満弦ヶ崎中央連絡港市で起こった彫像化事件

作:デュール


こんにちは!・・・またはこんばんは!
私の名前は『ミア・クレメンティス』と申します。
姫様の身の回りの世話をします。
さて・・・まず私からのお知らせですが・・・
1『これはゲーム会社「オーガスト」が作った「夜明け前より瑠璃色な」の二次創作品です』
2『一応ネタバレは含まれてませんが、体験版をやっておいた方が世界観も少しだけ分かっていいと思いますよ』
3『プレイされた方は本作で私が石化(ギャグですが・・・)している画像を見ながら読むと萌えやすいかもしれないですよ?』
それでは、ごゆっくりと〜

「最近は物騒ね?」
朝霧家の朝、フィーナの一言から始まった。
「え?何がだい?」
「何かあったの?」
達哉と麻衣の2人はフィーナの見ているテレビを覗く

『彫像化事件』とニュースの話題名が書いてあった。
ここのところ最近数人が石化されて放置されていると言う事件がある。
もちろん死んではいないが石化から戻ってはいない。
もしかしたら月の人達が何か反乱を起こしている可能性など良からぬ噂が立っていた。

ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る。
「あら?こんな朝早く誰かしら?」
「私が出るね〜」
そそくさと玄関へ行く麻衣、ドアを開けた先には赤い服を身にまとった眼鏡をかけた女性が立っていた。
「失礼します、姫様はいますか?」
丁寧な言葉遣いで尋ねる女性、そこにメイド服の少女ミアが現れた。
「あ、カレンさんですね?姫様はあちらです」
「そうですか、お邪魔します」
カレンと呼ばれた女性は丁寧に家の中へと入る。


「姫様〜、カレンさんですよ〜」
「そう・・・遠慮せずに座りなさい」
連れられたカレンはまた丁寧に座る
「それで・・・・今日は何か?」
「石化事件・・・ご存知ですよね?」
「えぇ・・・まさか・・・?」
フィーナの予感を当てるかのようにカレンは頷く
「えっ?えっ?何かあったの?」
興味津々に聞く麻衣
「ちょっと仕事が入ったの、ごめんなさいね」
「ん?いいよいいよ〜・・・・そういえばミアちゃんも行くの?」
「いえ、ミアはお留守番よ」
フィーナがそういうとミアは気合を入れる。
「はい、がんばります!」
そんなわけでフィーナはカレンとともに大使館へと足を運んだ。
さやかは王立博物館の仕事へ行き、達哉と麻衣は学校へ行く・・・


・・・そして家に残ったのはミア一人だけ
「さて、頑張りますか〜」
と再度気合を入れるミア



夜、学校帰りの達哉と麻衣、それに菜月と一緒に帰る。
「ごめんね〜遅くなっちゃって」
遅くなった事を気にながらも謝る麻衣
「いいのよ、今日バイト休みだし」
「あぁ、でも急いで帰らないとな」
とちょっと不安げな事を言う達哉
「「え?」」
「最近、事件が起こってるんだろ?」
またさらに怖い事言う
「ちょっと!怖い事言わないでよ!」
「そうだよお兄ちゃん〜」
「ははっ・・・ごめ・・・・」
最後まで言おうとしたが急に途切れ、倒れこむ達哉
「えっ?お兄ちゃん?」
「達哉、どうした・・・・いやぁぁぁぁぁ」
菜月が悲鳴を上げる。
悲鳴を上げるのは無理もない、達也の体が石化しているのだから。
「お兄ちゃん!」
「ま・・・い・・・早く・・・逃・・・げ・・・・・」
「お兄ちゃーーーーん」
兄の末路に泣きだす麻衣、それに反応した何かは麻衣を襲い始める。
「麻衣!逃げようよ!」
「でもお兄ちゃんが!」
「早く!」
麻衣の手を引いて逃げ出す菜月

どこまで行ったのか菜月が転ぶ
「痛!!」
転んだ菜月が目の前にいたのは「何か」だった。
暗くてよく見えないが人では無いことがわかる。
そして菜月も「何か」によって石化されていく
「い・・・いやぁ・・・・」
「な・・・菜月ちゃん!」
動かない下半身、しかし菜月は麻衣だけでも逃がそうと必死に叫ぶ
「逃げて・・・麻衣だけでも・・・・」
「う・・・・うん!」
意を決したか、麻衣は逃げる。
「お願い・・・死なない・・・で・・・・」
麻衣の無事を祈りながらも菜月は彫像への変換が完了した。
地面に這い蹲ったままぴくりとも動かない彫像へとなっている。

「はぁ・・・はぁ・・・」
逃げ続ける麻衣、だが途中で転ぶ、菜月のときと同じように・・・
「あっ・・・・足がっ・・・・」
足を見る麻衣、もちろん彼女の足は石化している。
「い・・・やぁ・・・・」
涙ながらも逃げようとする麻衣
しかし「何か」は麻衣を石化させる。
「いや・・・お兄ちゃ・・・・」
最後の抵抗も無駄に終わり麻衣は立派な彫像へと変わり果てた。



所変わって朝霧家、未だにミアの一人だけ
「う〜ん・・・お帰りが遅いですねぇ・・・・」
と全員の帰りを待つミア

ピンポーン

玄関のチャイムが鳴る。
「あ、達也さん達かも・・・」
と玄関へ向かうミア
しかし彼女は気づいていない・・・
外にいたイタリアンズが彫像にされている事を・・・

「おかえ・・・・えぇ!!」
驚くミア、目の前にいたのは達也でもなく麻衣でもなく・・・・
ましてやさやかでもフィーナでもない・・・
巨大な鶏のような、そのような「何か」だいた。
「えっ・・・・どっどちらさまです・・・か?」
いきなりの来客に対応してしまうミア
「何か」は睨みつける。
「あっ・・・・あれ?」
睨みつけられてから数秒、ミアの身体に異変が生じた。
「えっ・・・・えーーーーーーーー」
足の先から身体へと、彫像へと変えられるミア
「あっ・・・あれれ?どうして私、石に・・・?」
パニックを起こすミア、しかしそんな行動は何もならなかった。
「も・・・もしかして達也さんのお友達・・・とか?」
冗談っぽい質問だが「何か」は何も関係なく睨みつけている。
腰へと石化し、そして上半身へと侵食していく
「あ・・・あわわ・・・・」
じわじわと動かない彫像と化していくミア
今自分に起こっていることを理解していない、というよりしたくない状況だ。
首や腕が石化しミアのパニックは最高潮に達する。
「わわぁ〜〜・・・ひ・・・姫さ・・・ま・・・・」
驚きながらも意識を失い、身体も心も彫像と化した。
「何か」朝霧家へと侵入する、丁寧にもドアを閉めて・・・




「ふぅ・・・遅くなってしまったわ」
「お疲れ様です」
カレンと一緒にフィーナは仕事が長引いて遅くなっていたようだ。
「ただい・・・・え・・・?」
「どうなされまし・・・!そんな・・・・」
呆然とする2人、目の前にミアの彫像がポツリと置いてあった。
「ミア・・・・!もしかして・・・・」
「はい・・・・増援を呼びます、姫様はここからあまり動かないように・・・」
と走り出すカレン、フィーナはミアを抱きしめる。
「ミア・・・・どうしてこんな事に・・・・」
驚いた表情のメイドの彫像、月の姫は強く抱きしめ何度も謝る
「ミア・・・・ごめんね・・・・」



何週間後、その「何か」は捕獲された。
色々と研究を費やし、全員彫像から普通の人間へと戻った。
「ふぅ・・・・酷い目に遭った・・・」
ソファーに寝転がる達哉
「でも達也さん、石化しちゃったから少し長生きしたかもしれないですよ?」
「あはは、それはそれで嬉しいね」
麻衣とミアもプラス思考な言葉をかける。
「ふふっ・・・じゃあ今度その動物連れてきましょうか?」
微笑するフィーナ、達也はソファーから転げ落ち
「そっ・・・・そんなのごめんだ・・・うわぁ!」
「だっ・・・・大丈夫お兄ちゃん?」
再度微笑をするフィーナ
「ふふっ、冗談よ達哉」
「あわわ・・・姫様本気かと思いました〜」
ほっと胸をなでおろすミア
そんなわけで、朝霧家に起こった不思議な出来事はこれにて終わったと言う・・・

おわり


デュールさんの文章に戻る