絶望はにはに その4〜希望の終わりと絶望の始まり〜

作:デュール


廊下・・・弘司を見失った直樹・美琴・茉理はついに迷ってしまった。
「あれ?どこだここ?」
「直君・・・・もしかして迷ったとか?」
美琴の言葉に直樹は
「む・・・・・し・・・・仕方ないだろ!このペンション広すぎるんだから!!!」
その時茉理は何かを見つける
「・・・・・・ちひろ?」
そう、3人が来たのは文緒やちひろが来たところだ。
氷像になった二人を茉理が見つけてしまったのだ。
「・・・・・そんな・・・・・なんでよ!!!」
黙る2人、だがその沈黙を破るかのように声がした。
「こういうことだよ・・・・・」
ぱきんと音がしたよく見たら茉理の足は凍り付いていた。
「嫌ぁぁぁぁぁ・・・・・・足が・・・・・あしがぁ」
「茉理!!」
「茉理ちゃん!!」
茉理に近づく2人、茉理は2人の無事を確認した後
「来ないで!・・・・・あんた達だけでも逃げて!!」
「でも・・・・・茉理ちゃんが・・・・・」
美琴は心配そうにするが
「私が今まで死にかけた事ある?」
すでに下半身が凍り付いているのに茉理は余裕の表情
そして直樹は
「・・・・・すまん・・・・茉理・・・・・」
と美琴の手をつなぎ廊下を駆け抜けた。


「逃がさないよ・・・・・」
少女が歩こうとしたとき何かにつかまれた。
茉理だった・・・・
「私はまだくたばっていないわよ・・・・・」
茉理の特徴的な強気、だがそれもここまでだった。
茉理の腕が急に凍り付いていく。
「言い忘れてたけど・・・・私、部分的凍結もできるのよ」
「そ・・・・そんな・・・・・」
絶望的な茉理、その絶望もさらに増幅させるかのように体が凍っていく
「ここでゆっくり眠りなさい・・・・・ずっとね」
つかんだまま凍りついた腕から離すとそのまま闇に消えた。
(生きて・・・・・直樹・・・・・美琴・・・・・おねが・・・・・)
意識も途切れ、茉理という少女は存在せずただの氷像が残っていた。



走る2人・・・・・
廊下を走る二人・・・・・

外に出た二人・・・・・
外は曇っていた・・・・・

雪の上は走っていた・・・・・
凍りついた友達を残し・・・・・

車があった・・・・・
結の車・・・・・

ドアを開けた・・・・・
でもそれは・・・・・



希望の終わりと絶望の始まりだった・・・・・・



少女は2人を凍らせる。

足が、体が、腕が凍っていく

2人は抱きあったまま凍り付いていった。

何も言わず、動かず、瞳も輝かず・・・・・

何もかもが凍り付いていった2人




そうこれは、絶望の始まり・・・・・




おわり


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