兎と猫と犬の物語〜森の中は氷像でいっぱい?〜

作:デュール


ある現実と非現実が合わさった国がありました。
その国の中に三人の少年少女がいました。
兎耳の少女の名前は冬18歳でほんわかで礼儀がいいです。
猫耳の幼女の名前は姫8歳でいつも元気です。
犬耳の少年の名前は雷15歳でマイペースです。
三人はとても仲がいいです。

ある日

「今日は冬の森へ行きましょうか」
冬の一言から始まった。
「え・・・・でも寒いよ・・・・」
雷は寒そうにコタツの中に入っています。
「わ〜い行こうよお兄ちゃん」
姫はとてもうれしそうです。
雷はしぶしぶと
「しかたないなぁ・・・・」
「わ〜い、お兄ちゃん行こうよ行こうよ」
「まず準備しなくちゃいけないだろ」
「うん準備してくるよ〜」
と姫は元気良く自分の部屋へと行きました。
「さて・・・・私も準備しなくちゃね、雷も用意するのよ」
「・・・・んあ?もう準備してるけど姉さん」
とコタツの中から荷物が現れました。
「コタツの中でしてたのね・・・・」
とツッコミを入れながら自分の部屋へと入って行きました。
「・・・・・さてもう一眠りするかな」
雷はコタツに入ったまま眠りました。



「おっ兄ちゃ〜ん」
「のわ!!!」
いきなり姫は雷の体の上に乗りました。
「ちょ・・・・・降りてくれ・・・・」
「起きないと降りないよ〜」
「わ・・・・分かったから・・・・降りてくれ」
「は〜い」
姫は降りました。
降りた後に雷はコタツから荷物を引っ張りながら起きました。
「姉さん、もう終わった?」
「終わりましたよ」
と部屋から出て来ました。
「さて・・・・行きますか」
雷の一言で三人は家から出ました。



何だかんだで森へ着きました。
「姫、あまり遠くへ行くなよ」
「はぁ〜い」
姫は元気良く走り回っていきました。
その間に冬が
「雷、私もちょっと行っていいかな?」
「あぁ、いいけど」
「よかった、雷、寝ないでね!」
「あぁわかってるって」
「それじゃっ」
「あぁ姉さんも遠くに行かないように・・・」
「えぇ」
姫に続き冬も行きました。


そのころ姫は・・・


「・・・・・あれ?ここどこ?」
どうやら迷ってしまったみたいです。
「・・・・・寒いよ」
姫は震えています。
そのとき猛吹雪が姫を襲いました。
「あ・・・・・」
吹雪が収まったときには姫はいません。
代わりに何が起こったのか分からない表情の姫の氷像がちょこんと残っていました。


そして冬は・・・


「・・・・・あら?」
冬も迷ってしまったみたいです。
と突然冬の後ろから吹雪が襲いました。
「はぅ・・・・・」
冬は寒さには慣れていますが、この猛吹雪の寒さには耐えられません。
「あ・・・・・ぁ・・・・・・ぁ・・・・・」
冬の体は凍り付いていきます。
背中が凍り、腕が凍り、足が凍り、とにかく冬のあらゆる部分が凍り付いていきました。
吹雪が収まるころには冬の氷像が出来上がっていました。
いたるところが水色に染まっています。
自慢の兎耳も凍りついていて、つららが生えています。
深い森の中で冬は凍りつきました。
驚いた表情のまま・・・・・


「ふぁ〜〜〜・・・・遅いな・・・・」
あくびをしながら雷は待ちくたびれていました。
「・・・・まさか迷ったんじゃ・・・・・・」
少し心配になりました。
「心配だ・・・・・行こう!」
と以降としたとたん雷に吹雪が襲いました。
雷の体は凍ります、と言うより雷の全てが凍り付いていきます。
「あ・・・・・からだが・・・凍って・・・・・」
喋る間もなく雷の足、体、腕、首が凍りました。
「冷たい・・・・・・ぼ・・・・・僕冷たくなっていく・・・・」
雷は怖がりますですが猛吹雪は雷を容赦なく襲います。
「あ・・・・・姉さ・・・・ん・・・・ひ・・・・・め・・・・た・・・・・」
雷は二人の助けを求める前に全てが凍りました。
雷の氷像が出来上がりました。
周りは人気はいません。
ただ雷の氷像がぽつんとあるだけです。




その後雷の友達(犬耳少女の)響達に助けられました。
響の話によるとこの寒い日はすごい吹雪が吹き荒れるらしいです。
その話も知らず入っていった人はたちまち凍り付き永遠に氷像のままらしいと3人は聞きました。
ちなみに響達はたまたまこの森に入った人たちの救出ボランティアに参加したいたらしいです。


夜の帰り道、3人は荷物を抱えながら歩いていました。
「・・・・・だから寒い日は行かないって言っただろ?」
「あはは・・・・・でも雷だって行くって言ってたじゃないの?」
「う!・・・・・・それは・・・・・」
一瞬雷はどきりとしました。
「・・・・でも正直凍っちゃったときは・・・・・何か・・・・・・こう・・・・・・気持ちいい・・・・というか・・・・・」
とそのとき姫は大きな声で
「お姉ちゃん変だよ〜」
「・・・・・いやただそう思っただけです!!」
「ふ〜ん・・・・」
恥ずかしいと思い、少し楽しかったと思った冬・・・だが雷は
(・・・・僕も正直凍りついたときは気持ちよかったかな・・・・・)
と恥ずかしながら思っていました。
その恥ずかしさを消すように
「姫、冬、風呂・・・・入るか?」
「え・・・・はい、いいですよ雷」
「わ〜いお兄ちゃんとお風呂だ〜」
「よし、入るぞ〜!」
雷が走って行きました。
「待ってよ〜お兄ちゃん〜」
ぱたぱたと姫が走って行きました。
「こらこら、危ないから走っちゃいけないでしょ」
といわんばかりに冬も走っていきました。


これで三人の一日は終わります。
明日はどんなことが起こるのでしょうか・・・・


おわり


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