スライム少女

作:デュール


ある日少女はスライムに襲われた。
そして彼女自身がスライムになってしまった。



「ふぅ・・・全く、襲ったら襲ったで何で放置なのよ!」
ととろけながら一人で愚痴を言うスライム少女
彼女の名は『ラピス』これでも可愛い女の子である。
だが、ある日スライムに襲われてどういう原理かわからないが彼女自身スライムとなってしまった。
名前に反してトパーズのような透明な水色のスライムである。
「服着ようにもスライムだから着れないし・・・魔物ってホント不便ねぇ」
そういいながら森の中をさまようラピスにリュックを背負った男の子が歩いていた。
「あっ、あの子かわいいなぁ〜」
物陰に隠れながら男の子を見ていた。
一瞬ラピスに一つの悪い事を思いついた。
「ふふっ・・・これが魔物の本能ってことかな?」
そう言いながら彼より先回りをする。


「ふぅ・・・・」
森の中を歩くリュックを背負った男の子は一息する。
彼はどうやらピクニックに来ているようだ。
「魔物がいるって言われてたけど、全然出てこないや」
辺りを見回す男の子。
「ま、いないほうが安心だけどね」
ニコニコと微笑みながら歩く。
数分経ったのか、どこからか物音がした。
「えっ・・・もしかして魔物?」
音がするほうに向く、しかしそれっきり音はしなかった。
「・・・・まさかね?出てこないよ・・・ね?」
誰も反応するはずない質問、しかしそれが帰ってきた。
「本当はいたりして?」
「えっ?」
再度森の中の道を振り向いたとたん、足が冷たい感じがした。
「冷たっ・・・」
男の子は足元を向く、そして彼は急にパニックに陥る。
それもそうだ、彼の足がスライムに包まれているからなのだ。
「わっ・・・わっ・・・身体がっ・・・・」
「ふふっ、スライムに包まれていく感じはどう?」
スライムから声がする、それはラピスの声でだった。
水色の軟体生物が幼い男の子の体を包んでいく。
「身体がっ・・・食べられちゃうよぉ〜・・・・」
「大丈夫骨まで溶かして食べはしないわよ・・・・」
ラピスは男の子の身体を包むと腕や手を包み込み後は顔を残すのみだった。
「いや・・・・気持ち悪いぃ・・・」
そして最後に男の子の顔を包み始める。
「いやっ・・・・いやぁ・・・・むぐぅ!!!」
口もスライムに包まれ、男の子はラピスに取り込まれてしまった。
全て塞がれているので苦しそうにもがく
「むぐっ・・・・むぐぐぐぐ・・・・」
「ふふっ・・・今度は快楽を与えてあげる・・・」
ラピスは手始めに彼の背負っていたリュックを強制的に外に出し、彼の身につけているものを溶かす。
(あぁ・・・服が溶けちゃった・・・僕消化されちゃうの?)
彼の嫌な予感は別の意味で的中した。
取り込んだ男の子の体をスライム特有の軟体で弄び始めた。
(あぁ・・・何これ?何かが込みあがってきて・・・・)
「ふふっ・・・もっと気持ちよくしてあげる、それはもう最高にね♪」
そう言うとラピスの動きは激しくしたりゆっくりとしたりする。
(あぅぅ・・・何でこんなに気持ちいの?僕・・・僕おかしくなっちゃったのかな?)
虚ろな瞳のまま朦朧とした意識の中限界ぎりぎりの思考を巡らせる。
「さぁ、これで最後・・・私を満足させて・・・ね?」
絶頂寸前の二人、その直前に男の子に異変が起きた。
彼の存在が消えるようになくなっていく、それは消化とは違う「何か」だった。
(あぁぁぁぁぁぁ・・・・あっ・・・・)
先に絶頂に達したのは男の子の方だった、そしてそのまま意識は消え失せた。
「あぁ・・・・気持ち良かったぁ・・・・」
続いて絶頂に達したラピス、しかし一つ問題が起きた。
「・・・・ってあの子どうしちゃったんだろ?もしかして消化しちゃったとか・・・?」
しかし彼女の体にはまだ何かが残っているようだった。
「まだ残ってる・・・一応出してみようかな?」
水色のスライムからその残ったものを取り出す。
それは男の子だった、ラピスと同じ水色に透き通っていた。
ラピスがその男の子を触ってみると人の温かさは全く感じられなかった。
「もしかして・・・・トパーズ?」
と言いながら彼の体を叩いてみると、コンコンと軽やかな音が返ってきた。
「あらら・・・この子宝石になっちゃったわ」
彼はラピスに取り込まれ、その特殊な能力によってトパーズの像へと変えられた。
やってしまった・・・と思うラピス、しかしそんな考えも空のかなたに飛ばしてしまい。
「名前に反するけど・・・結構面白い能力ねぇ〜」
単純な思考で微笑むラピス、残ったリュックも持ち去り固まった男の子を放置し森の中を後にした。


この日からラピスの第二の人生が始まったのだった。
森で待ち伏せし、気に入った男の子や少年をスライムである自分で取り込み、弄びながらトパーズ像にかえて荷物だけ持って帰り被害者は放置する毎日となった。
たまに討伐隊や冒険者などが来るが、その人たちもまた美少年と言う好都合な運命であった。
数ヶ月経ったその森はトパーズとなった被害者が置かれている事から「トパーズの森」と呼ばれていたそうだったらしい・・・
そのトパーズとなった被害者を盗み出す人もいたらしいが、何故か何らかの作用でその被害者に触れると自分自身もトパーズとなってしまう仕様となっている。

そして今日もまた単純な思考を持つ「元少女」であり魔物でもあるラピスは獲物を狙う。
それは魔物である本能であるのか、それとも彼女自身の趣味なのか、それは彼女しか知らない・・・
「さて、今日はどんな子を襲っちゃおうかしら?」

おわり


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