狂気的魔術師少女ラピス

作:デュール


「・・・・・どうして?」
触手に絡まれたポニーテールの少女は言った。
彼女の名前はレティシア・アップル、本当は王国の姫であり、ある理由で変装をしている。
「だって・・・・貴方がほしいもの・・・・」
変わった服装をしている少女、身長的にはレティシアより小さい。
彼女の名前はラピス・メリクリウス・フレイア、レティシアとは知り合い。
「なんで・・・・なんでみんなを石にしたの?」
二人の周りには触手に絡まれた石像が並んであった。
「みんな・・・みんなほしかったもの・・・・みんなの全てを・・・・」
「そんな・・・・・じゃあフィーもエルもレイチェルさんもほしかったの?」
レティシアは既に石になった少女たちの名前を挙げながら質問をした。

涙を流しながら石になったシスター服の少女シルフィ

剣を無くし、絶望的な表情をしたまま石になった女剣士の少女エレノア

そして諦めかけた表情のまま石になった店の看板娘レイチェル

他にもいろんな少女たちが石になっている。
レティシアも今まさにその少女たちと同じようになっていく
「それじゃあ・・・・始めよ」
触手が緑色の液を出した、たちまちレティシアの服や肌が石へと化していく
「いやぁ・・・・・やめてラピス!!」
レティシアは叫ぶがラピスは黙ったまま
「いや・・・・・いやいやぁぁぁぁ」
叫ぶ、力の限り叫ぶ、だがレティシアの抵抗も虚しく石像になっていく。


もう何分かたったのだろうか、レティシアの体はほとんど石になっている。
「もうそろそろ・・・・お別れだね・・・・」
「・・・・・嫌だよ・・・・・まだ石になりたくないよ・・・・・・」
レティシアは涙を流している、それでも容赦なくレティシアを動かぬ石像にしていく
「はぁ・・・・・い・・・や・・・・・・・」
レティシアは動かなくなった。
むしろ石像になった。
冷たく動かない体・・・
「もう・・・・離さないから・・・・」
ラピスは石になったレティシアを抱きしめていた。

おわり


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