作:灰音穂香
コスパ…それはコスプレをしてパーティを行うことである。
今宵…このイベント会場にて12歳以下の男性コスプレイヤーのみで行われるコスパが開催された。
…でもって招かれざる客×三名…即ちおんにゃの子である。
「うわー!男!男!男です〜」
白い着物姿の巻き毛の少女がおっとりと
「おいしそう…」
無表情なゴスロリ少女がヨダレを垂らしながら
「あのさー、一応、私達は男の子ってことなんだから…そこの所大丈夫…よね?」
学校の制服の上に黒マントっと明らかに履歴書の特技の欄に黒魔術っと書きそうな少女がコスプレをした男の子を見て呟く。
実を言うと少女達は普通の人間とは少し違う。
着物の少女が雪女のコユキ、ゴスロリ少女がコカトリスのハネハ、マントの少女が魔法少女のリナである。
でもって彼女達は性別を偽ってまで何をしようとしているかと問われれば…この会場の男の子を全員固める訳である。
「ではでは」
リナが何処からかボタンを取りだし“ポチッ”っと押す。
それと同時に会場が不可視の壁が会場を三つに分ける…。
魔法による力場であった…。
「じゃあ又、あとでー」
「いってきま〜す」
「…」
三者三様に壁の中へと入って行った。
1
「さて〜楽しみです〜」
コユキは手をわきわきさせると壁で区切られたエリアの温度を急激に下げていきます。
「ねぇ…寒く…」
「寒い…」
ネコミミ+ミニスカを穿いた男の子とスクール水着の男の子が自分の体が凍っているなんて気付かずに凍りつきます。
「さむい…だれか」
「こおっちゃ…」
悲鳴が一杯聞こえます…この悲鳴が途絶えた時この壁で区切られたエリアはカチンコチンに凍った男の子達で一杯になっているでしょう…。
2
「さて…」
ハネハは無表情な顔に小さな笑みを浮かべると息を吸い込み吐き出します。
ご存知の通りコカトリスのブレスには石化の成分が含まれています。
男の子達は何が起っているか事態を把握するまでに物言わぬ石像になるのです。
ブレスが晴れました。
石像が一杯です。
楽しそうに談笑するレオタード姿の男の子と魔法少女のコスプレをした男の子、イヌミミにブルマ姿の男の子…みんな一瞬で石になりました。
3
魔法少女のリナちゃんは会場に触手を産み出します。
この触手、蝋で出来ていて対照の体に触れると同化して蝋に変えるのです。
「さあ、触手達よ!男の子達を蝋人形にしちゃいなさーい!」
リナの命令と共に触手が男の子達の体に絡み付きます。
「何…これ…」
「気持ちわる…」
絡み付いた触手が男の子達を蝋人形に変えていきます。
「来ないでー」
壁際で泣き叫ぶチャイナ服の男の子もチャイナ服の男の子に抱きつくチアガール服の男の子もみーんな蝋人形に変えちゃいました。
4
男の子達を固めたリナ達はしばらく自らの作品を鑑賞し、デジカメに記録した後男の子達を元に戻してその場を去りました。
…もちろん証拠は全て消して…
その後、彼女達がどうなったかは誰も知りません。