作:デュール
ある館から抜け出す2人の姉弟
「ねぇ、ノア、公園に行こうよ」
「・・・・・うん」
元気がありキラキラした瞳のマリーに対し内気で虚ろな瞳のノア
ノアはマリーに手をつながれ走っていく
彼女の名前は舞風 マリー、ある大きな館に住んでいる元気が取り柄の少女
もう一人の少年の名前は舞風 ノア、彼女と違い内気で暗い性格で彼女に振り回されがちである。
その2人は広くも無く狭くも無い公園に着いた。
「じゃ、ジュース買って来るね」
と走っていったマリー
ベンチに腰掛けているノアに黒い髪の少年ユウキが来た。
ユウキは元気が無い人には声をかけられずに入られない性格である。
「どうしたんだい、元気なさそうだけど・・・・」
突然声をかけられたノアはびっくりした。
「あ・・・・・・」
ノアは何かを言おうとしたが言葉が出ない。
「君は怖いんだね、そういう事は君が一番知っているはずだ」
ユウキの言葉に気づいたのか、ノアの口が開いた。
「え・・・・と・・・・あの・・・・あなた・・・誰です・・・・か?」
「オレはユウキ、影山 ユウキ、君は?」
自己紹介をしたユウキはノアに質問をする。
「ノア・・・・・舞風・・・・ノア・・・・です」
おどおどしながらはっきりとした声で言った。
「ノアって言うんだ、それで君は何かに不安を抱えているんだね?そうだろ?」
「え・・・・いや・・・・そうじゃない・・・・です」
「隠すのは良くないよ、君は何かに不安を抱えているはずだ」
「その・・・・・」
突然何かに気づいたユウキは
「それじゃあ、オレは行くから・・・・」
と公園の出口へと言った。
「あ・・・・・」
止めようとしたノア、だがマリーの声で途切れてしまう。
「ノア〜、買って来たよ〜」
「・・・・うん」
またいつものような内気な声に戻ったノア
公園の出口でユウキはつぶやいた。
「あの子は・・・・いやまさか・・・・それにしても、あの子の姉は元気だな、ターゲットにちょうどいい、あの子をいただくか・・・・・」
館に帰ってきた2人にメイドがやってきた。
「マリー様、ノア様、ちょっと来てください」
メイドの呼びかけにマリーは反応し
「分かった、ノア、行こ」
「うん・・・・」
館の中を歩き回って何分かした後、中央間についた。
そこには館専用の兵士達とマリーより少し背が低い少年がいた。
彼の名は舞風 ルドルフ、ある軍隊の特殊部隊に入っているまだ若い少年、マリーより背が低いがこれでもマリーより年上らしい。
「あ・・・・ルドルフお兄ちゃん」
「やあ、2人とも元気だね・・・ってそんなこと言ってる場合じゃなかったな、これをマリーに・・・」
ルドルフは2人に手紙を渡した。
「ふえ?なんだろう・・・・・・・えぇ!!!!」
マリーは驚いた、何せ手紙の内容はこう書いてあった。
“舞風マリー様、あなたのけがれなき体、いただきます。Shadow”
「うそでしょ・・・・あの美女さらいが私に・・・・?」
驚きが隠せないマリーに対しルドルフは頭をかき回しながら
「やれやれ・・・・突然呼び出し食らったと思ったら、あの美女さらいを倒せとかほざくもんなぁ」
愚痴を言うルドルフに1人の兵士が来た。
「シャドウが来ました、命令を・・・・」
「好きにしろ・・・・とは言えないな、とりあえず守りを固めろ」
「は・・・」
一人の兵士が去っていった。
そのころユウキは館の兵士の団体達を突破していった。
「今回は警察じゃないな・・・・専用の兵士か・・・・」
そう言うと次々と兵士達は気絶していった。
「今回も簡単だね・・・・・・」
ユウキのあまりの強さに兵士達はたじろく
「た・・・・隊長がやられたぞ」
「や・・・・やばいんじゃないのか?」
「て・・・・撤退した方がいいぞ・・・・」
と次々に引いていく兵士達
「警察と変わらないね・・・・まあいいけど」
ユウキは誰もいない廊下を走り、ついにマリーのいる部屋まで来た。
「やはり・・・・来ましたか・・・・・」
その一言でユウキは直感し
(・・・・・・・こいつ・・・・能力者だな)
「やはり・・・・あなたはゴルゴンの能力者ですか・・・・初めまして、僕は舞風ルドルフといいます」
ユウキは余裕の表情で
「ふ・・・・君はあのワルキューレの能力者だね、まさか男の子を選ぶとは思わなかったよ」
「男の子?・・・・あぁ、こう見えても僕15歳ですよ・・・・事実上はですけど・・・・」
「まぁね・・・・君も苦労しているでしょ?この能力の犠牲は成長が常人も3倍遅いんだから」
「良く分かっていますね・・・・」
続けてルドルフは言い続ける。
「あなたの目的は分かってますよ、あなたの欲望のため少女をさらっているんでしょ・・・・・あまりよくないと思いませんか?」
ユウキは何ともないような言い方で
「別に・・・・・それにオレの美女達は幸せを感じながらオブジェになっていったんだから」
「その考え・・・・並の人じゃないですね、ほとんど欲望の考えになっています・・・・・・その者を裁く者がワルキューレの任務・・・・・」
「任務・・・・・か、同調しているな・・・・・だから危険だ、君をオブジェにする」
ユウキの言葉にルドルフは意外な表情だった。
「へぇ〜・・・・僕のような少年でもさらうんですか?」
「君は危険だから、オブジェにするんだ、男の子をオブジェにしても悪くないしね」
その後ルドルフは自分の剣を出し、剣先をユウキに向けた。
「さて・・・・・おしゃべりはこれまでにして決着をつけましょう・・・・」
「ふ・・・・・まさか武器で勝負するとは・・・・・しょうがない、決着をつけようか・・・」
ユウキも剣を出し、剣先をルドルフに向けた。
「行きますよ!」
「勝てるかな?」
ユウキとルドルフ両方が突撃をした。
剣が重なり合い、金属同士が当たる音が一気に響いた。
少し2人は間を取り、また突撃をする。
剣同士が重なり、2人は睨み合う。
そして重なり合った剣は後に離れ2人の距離も離れる。
「・・・・・なかなかやるな・・・・だが、状況的には僕が勝っている」
「ふ・・・・その甘い考えから偶然は起こるんだよ」
「勝負の途中で何を言って・・・・・・あっ」
ルドルフの足が身につけている物を崩しながら灰色になっていく、彼はさっき睨み合った時、ルドルフは気づかないように石化の閃光をユウキに浴びさせられたのであった。
「まさか・・・・あの時・・・・・」
「そうさ・・・・だから君の甘い考えで偶然は起こるって言ったんだよ」
足がひびの入った石のなると同時に、ルドルフはどんどん混乱していった。
「そんな・・・・・そんなことって・・・・・・」
「このままここに残さないよ、ちゃんとオレの空間で永遠に立ち尽くしてもらうよ」
乾いた音を立てながらルドルフの下半身は何も身につけていない状態で石化していく
「まだ・・・・・・まだ行けるはず・・・・・負けたくは無い・・・・死にたくない・・・・・」
石化していくワルキューレの力を持った少年、半ば泣いている彼は石像へとなっていく。
(まだ負けたくは無い・・・・2人を守りたいんだ・・・・・)
手が石化した後、剣が落ちた、金属の特有の音を出しながら
その剣は二度と使い手に使われない、その使い手がオブジェになるから・・・
そして首まで石化が達したルドルフ、恐怖と使命感が混合する中で昔の事を思った。
僕は親はいない、だけどあの能力との出会いが僕の全てを変えた。
「貴方は力がほしいのですか?」
僕に力をくれた、成長が遅くなると言う条件をつけて・・・
否定もできた・・・けどあの頃は力がほしい事しか頭に無かった。
その後自衛隊に入り、上の者は僕の力を目に付け特殊部隊隊長として力を発揮した。
その後マリーとノアと出会い、家族として迎え入れてくれた。
もちろん部隊長としての任務も忘れなかった。
マリーとはすぐ心を開いたがノアはそうもいかなかった。
あの夜の時だけ僕に話しかけてきた。
あの時は、僕を心配してくれた。
「・・・・・ルドルフは本当は家族じゃないんでしょ?」
「・・・・・・・ああ」
「・・・・・ルドルフ・・・・いやなんでもない・・・・・」
「?・・・・・・どうした?」
「お願いだからさ・・・・・・死なないで・・・・・」
そう言って泣きながら彼は僕に抱きついた。
あの時から、絶対死ねないと思った、2人を守るという決意をした。
だけど今敗北した、予想もしなかった偶然が起こって。
だけど2人を守りたい、たとえ自分の体が傷ついても・・・・
でも、傷ついたわけではなく、ゴルゴンの能力者に石像にされると言う結果となった。
僕は、守れなかった・・・
ルドルフは涙を流し、上を向き石化していく口を開き
「あ・・・・・・」
何かを言おうとしたが、ルドルフの口も瞳も涙も灰色に染まり、さらにその瞳にひびが入った。
彼は石像になった、何も身につけてない、まるで全てが開放されたみたいに・・・・
ユウキは微笑し灰色になった髪を撫でながら
「君は一生懸命守ってきた・・・・・いいさ、君はもうすぐ家族と永遠に一緒になれるのだから・・・・そう・・・・君は家族を守ったのと同じさ」
ルドルフから離れマリーを探そうとした。
だが、ユウキは何かに気づき
「探す手間が省けたね・・・・・・」
ユウキの目線は眠っているマリーとそれを背負っているノアが現れた。
「さて・・・・・君も能力者だろ?」
「・・・・・あの・・・・・えと・・・・・」
「今聞いているのはオレだけだよ、ルドルフはオブジェになった、マリーは眠っているんだよ今恥ずかしがってどうするんだい?」
ノアは今まで恥ずかしがったのが急に素直になり
「・・・・・僕も、ルドルフさんのように石像になりたい・・・・・僕もルドルフさんとは違うけど能力者なんだ・・・・・」
「へぇ・・・・自らなりたいとは・・・・・それでどういう能力かな?」
ノアは一瞬迷ったが、やがて、決心したように口を開いた。
「僕の能力は・・・・・全てを壊す能力、ガイアの能力者です」
「・・・・・それは危険すぎるね」
ノアは言った後にも連続で続けて言った。
「だから・・・・・これ以上この能力を持つわけにはいかないんです・・・・・それにこんな能力持っていたってただ迷惑かけるだけだから」
ノアの意見にユウキは少し考え、にやりとし
「分かった・・・・・それじゃあ行くよ・・・・・」
そういった後ユウキの体から黒い霧が出てきた。
「え?」
ノアはわけが分からず、その黒い霧に包まれた。
霧は全てを包み込み、霧が晴れた後には何も無かった。
暗黒が無限に広がるユウキが作り出した空間
そこにユウキと気絶しているマリーとノア、そしてオブジェと化したルドルフと少女たちがいた。
起きたマリーは見慣れない空間に焦る。
「え・・・・・ここどこ?・・・・・ノア?」
マリーの声にノアも起きて
「ん・・・・・・あれ?お姉ちゃん」
「ふ・・・・君たち起きたんだね」
「え・・・・・?」
ユウキの声にマリーは驚く
「ちょっと!ここどこなのよ!早く家に返してよ!」
マリーの叫びにユウキは笑い
「ははははは・・・・・君、立場が分かってないね?」
「何よそれ!」
「ここはオレの空間、ここに入ったらオレ以外二度と出れないよ」
その事を知ったマリー、周りには多数の石像が並べてられていた。
「そ・・・・・そんな・・・・・」
はっとしマリーはルドルフを探す
「ルドルフお兄ちゃん・・・・・え・・・・・」
マリーは驚愕する、目の前に石像にされた義兄がいる。
「君のお兄さんは既にオレのオブジェになったのさ・・・・そして君もオブジェになるんだよ」
「嘘よ・・・・・・嘘だよね!・・・・・嘘だって言ってよ・・・・ねぇ!ノア!」
ノアに問い詰めるマリー、だがノアは
「いや・・・・お兄ちゃん・・・・・石になっちゃったんだよ」
マリーの期待はノアの一言により崩れ、ただ絶望のみだった。
「ノア・・・・・そんな・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
マリーは力の限り叫んだ。
「どうだい・・・・気が済んだかい?」
「もう・・・・どうにでもなれよ!好きにしてよ・・・・・」
ユウキはマリーの肩に手を乗せ、見つめる。
「そうか・・・・それじゃあ・・・・・」
マリーの瞳を見つめるユウキは自分の瞳に力を入れ閃光が放った。
「え・・・・・?」
一瞬、マリーの胸に強い衝撃が伝わった。
「何・・・・・今の・・・・」
マリーが疑問に思っているうちに足が乾いた音を立てながら石化していった。
「これで君はオレのものだよ」
「ちょ・・・・・これ、まさかルドルフお兄ちゃんと同じに・・・・」
「そう、君もお兄さんと同じようにオブジェになるんだよ」
身につけているものを開放しながら動かなくなっていく足、マリーはノアに呼びかけるように叫び
「ノア・・・・・助けてよ・・・・・あの時のように・・・・」
マリーの期待はまた裏切られ
「いやだ・・・・僕はもう殺さない・・・・・僕も石になるんだら・・・・・」
「ノア・・・・そんな・・・・」
絶望な状態からすぐに一変し
「だったら・・・・あの時断ってよ・・・・・私だって・・・・・・」
そして泣き出した、自分が裏切られ、さらに石像になっていくのだから
マリーはそれだけでは済まなかった。
マリーの足が石化し終わり体全体に石化が広がっていった頃、ユウキは自分の服を全て脱いだ。
「あなた・・・・・何やってるのよ・・・・・私恥ずかしいじゃない!」
それを見ていたノアは顔を赤らめて目線を逸らす。
「何を恥ずかしがってるんだい、オレの空間には君とオレ、そして君の弟とオブジェの少女達しかいないよ・・・今更恥ずかしがったって意味無いんじゃないかな?」
「でも・・・・あなたに見られると・・・・恥ずかしい」
服を石屑となって崩しながら石化しているマリーにユウキは半壊の服に手を入れ、胸を揉みはじめた。
「あぁ・・・・ノア・・・・・私・・・・・はあぁ・・・・・」
マリーは顔を赤らめ抵抗しようとするがあまりの快感に抵抗する気が無かった。
「あ・・・・あぁぁ・・・・・・」
「お姉ちゃん・・・・・・・」
姉の姿を見てまた呆然と顔を赤らめるノア
はっと我に返り、何を思ったのかユウキの方に向け、走っていった。
「何やってるんですか!石化はいいですけど、お姉ちゃんには触らないでください!」
「やっぱり・・・・君の姉思いは本当に危険だよ・・・・」
「え・・・・?」
また閃光が放った、今度はノアに閃光を浴びた。
「・・・・・もしかして・・・・・・僕も・・・・・」
「そうさ・・・・本当は最後にしたかったんだけどね」
「ノア・・・・そんな・・・・・」
ノアの足はマリーと同じように乾いた音を立てて石化し始めた。
「あぁ・・・・何も感じなくなってく・・・・・」
呆然としているノア、ユウキは石化していくノアに背を向け
「さて・・・・続きと行こうか・・・・」
「まってよ!」
ノアは膝が石化しかけた頃にユウキを呼び止めた。
「お姉ちゃんは止めて!代わりに僕をやってよ・・・・」
「しかし・・・・オレは少女を感じさせながら石化するのが好きでね、君のような少年はあまりしたくはないんだ・・・・だから君のお姉さんは快楽を感じながら石化させるよ」
「だけど・・・・・僕はお姉ちゃんが好きなんだ・・・・・・だから」
「え・・・・・」
突然マリーの石化は腰の辺りで止まった。
「なら望み通りにしてあげるよ・・・でも、君は男の子だからオレが何もしなくても感じるはずさ」
下半身石化し尽したノアは顔を赤らめて
「あれ・・・・・何だろう・・・・・この感じ・・・・・・」
石化していくのと同時にノアに今まで無い感じがこみ上げてきた。
「お姉ちゃん・・・・僕・・・・・僕・・・・・あはぁ・・・・・」
何かを言いたそうな表情だが、恥ずかしさと快楽が混ざっているノアは口にはできなかった。
「ノア・・・・・」
マリーは快楽に囚われている弟の名を呼んだ。
ノアは石化という快楽に囚われ、ただ石化される自分に叫ぶしかなかった。
「お姉ちゃん・・・・・・あぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
もう服とは呼べないほどの石屑になってしまい、石になったノアの素肌が丸見えだった。
「ほらね・・・・オレがやらなくても君は自動的にそうなってくるのさ・・・・」
ノアの体は首まで及んだ、もちろん服は全て石化によりなくなっている。
「さてと・・・・オレはお姉さんの方にいきますか・・・・・」
「え・・・・・・・」
ノアはきょとんとした。
自分が騙された事は気づいていない。
むしろ石化の快楽が勝ってしまったのだから。
「はぁぁ・・・・・・お・・・・ねえ・・・・・ちゃん・・・・ぼ・・・・・」
ノアは何かを言おうとしたが石化の快楽に阻まれた。
「ノ・・・・・ア・・・・・・?」
マリーはオブジェと化したノアに話しかける。
「もう君の弟は動かない・・・・・・最後は君だよ・・・・・」
「え・・・・・・あ・・・・・やめ・・・・・はぁ・・・・」
石化が再開し、マリーの服を破き、ユウキはあらわになった胸をまた揉みはじめた。
「いやぁ・・・・・ノア・・・はあぁぁ・・・・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・」
彼女はオブジェと化した2人の少年の名を呼んだ。
マリーとユウキは今、快楽の中にいる。
マリーの胸が石化し始めた頃、ユウキは身をかがめ、石化した足を撫で回し、秘所に舌を入れた。
「あ・・・・・はぁぁ・・・・・ん・・・・・んん・・・・・」
胸を揉んだ快感とは別の快感がマリーとユウキに込みあがってきた。
「はぁぁ・・・・・ん・・・・・あぁ・・・・・・」
声を漏らさずにはいられなくなったマリー、ユウキが秘所を舐めた後には彼女の手は動かぬ石像へとなった。
「そろそろオブジェに変えようか・・・・・今日は3つも戦利品が手に入った・・・・・嬉しいよ」
今度は石になった胸を舐め始めた、マリーはまた別の快感がこみ上げてきた。
彼女はもう永遠の快楽へと溺れてしまった。
「はぁぁ・・・・・お兄ちゃん・・・・・・・ルイ・・・・・・・」
「そうだね・・・・家族は近い方がいいからね・・・」
ユウキは胸を舐めるのを止め、完全に石化しかけのマリーを既にオブジェと化しているノアとルドルフの前に置いた。
「はぁ・・・・・ノ・・・・・ア・・・・・おに・・・・・・い・・・・・・」
言葉は途切れ、ただオブジェになっている2人を見て
(お兄ちゃん・・・ありが・・・・とう・・・・ごめ・・・ん・・・ね・・・・ノ・・・・ア・・・・・)
薄れ行く意識の中でマリーはノアやルドルフのことを思い出した。
彼女がいた、広い草原に何も身につけていないマリーがいた。
「ここ・・・・どこ・・・・・?」
マリーはしばらく考えていると後ろからノアが飛びつくように彼女の肩を叩いた。
「お姉ちゃん〜」
ノアに続きルドルフが姿を現した、彼らもまたマリーと同じく何も身につけていない。
「え?ノア?お兄ちゃんまで・・・・・・どうして?」
「知らない・・・・・が僕達は・・・・ずっとこのままだということは確かだ」
悩んでいるマリーにノアはすごく元気がいい声で
「お姉ちゃん・・・・・・遊ぼうよ・・・・・・」
「ノア・・・・・・?」
今まで聞いた事の無いノアの声、今まで内気で暗かった彼なのに今は彼女と同じくらい元気がある。
「・・・・・・うん」
マリーはうなずいた、そして
「お兄ちゃんも遊ぼうよ・・・・・・」
「あぁ・・・・・そうだな、もう僕には仕事はないから・・・・・」
ノアは先に走り出し
「お姉ちゃ〜ん、お兄ちゃ〜ん、おいてっちゃうよ〜」
「あ・・・・待ってよ〜・・・・・早く行こ!」
「あぁ・・・・・・・」
ノアの後に続きマリーとルドルフの3人は無限の草原の中を走り回っていた。
(これで・・・・・いいんだよね?うん、お兄ちゃんもノアも幸せだから・・・・・)
「君達はオレの空間でずっとこのままさ・・・・・・でも家族と言う絆は決して切れる事は無い、ここにいる限りね・・・・」
オブジェとなりぴくりとも動かない3人にユウキは話しかけた。
そして少しため息をし
「今回は男の子の能力者がいたから予想外だったなぁ・・・・・」
ため息の後ユウキはにやりとし
「まぁいいけどね、あんな心がきれいな男の子は数少ないし、一石二鳥かな」
3人はユウキの石化により、永遠の幸せを手に入れた。
自分達がオブジェになろうと今の3人は関係なかったのだから。
おわり