作:灰音穂香
「のあっ!」
シーフ‐こなたが敵の攻撃を避ける。
「行け!」
「破魔矢!」
巫女‐つかさとかがみが弓を射る。
「お嬢様、愛と正義のお時間です」
魔女っ子メイド‐みゆきさんが魔法が炸裂する。
ここはネットゲーム『ASFRクロニクルオンライン』の中…。
物語は今から一時間ほど遡った現実(リアル)。
「ねぇ〜かがみん〜」
「断る!」
こなたが言おうとしていた事を先読みしてかがみは言った。
「未だ何も言ってないよ〜」
「またネトゲでパーティを組めと…」
不満そうな表情で宣うこなたにうんざりした表情でかがみは答える。
「ピンポーン」
でもって人差し指を一本立ててそう答えるこなた。
「あっ、オンラインゲーム?私もやる〜」
「何だか楽しそうなお話をしていますねぇ…」
みゆきさんとつかさが楽しそうに会話に参加してくる。
つかさとみゆきさんは参加しそうな雰囲気である。
でもってかがみは…
「しっ…仕方ないわね…やるわよ」
一人参加しないなはどうしょうも無く寂しく思えちゃったかがみであった…。
でもって話はゲームの中に戻る。
「さて…雑魚敵をあらかた片付けたしボス戦にでも行きますか…」
「待てまてまて!あらかたって未だそう言うほど敵を倒して無いぞ!」
戦闘終了後、ノホホン口調で切り出すこなたとそれを止めるかがみ。
ゲーム開始から数分…それだけでボス戦に臨むには三人のレベルはまだまだ足りない…筈である。
「ああ…大丈夫だよかがみん、このゲーム他のオンラインとデータ共有が出来るらしいからね…」
開始する際にデータ共有の手続きをしていれば他のオンラインゲームの使用キャラをそのまま使用出来る…それがこの『ASFRクロニクルオンライン』の魅力であった。
「ああ…成程…どうりで」
自分の巫女服やこなたのシーフ衣装、みゆきさんの魔法少女衣装に見覚えがあったがどうやら以前にプレイしたネトゲから引き継いできたらしい…。
「いざ!コカトリスをぶったおそう!!」
「「「おー!」」」
でもって、三人はボスキャラがいると言う『コカトリスの洞窟』の前にいた…。
だが…四人は『ASFR』オンラインを甘く見ていた。
「こなた!」
「ぬぉっ!」
こなたの横をブレスが通り抜ける。
戦闘開始から1分…こなた達はピンチに陥っていた。
コカトリスは強かった…もの凄く強かった…。
つかさとみゆきさんは戦闘開始と同時にブレスを喰らって物言わぬ石像と化していた。
しかも…コカトリスの石化魔法でジワリジワリとこなたとかがみも石像となろうとしていた訳で…。
「むー、まさかこんなに強いとは思わなかったな…コカトリス…」
ムムムと眉をしかめてこなたは呟く。
「これは…ぜんめ…」
「こなた?」
こなたの声が途切れた事を疑問におもいながら後方を振り向くかがみ…。
だが、そこにこなたの姿は無くこなたそっくりな石像があっただけであった。
「こなた…」
呟くかがみ…既に両腕は石に変わり、動かす事が出来ない…。
コカトリスがブレスを吐く。
“ピキパキ”と音を立てながらかがみは物言わぬ石像となっていった。
でもって再び現実(リアル)…
「あのコカトリス!マジでムカつく!こなた!今度こそアイツをぶっ倒すわよ!」
かがみはこの『ASFRクロニクルオンライン』が気に入ったようである。
(かがみんはやっぱり可愛いなぁ)
等と一人意気込むかがみを見てそう思うこなたであった。