狐〜姉妹達と出会う前のお話 後編〜

作:デュール


休んでいる三人に一人の少女がいた。
もちろんその少女はフユナだ。
「あなたたち、そこで何しているの?」
もちろん三人はフユナが狐だとは知りません。
アルスは助けが来た事と勘違いをし
「あの・・・・僕たち道に迷ってしまって・・・・」
フユナはにこにこと三人に
「そう、それじゃあ私の家に来る?この森一日じゃ出れないから」
アルスはそれを聞いて
「え・・・本当ですか?・・・・・でもそれじゃあ迷惑がかかるのでは?」
「いいえ、私一人ですし、人が来るのは少ないから嬉しいです」
「そう・・・・・それならいいですよ」
三人はそのままフユナについていった。



早朝、フユナはまずミリルを固めようとしたとき
「何をやってる?」
後ろからアルスの声がした。
「何をって・・・・・別に」
「実はあんたが狐でしたとか言うんじゃないだろうな?」
「正解・・・・」
と言ったとたんフユナのお尻から狐の尻尾が生えてきた。
そしてその尻尾でアルスを叩きつけた。
「くっ・・・・・」
アルスは倒れフユナに馬乗りされ、片腕は馬乗りにより動かなかった。
「ぐぅ・・・・・」
「ふふっ・・・・あなたって以外にかわいいのね・・・・」
「ふ・・・・そりゃどうも」
フユナに何かを突きつけた。
感触は冷たかった、それは氷ではなくナイフだった。
「あら・・・・あなた相当用意がいいのね」
「当たり前だ・・・・・僕は昔からナイフを持ってるからな」
「ふ〜ん、でもそのナイフも使い物のならないわよ」
「何?・・・・・!」
それもそうだ、アルスの片腕はフユナの馬乗りによって身動きが取れないからだ。
「く・・・・・・」
一瞬でナイフはフユナの手に渡った。
「どうした・・・・・それで僕を殺すんじゃないのか?」
「・・・・・あまり男の子固めるのって気が進まないけど・・・・・」
フユナは符を取り出すと符から赤い閃光が走った。
「くぅ・・・・・」
閃光がアルスの胸を貫いたとたん苦しみだした。
その後に胸から石になっていった。
「男の子だけは特別に苦しい思いをしながら固めてあげるからね・・・・」
アルスの体が石になってく度に息が荒くなっていく
「はぁはぁはぁ・・・・・僕は・・・・・はぁはぁ・・・・・どうでもいいから・・・・・ミリルとシルスだけは・・・・・はぁはぁ・・・・・見逃して・・・・・くれないか・・・・・」
アルスの苦しそうな声にフユナは
「私は狐なのよ・・・・誰一人として逃がしはしないの、分かる?」
フユナが言っている間にもアルスの下半身は石像へと化した。
そのとき
「・・・・・お兄ちゃん?」
シルスだ、恐々とした表情でフユナとアルスを見ていた。
「・・・・・・シルス・・・・・・逃げ・・・・・・」
苦しい表情のアルスの言葉は途切れた。
アルスの姿は無くただの石像が転がっていた。
「え・・・・・お兄ちゃん?・・・・ねぇってば!」
「もうお兄ちゃんは石になったの・・・・・・苦しみながらね」
「・・・・そんな・・・・・・」
はっとミリルの方に向いた、ミリルだけでもと思ったシルスは真っ先にミリルを起こした。
「逃げるつもり?・・・・無理よ」
フユナはもうひとつ符を出すと黄色い閃光が走った。
その閃光はシルスの足を貫いた。
その後にミリルは起きた。
「ん・・・・・どうしたの?」
金になっていくシルス、それに気づいたミリル
「え・・・・・どうしたの?シルス?」
「早く逃げて・・・・・・」
「えっ?えっ?どうしたのなんで金になってるの?」
「早く!・・・・・いいから!」
下半身が黄金へとなっていくシルスその侵食は止まりません。
「うん・・・・・」
ミリルが悲しそうにシルスから離れ逃げ出そうとしたその時
緑色の閃光がミリルの足を貫き、転びました。
その様子を見てシルスは絶望感に浸り
「そん・・・・・・な・・・・・・・」
シルスは黄金像へとなっていきました。
そのころミリルの足はブロンズ像へとなっていきます。
「嫌・・・・・・嫌ぁ・・・・・」
ミリルは半ば泣き出しました。
「さてと・・・・・・あのお兄さんは壊しますか・・・・」
フユナの言葉目の前に石にされた兄、それを見たミリルは
「止めて・・・・・壊さないで・・・・・・」
「へ?なんで?・・・・・だっていらないじゃない男なんて」
「だめ・・・・・だって大事な家族なんだもの・・・・・・だから・・・・・壊さないで」
フユナはにやりとし
「それじゃあ条件出すけど・・・・いい?」
「うん・・・・・・だからお兄ちゃんを壊さないで」
「分かった・・・・・じゃあそのまま固まってよ・・・・」
「え・・・・・・うん・・・・・」
ミリルはそのまま答えた、大事な兄のために自分が犠牲になるから。
ミリルの体はもうすぐ完全にブロンズへとなる直後ミリルは
(お兄ちゃん・・・・・ごめんね・・・・・)
そんな事を思いミリルも二人と同じように固まっていった。



「・・・・三人だけだったんだ〜」
レイは頷いきユイは
「それでさ、そのお兄さん壊しちゃったの?」
フユナはその質問に対し
「ううん、結構少年固めもいいと思ったからそのままにしたよ」
「へぇ〜そうなんだ〜」
レイも納得する。
「その3人・・・・・・・どうなったの?」
ユイはもう一つ質問をした。
「ちゃんと元に戻して森から出したよ」
ユイは嬉しそうに
「そうだよね、私達がいるからいいよね?」
フユナは
「そうね・・・・・」
と頷いた。

おわり


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