着である。
「ちょ・・・・・もしかして女装しろ・・・・とか?」
「まぁ、そういうけどね、私は少女萌え派だから、またはレズとも言うけどね」
「それはさっき聞きましたよ・・・・・・・って恥ずかしぃ・・・・・」
下着姿の結、下半身の一部を除いて本当に女の子みたいだった。
「百合〜終わったなら早く選んでよぉ〜」
「わかった〜・・・・・・う〜ん、いろいろあるのね〜」
「そうよ〜、ばれなかったのも奇跡なんだからぁ〜」
と言いながら百合は服を選ぶ、言うまでもないが服は全て女物+αだ。
「婦警さんもいいし・・・・・・浴衣も捨てがたいなぁ・・・・・・」
「あ、じゃあチャイナ服は?」
「それ論外、かわいいはかわいいけど、何か物足りないし・・・・・」
悩む二人をよそに顔を赤らめっぱなしの結
「あの・・・・・早くしてくれませんか?」
「あ、忘れてましたぁ〜、早くしないと冷えちゃいますし・・・・・・じゃあ、服ごとにやっちゃうと言うのは?」
「あ、それいいね、じゃあまずは何にする?」
と言いながら最初に選んだのはセーラー服だった。


「・・・・気が済みました?」
セーラー服を着た結、言葉では表現できないほどの可愛さで男の面影などないだった。
「うわぁ・・・・・正直言って・・・・・かわいい、本物の女の子にしか見えない・・・・・・」
「でしょ?本っっ当にかわいいですぅ〜」
「あの・・・・そろそろ戻してください・・・・」
くすくす笑う百合
「甘いね・・・・・これで終わるわけじゃないのよ」
また百合は結に魔法をかけた。
「え・・・・・・はうっ・・・冷たい・・・?」
「今凍らせてるの、沙羅の言ってたことがヒントになったわ〜」
氷はセーラー服の結を取り込み、同じ物質に変えようとしている。
「凍らせてるって・・・・・・それじゃあ凍死しちゃうよぉ〜・・・・・」
「大丈夫ですぅ〜それは死なない程度の凍結ですからぁ〜・・・安心してくださぃ〜」
「いや、普通凍ったら死にますよ・・・・・むしろ凍った箇所が二度と動きませんよぉ〜」
と言いながら結は命乞いをしている。
「女の子の癖に弱気だゾ!」
「男です!それに女の子は弱気でいいのでは?」
「いいのいいの、ぞれに今あんたは女の子なんだから女の子らしくしなさい!」
と無理矢理な理由や要求を突きつけて沙羅と百合は結を氷像に仕立て上げる。
「うぅ・・・・・・死んじゃう・・・・・・よぉ・・・・・」
「これで終わりね・・・・・」
「いや・・・だ・・・・よ・・・・・・」
声が小さくなったときには結の姿はどこにも無く代わりに結の氷像が現れた。
「・・・・にしてもよく考えたねぇ〜」
そういいながら氷像を眺める百合
「ふふっ、時間が止まってるんですからやりたい放題ですよぉ〜」
にこにこしながら氷像に写真を撮る沙羅
「・・・・まったくばれたら怒られるどころじゃないの?」
「あなたも共犯ですよぉ〜」
「・・・・・そうでした」
それからの事、時間停止をいいことに二人は結を女装しながら別のモノへと変えて弄んた。

「・・・・・・あの、僕あなたの弟じゃないのですが・・・・」
「いいじゃないですかぁ〜、これもこだわりですぅ〜」
恥ずかしながらも結は小学校時代の沙羅の私服+ランドセルで氷付けにしたり、巫女服で石像にしたり、女の子用の体操着でブロンズ像にしたり・・・

「こ・・・・これって・・・・」
「うん、似合う似合う〜」
「かなりマニアックですね・・・・分かる人いるのでしょうか?」
またさらに某カフェネットのウェイトレスで蝋人形にしたり、某ガラスのパティシエの私服でガラス像にしたりとコスプレまでやったり・・・

「・・・・・嫌な予感はしていましたが」
「あは、本当に女の子ですぅ〜」
「・・・・・僕の人権はどこ・・・・・?」
散々着せられた果てに某世間知らずのお姫様のドレスで宝石にしたり、女体化してスクール水着で真珠にしたりと女装&コスプレの域を超えた弄びが続きました。

「・・・・・・・・はぁ」
「あはは、これで最後ですねぇ〜」
「うんうん、最後の締めくくりはこれよね〜」
今結が来ているのはメイド服、またさらに女体化しているので余計に似合う。
「それでどんな固め方ですか?」
「あれ?癖になっちゃったのですかぁ〜?」
「違います!断じて違います!ただ気になっただけです・・・・」
顔を赤くする結、彼・・・いや彼女は未だに動けなかった。
「最後はチョコレートですよぉ〜」
「え?なんで?」
目的すら忘れている百合、沙羅は半ば怒り
「んもぅ、今日はバレンタインデーだって言ってたじゃないですかぁ〜」
「あ、ごめんごめん〜、あまりの可愛さについ忘れちゃってさ〜」
「さて・・・・始めますよぉ〜」
と沙羅の合図とともに百合は魔法を結にかけた。
すると女体化したメイドの結の足が茶色に変色していく、それと同時に何かいい匂いがした。
「これって・・・・チョコレート?」
「そうですよぉ〜・・・・さっきも言いましたけど、今日はバレンタインデーですよぉ〜」
沙羅が言っている間にも結の体はチョコレートと化していく。
「・・・・・もしかして食べないよね?」
「う〜ん・・・・私って、先輩の事食べちゃいたいくらい好きですしぃ〜」
「・・・・・まじですか?」
目を点にする結、もしかしたら彼・・・・いや彼女の人生はここまでかもしれない。
「ちょ・・・・・本気で食べるんじゃあ・・・・ちょ・・・本当に食べないでぇ〜」
泣きかける結、だがどっちみち結は動けない上にさらに完全に動きを止まるのだから。
そしてさらに甘い食べ物と来るから死と隣り合わせ、これで食べられたら死んだようなものです。
「やめてやめてやめてぇ〜」
「もぅ・・・・・かわいいんですからぁ〜先輩〜」
首まで動かなくなった結、最後は首から上のみ
「これで本当の女の子だったら萌え転がるんだけどねぇ〜」
「もう・・・・・今は今で女の子でしょ?」
少しの間考える百合、ぽんと手を叩き
「それもそうね〜」
「あ・・・・だ・・・め・・・・・・」
とうとう結はチョコレートになってしまった。
絶望的な表情を焼き付けたまま、誰も作り出すことができないチョコの像が出来上がった。
「・・・・・・・これは私たちのプレゼントですぅ〜」
とぴくりとも動かない結に向かって沙羅はつぶやいた
「・・・・・・・ずっと女の子ならいいのにねぇ〜」
百合も動かない結につぶやく



この後の話だが、沙羅と百合はちゃんと時間停止を解除し、結も元に戻しました。
「あ、そうだ先輩・・・・・私と付き合ってくれますかぁ?」
「え・・・・・・」
一瞬と惑うが何か悪寒を感じる結
「あ、うん・・・いいよ・・・・」
「え・・・・本当ですかぁ?」
勢いで言ってしまった結の返事にぱぁと明るくなる沙羅
「うん・・・・・付き合ってあげるよ」
「やった〜やった〜」
万歳をする沙羅、それとは反対にため息をつく結
それとは別に影から見てた百合が小声で
「これであの子は弄び放題・・・・・」
「え?何か言った?」
ぽかんとする沙羅
「ふえ?何もいってませんよぉ〜」
「え?・・・・・ならいいけど・・・・」
(おかしいなぁ・・・・・小声がしたような、それにすごい悪寒が・・・・・)
と思いながら沙羅にくっつかれる。


こうして結は沙羅と付き合う。
無論、百合の女体化の実験+弄び道具として・・・・
「ふふ・・・・・これだけじゃ物足りないのよ・・・・」
百合の笑いがどこかで木霊した。

おわり


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