スクライア族の少年の過去と時空管理局の少年の苦労

作:デュール


「ユーノ・スクライア」・・・スクライア族の少年・・・
使用魔法は補助系が多く戦闘系はかなり不得意。
なお変身魔法でフェレット形態になる。
彼のプライベートの詳細・不明経緯についてはまったく不明・・・



・・・時空管理局のとある一室、なのは・フェイト・クロノの三人が真剣な表情で話し合っている。
「・・・以上、彼の詳細だ」
詳細表を見ながらクロノは彼女達を見つめる。
「で、これがとスクライア族の者からもらった記憶ディスクだ」
「これでどんな事が分かるの?」
フェイトがクロノの持っているディスクについて聞く
「あぁ、まだ言ってなかったな」
クロノは机の上にある機械を操作する。
「このディスクはスクライア族のみの特殊なミッドチルダの魔術で、起こった事をリアルに映し出す道具だ」
「でもなんでこれに?」
次になのはが質問をする。
「僕にも良く分からない、ただ・・・」
「ただ・・・?」
かなり暗い表情をするクロノ、数秒後決意したかのように口を開く
「彼の過去はかなりすごい事になっているが・・・それでもいいのか?」
二人は少し戸惑ったが、表情を戻し
「うん、ユーノ君がどんな過去だったのか知りたい」
「私も・・・彼のことをもっとよく分かってあげたい」
その言葉にクロノは少し考え
「そうか、だが後悔はするな・・・」
そういった後に彼は彼女達に聞こえないくらいの声で
(僕はかなり後悔したが・・・・)
「じゃあ、再生するよ・・・」
クロノは機械にディスクを入れる。
そして部屋中が光に包まれた・・・



・・・光が収まるとさっきまでの部屋とは違い、人が住んでいるような部屋となった。
「あれ・・・ここは?」
倒れていたなのはとフェイトは起き上がる、目の前にはクロノがいた。
「ディスクの内容を再生している、あぁ言い忘れてたが一部の物や人には触れないからな、ただ見ているだけだ」
「要はビデオみたいなものなのね・・・」
フェイトはそういうとドアが突然開く
「わっ」
なのはは思わずびっくりすして大声を上げた。
「大丈夫だ、再生しているから僕達はいない事になっている」
「そっか・・・でも突然物音がするとびっくりしちゃうよね・・・・」
そういいながら彼女達は開いたドアから入ってくる少女を見つめる。
外見的にユーのが着るバリアジャケットと同じであり、ロングの髪の少女だった。
ユーノより少し年上的な背であった。
少女はベットに近づく、ベットの中身はユーノだった。
「ユーノぉ!」
といきなり魔法で攻撃をする。
「わっ、ユーノ君危ない!」
とっさに庇おうとするなのは、しかし案の定すり抜けてしまう。
「なのはっ!」
「大丈夫だ、何も影響はない、それに触れないといったはずだろう?」
見事に倒れこんでいるなのはは起き上がる。
「そうだった・・・でもユーノ君は?」
ベットの中を見るとぎりぎりで避けている。
しかし、ベットが灰色に染まっていた。
「ねっ・・・・姉さん!いきなり石化魔法はやめてよ!」
「えっ・・・・」
目を点にして見ているなのは
「石化魔法って・・・・確かはやてが使っていた・・・」
「ミストルティンはベルカのだ、ミッドチルダにも石化魔法はある」
しかし、そんな事を聞いても目が点にしているなのは
「どうしたの?なのは?」
「え・・・姉さんって・・・・ユーノ君のお姉さんっていたの?」
ようやく呆然の理由を話すなのは
「確かに・・・ユーノって家族のこと話してなかったね・・・・」
「僕もディスク渡される際に言われたときはすごい驚いたよ・・・ちなみに彼女の名前は『リリス・スクライア』と言っていた」
にこにこと子供のように喜ぶリリス
「ぁは♪外しちゃった〜」
「もぅ・・・朝の奇襲は油断ならないよ・・・・」
ため息をつくユーノ、しかしその油断を突くようにリリスは再度石化魔法を発動させる。
「隙ありぃ〜♪」
「えっ・・・?」
見事にユーノに命中する、命中した胸から灰色へと染まっていく
「わっ・・・わっ・・・石になっていくよぉ・・・」
「ふふっ・・・一瞬のミスが命取りよ?」
そしてリリスは動かなくなっていくユーノに乗っかる。
「姉さんっ・・・・朝からそんなっ・・・・んぐっ・・・・」
キス、普通の人から見れば誰だって分かることだ。
しかしそれを見ているなのはとフェイトは顔を真っ赤にして
「き・・・・ききききききキスしてるぅーーーーーー」
「わっ・・・しかも舌絡めているよ・・・・」
石化して身体の感覚がなくなっていくユーノ、その上にキスまでされているので完全無抵抗だった。
「んっ・・・・んくっ」
「んっ、んぅーーーーーーーーーー」
石化とキスの攻めでユーノはかなり苦しそうな表情だった。
「ぷはっ・・・・んもぅ、かわいいんだからぁ♪」
ユーノの身体は無機質の石へと変わり果てていく、手も足も何もかもが動かない灰色へと変わっていく
「あっ・・・・姉さ・・・止め・・・・・」
最後まで姉の弄ばれるがままに冷たい石像と化した。
その一部始終を見ていた三人中二人の少女は限界に来たらしく
「ゆ・・・ユーノ君が石化しちゃった・・・・」
「ぁ・・・・ぁう・・・・」
ついには倒れて気絶してしまった。
「あっ・・・・全くしょうがないなぁ・・・・」
クロノはため息をつきながらも作業に入る。



「で、お二人はどうしたのですか?」
「今医務室で眠ってます・・・」
所変わって別の個室部屋、艦長のリンディとクロノの二人だけであった。
「そう・・・・私も見てみたけどまさかお姉さんがいたなんてね・・・」
そういいながら何か悩んでいるようだった。
「ねぇ、クロノ・・・」
「はい・・・」
リンディは突然戦闘体制に入る、妖精のような羽を広げて
「あ・・・あの?」
「その姉さんと詳しく話し合ってみたいわねぇ・・・・」
にっこりと微笑むリンディ、その微笑がなぜか彼にとっては悪寒がする表情でもあった。
突然彼の足が灰色に染まりだした。
「えっ・・・・」
「お父さんがいないから、やりたい放題なのよ・・・・」
乾いた音を立てながらクロノの身体は石化を始めている。
「かっ・・・艦長、何のつもりですかっ!」
彼には石化魔法だという事は分かった、しかし気づいても既に遅くその魔法にかかっている最中であった。
「クロノ・・・私がどうして石化魔法が使えるのは分かる?」
「え・・・・どういう意味で?」
冷静でもあり焦ってもいるクロノは質問をする。
「これはね、愛情の一種なの・・・だから、私を満足させて・・・ね?」
そして石化していくクロノを抱く、彼は顔を赤くなりながらも抵抗をする。
「ちょ・・・ちょっと艦長・・・」
石化は身体全体に回ってきている、石化の進行が進み動きが鈍くなるにつれ焦りが大きくなってきた。
「や・・・・止めて・・・・母さん・・・・」
「いや・・・私にだってストレスはたまるの・・・・」
「だからといって・・・・僕を石化するなんて・・・・」
だんだんと涙目になってきたクロノ、石化は身体全体を包み首から上を目指しつつある。
「止めて・・・・止めて母さん・・・・石になりたくない・・・・止めて・・・・」
ついには素になってしまうクロノ、しかし石化は止まらない。
「か・・・・かあさ・・・・・」
口まで石化し、こぼれた涙を残し瞳も石化して虚ろとなる。
頭まで灰色に染まりつくしたころには意識は消え失せていた。
「クロノ・・・こんな母さんを許して・・・・」
石化した自分の子を再度抱きつき、人の体温ではなく石像の冷たさを感じていた。



「あれ?クロノ君は?」
食堂にてなのはとフェイト、そしてリンディが食事を取っている。
そしてリンディは意味深な事を言う
「えっとね、ちょっと個室で・・・・ね?」
「えっ・・・・?」
きょとんとするなのはとフェイト
彼女達はまだ気づいていない。
彼が上官でもあり、親であるリンディに石化された事を・・・・

おわり


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