作:デュール
「え?ここに座るだけだって?」
椅子に座っている「早川 ミユキ」、その前に3人の姉妹が立っていた。
「そうよ、ちゃ〜んとここに座っていてよ!でなきゃダメダメだからね!」
「ダメダメ」が口癖の「阿川 沙耶香」
「ちょっとの間、我慢してねぇ〜」
ゆっくりな言葉で喋る巨乳担当の「阿川 要」
「それでこんなところに以外にも魔法の書が・・・」
ぬいぐるみを抱いている小さい少女「阿川 江衣巳」
「魔法の書って・・・・非現実な・・・・」
ミユキが突っ込むが沙耶香がツッコミらしきチョップをした。
「はぎゅ!痛いよぉ〜沙耶香さん〜」
「そんな事気にしたらこの作品自体が矛盾してんじゃないの?」
「そんな話している事態矛盾してるんじゃ・・・・?」
と、江衣巳の痛い所を突く
「え?い・・・・いやそれは・・・・」
「・・・・・にへ」
「・・・・・え〜い、もうさっさと始めるわよ!」
と魔法書らしき本を江衣巳から奪い取る。
「あっ・・・・だめ・・・・」
「あ〜ちょっと・・・・順序って言うものがあるでしょぉ〜」
沙耶香の行動を止めようとする要と江衣巳
だが、沙耶香の暴走は二人が止めれるわけでもなく
「だぁ〜もう!うっさい!・・・・・え〜と、アホ毛が似合う美少年よ!石像と化せ!」
「えぇ〜っっ!!・・・・石像って・・・・ボク石化しちゃうのっっ?」
ついにやってしまった沙耶香、いきなりの事で驚くミユキ、だが、何も起こらなかった
「・・・・あれ?石にならない?」
「えぇ?どういうことなのよ!江衣巳?」
「えーと・・・・その・・・・」
また騒がしくなる時間、それとは別に要は何か恐ろしいものを見たように怖がる。
「要!ぼ〜っとしてないで江衣巳に何か言ってやって!」
「・・・・あのぉ、足・・・・」
「え?・・・・足?」
イライラしながらも沙耶香は自分の足を見た。
どういうことかは知らないが、石化はミユキではなく沙耶香がそうなっていた。
「えぇ!!ちょっとなんで私が石化しなくちゃいけないのよぉ!」
「だから言ったのに・・・・・私が元ある主人だからなの・・・」
「もぉ〜!!!なんで江衣巳は重要な事を言わないのよぉ!」
石化の範囲はどんどんと広がる
江衣巳はにやりとし
「これも想定の範囲内・・・・にへ」
「だぁ〜〜〜それが狙いねぇ〜〜〜!!!」
腰まで支配している石化だが、それでも沙耶香は勢いだけが健全だった。
「じゃあ、要もグルなのかなぁ〜〜?」
「え〜と、私はそれは知らなかったからぁ・・・・」
「うそつけぇぇ〜〜〜」
力の限りの大声で叫ぶ沙耶香
「いつも怒鳴ってるからだよ・・・・・にへ」
「くぅ〜〜・・・・もとの戻ったら覚悟しなさいよぉ・・・・」
「・・・・・」
何かを言いたげな江衣巳はもじもじしながら恥ずかしげに
「実は元に戻し方・・・・・知らないの」
「え?・・・・・今なんて?」
「元に戻る所のページ・・・・無いの・・・・」
さぁ・・・と血の気が引く沙耶香
「え・・・・嘘でしょ?ちょっと、私にこのままずっと石像でいるって言うの?」
「え〜と、そうかもねぇ・・・・・」
苦笑いの要、沙耶香の石化は胸にまでに及んでいた。
もちろんそんな事を知った沙耶香は怒る怒らないの問題ではなくなりました。
「い・・・いやぁぁぁ止めて止めてぇぇ・・・・石になりたくないわよぉぉ・・・・」
「・・・・にへ、じゃあ何処に置こうかな?」
またもや、怪しい事をつぶやく江衣巳
「ちょっと飾るんじゃないわよぉ!!」
次の言葉が沙耶香の最期だった。
「お願いだから・・・・や・・・め・・・てぇ・・・・」
ついには涙を流しながら完全に石像と化した。
「・・・・・にへ、うっそぴょ〜ん」
「ふぅ・・・・沙耶香にはこれぐらいにしないとね」
「ほっ・・・よかった・・・・でもボクは嘘だと思ってたけどね・・・・」
予想通りの展開に胸をなでおろすミユキ
だが、ミユキにはもう一つの事を忘れていた。
「ではでは〜、お次はミユキちゃんを石化しますよぉ〜」
「え?」
あっけに取られるミユキ、そういえばそうだったと今更思っている。
「にへ・・・・今から行くよ・・・・」
「はわぁ・・・・止めて止めて止めてぇ〜」
「や・め・な・い・よ♪それに沙耶香は既に石像となっているからやりほーだい!」
迫る2人、後ずさりするミユキ、彼にはもう一つの道しかないようだ・・・
「い・・・いや・・・だ・・・・よ・・・・」
音を立てながら灰色に染まりつくしたミユキ
彼の一つも道といえばこのまま2人に石像にされるという道であった。
「・・・・にへ、完成・・・」
「ひゃぁ〜〜ん、ミユキちゃんかわいい〜〜〜」
助けを今にでも呼んでいる表情を焼き付けたまま、灰色の石像となっている。
ぴこっと飛び出たアホ毛もカチカチの石へと変換している
もちろんご丁寧に椅子に姿勢よく座ったまま・・・
「・・・・じゃあこれからだね江衣巳」
「・・・・そうだね」
とそそくさと2人は石化したミユキに飾り付けをする。
その飾りつけとは・・・・五月人形の鎧だった。
「うんうん・・・・いいねぇ〜」
「・・・・にへ・・・今日は一日中そうしてね」
普通の人から見ればただの石像に鎧を着けただけだが・・・
真実、ニーソックス&キュロットそれにアホ毛が似合う美少年が石像になってしまった事などは誰も知らない
知っているのは、要と江衣巳・・・・そして・・・・
「皆、いるぅ〜?」
婦警の格好をしたロングの黒髪少女「沢 姫子」が阿川家の玄関から現れた。
余談だが姫子もこの事を知っている
「あれぇ〜?いないのぉ〜?」
とリビングに行く姫子、不法侵入だぞという突っ込みは一切無しの方向で・・・
「江衣巳ちゃ〜ん・・・・っておぉ〜可愛いじゃない」
「あ?むーちゃん来てたんだぁ〜」
と手を振る要
姫子は江衣巳の頭をなでながら
「こんにちは、江衣巳ちゃん」
「・・・・にへ、こんにちは」
「・・・にしても、何で沙耶香まで石化してるの?雛祭りだったらとっくに終わってるけど・・・」
「え〜と、色々あってこうなったの・・・・ただの観賞用として見てね」
姫子は要の説明を納得し
「そう・・・・にしても懐かしいなぁ・・・」
「え?何があったの?」
しみじみするように姫子は語りだす。
「うん、死んだ兄さんをいつもこの日で石化銃の弾で石化させて飾ってたなぁ・・・」
と頬を赤らめて言う
「へぇ・・・・そうなの・・・・で元に戻す時どうするの?」
「え?そりゃあ、解石化銃の弾で戻してたけど?」
「そう・・・なの・・・・」
こくりとうなずく江衣巳
「今度その銃で・・・・・石化させてみようかな・・・・」
そしてにやりとし
「それで、雛祭りのとき皆石にさせて・・・・・にへ」
「「えっ!?」」
一瞬の出来事にはもる2人
「・・・・・にへ、冗談」
(ねぇ、むーちゃん冗談に聞こえた?)
(私に聞かないでよ、アンタの妹でしょ?)
(で・・・・でも・・・・)
「?・・・どうしたの?」
2人の内緒話に首を突っ込む江衣巳
「え?なんでもないわよ・・・・」
「ただ、石化銃の弾何処にあるのかなぁ〜〜ってちょっと思い出してたの」
江衣巳は姫子の言葉ににやりとし
「・・・・・やるんだ、全員石化雛祭り・・・・・」
「「あ・・・・」」
呆然な2人だった。
来年の雛祭りは大惨事となるだろうと要と姫子は覚悟をしていた。
おわり