とある国のお姫様・後篇〜保存してるけど永遠に保存はしませんよ〜

作:デュール


99人目、10歳の癖に不良っぽい少女だった。
「こんにちは、お名前は?」
「ん〜?ボクは穂積 衛だけど?」
「そう・・・・ですか・・・」
(何か、このタイプって嫌だなぁ・・・・)
どうやらティレスはこのタイプは苦手なようです。
というより誰でも苦手ですね・・・
(ちょっとちょっとティファニー)
小声で言うティレス
(はい、何でしょうか?)
(固めちゃっていいですよ・・・)
(おぉ・・・・初めて許可が下りた〜)
「覚悟してくださいねぇ〜」
にやにやとするティファニー、びくりとする衛
「な・・・・なんだよ・・・・」
「さて・・・・何になりたいんですかぁ〜?」
「う・・・・うるさい!誰がお前なんかに・・・・・」
一瞬の出来事、衛はピタリと止まった。
(今までは無許可だったんだ・・・・)
ティレスがそんな事を思っている間に体全体が真珠に包まれていく
「ふふっ・・・・真珠化のお味はいかがですかぁ?」
「ふぅ・・・・こうゆうタイプは苦手なのよ・・・・」



そして最後の100人目、ぷにぷにな男の子だった・・・
「はい?・・・・いや私は男の子は好みじゃないから・・・・」
「あ、いやこの子女の子ですよ、男の子っぽい少女です」
「あっ・・・・ボーイッシュといいますね・・・・」
と納得している間に、ボーイッシュ風の少女は
「え〜と私はどうすればいいのですか?」
「固まっちゃってください!」
「いやいやいやいや・・・・・」
ティファニーの即答にティレスが突っ込みを入れる。
「固まっちゃえばいいんですね?」
「「え?」」
ボーイッシュな少女の反応に驚く二人
「ポーズはこれでいいですか?」
と祈りをささげるようなポーズをとる少女
「え〜と・・・・」
「あれ?固めないの?これってお姫様ごっこじゃないの?」
「ごっこって・・・・・」
「いつも私こういう風にして石にされているんだよ?」
どういう遊びなんだと思いながらもティファニーは魔法をかけようとする。
「あ、そうそうゆっくりゆっくりと・・・・・ね?」
何か誘っているような言い方だった。
そこにぷにぷにと来たからティファニーの欲望が爆発した。
「ふふふふふふ・・・・・・お望みどおりにしてあげるわぁ〜」
「あ、ちょっとティファニー・・・・って暴走してるぅ?!」
だが時既に遅く、少女の体はゆっくりと石化し始めた。
「あ〜あ〜・・・・・ちょっとちょっと、緊急事態緊急事態!」
「はい、お呼びでしょう・・・・・」
少年メイドが部屋に入ったとたん、ごとりと倒れた。
「はいはい邪魔者は大理石にもなっちゃってねぇ〜」
無残にも転がる少年メイドの大理石像×4、後々に来た少年メイド達は4人の末路に怖がり逃げ出した。
「あ、ちょ・・・・どうしよ・・・・・」
ボーイッシュな少女が劇をしているかのようなセリフで
「あ〜助けてくださいませ〜」
「だめですよぉ〜あなたは私のものになるのですからぁ〜」
ティファニーはティファニーでやる気満々だった。

もう二人の世界だった・・・・

「あ〜れ〜・・・た・・・す・・・・け・・・・・」
石化はゆっくりと少女を飲み込むと、少女の姿は無く祈りをささげるポーズの少女の石像が立ち尽くしていた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」
それとは反対にティファニーは絶頂を迎えてしまったようです。
「なんだかなぁ・・・・」
ハーピーの特徴である羽根でパタパタと仰ぎながらため息をついた。



そんなわけでティファニーの活躍でティレスは友達の本当の意味は分からかった。
数年後、100人の固められて10歳の少女達は元の場所に返されたらしいが・・・
・・・100人目の少女がいる国と今度ティファニーが会いに行くそうだ。
その間は少年メイド達も天国だとか言いながら満喫しきっていたとか・・・・
「まぁ・・・・ティファニーがいない日もいいでしょうね・・・・」
はぁ、とため息をつくティレスは少年メイドの大理石像を見ながら
(今度は少年少女の小学生達にしようかしら・・・・今回は10歳の少女というのが原因だったし・・・・)
とか思いながら大理石像に囲まれた部屋でジュースを飲むのだった。

おわり


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