魔法少女まじかる☆ふらりん〜漆黒の十字架〜 ACT5「決意のルイ〜雷帝と氷姫の乙女〜」

作:Rui


氷漬けとなった羽咲海浜公園

そこに一人の女性が立っていた
ふとその女性が口を開く
「どなたかしら?」
「夢野瑠衣。いえ、フィリア=イシュヴァールと言った方が解るかしら?」
「・・・アリスを信仰してた者が私に何の用かしら?」
そう言うとルイの方を振り向くと驚く女性
「・・・私と、貴女は光と闇。表と裏。私の、消したい過去。それが貴女なのよ。
アークレイヴ!」
「・・・フフッ、面白い!ならば勝敗をつけましょう、フィリア!」
そう言うと同時に海の方へ飛び立つ二人
「(・・・絶対的な魔力量は向こうが上。そして障害物が無いフィールド。
序盤で一気に決めなければ、私に勝機は、無い!!!)」
そう決心すると魔力を解放するルイ
「(・・・序盤から全力。面白い。)」
ルイに触発されアークレイヴも魔力を解放する
その直後アークレイヴの顔を掴むルイ
「なっ!」
「アークドライヴ!!!」
間髪置かずに魔法を打ち込むルイ
「ぐっ!」
「まだまだぁ!!!双竜掌!!!」
ルイの攻撃に吹き飛ばされるアークレイヴ
「とどめ!」
そう言うとルイの前に巨大な五芒星が現れる
「終わりよ。エターナルバスター!!!」
そう言うと五芒星から巨大な竜が飛び出しアークレイヴを飲み込み爆発する
「・・・これだけ連続で打ち込めば。」

ルイとアークレイヴが顔を会わせたのと同時刻

夜道を一人歩くフィーナ
「・・・さて、誰かしら?さっきから私を付けて来ているのは?」
フィーナがそう言うと姿を現す人影
「付いてきたんだから、名前ぐらいは名乗ってくれるわよね?」
「・・・フリージングメイデン。マスターの命で貴女を捕獲します。」
「・・・拒否すれば?」
「実力行使。」
「(・・・操られているとは言え相手は雪。戦い難いな〜。)・・・拒否する。」
「そう。まぁそう言うとは思っていたけどね。デュール=アキスト!」
フリージングメイデンが呼ぶと返事が聞こえてくる
「仕事かい?」
「えぇ。彼女を懲らしめて。私も協力するから。」
「・・・了解。」
デュールがそう言うとその周囲にはメイド服に身を包んだ女性が大量に居た
「バトルメイド。手強いぜ〜、こいつらは。行け!」
デュールがそう言うと一斉にフィーナに襲い掛かるバトルメイド
フィーナが構えたその瞬間
何処からともなく煙が立ち上がる
「なっ!」
それに驚くフリージングメイデン
「何?これは一体。」
同様に驚くフィーナ
「一旦退くぞ。」
ふと聞こえた男の声に驚くフィーナ
「えっ?」
そのまま担がれその場から消え去るフィーナ
「・・・逃げられましたね。」
「・・・私達も引くわよ。」
「へいへい。」
そう言うとそこから消えるフリージングメイデン・デュール。それとバトルメイド達

羽咲中央公園

「・・・無事だったか?」
「・・・とりあえず、ありがとう。・・・けど、貴方は一体誰?敵なの?味方なの?」
フィーナに言葉にきょとんとする男性
「・・・俺の名前は鳳幻。白獣の幻。唯から聞いてないのか?俺の事。」
「・・・そう言えば聞いた覚えが。」
「とりあえず、唯に会わせてくれないか?今起きてる事を知りたい。」
「・・・えぇ。解ったわ。」
フィーナがそう言った直後膨大な魔力を感じる二人
「なっ!なんだこの魔力は?」
「・・・この感じ。まさか!」
そう言うと走り出すフィーナ
「おい!何処へ行くんだ?」
「海浜公園!ルイが、ルイが危ない!」
「・・・ちっくしょう!」
そう言うと走り出す幻

海浜公園沖

爆発で発生した煙を見つめるルイ
ふと声が聞こえる
「この程度なのかしら?貴女の力は?」
「・・・嘘、でしょう?」
「いいえ、真実よ。残念ね。もう少し楽しめると思ったのに。
眠りなさい。永久なる氷の棺で。」
そう言うと氷の棺に閉ざされるルイ
そのまま海中へと落下する
「他愛も無い物ね。」
「アークレイヴ様。」
「フリージングメイデン。どう?彼女は捕獲出来た?」
姿を現し口を開く
「申し訳御座いません。何者かの乱入によって失敗致しました。」
「・・・そぅ。でも良いわ。チャンスならまだあるから。戻るわよ。フリージングメイデン。」
「はい。マスター。」
そう言うとそこから消える二人

海浜公園入り口

入り口迄来て足を止めるフィーナ
「・・・ルイの魔力が、消えた。」
「おい、止まれって言ってるだろう?」
立ち尽くすフィーナを見て近寄る幻
「・・・泣いてる、のか?」
「・・・鳳幻って、言ったよね?」
「ん?あぁ、そうだが。」
「・・・私はフィーナ。フィーナ=ラス=レイピアよ。行こう、唯姉の所へ。」
「・・・あぁ。」
そう言うと移動を開始する二人

羽咲女子学生寮ロビー

一人ロビーで溜息を付く風濫
「どうしたの?元気無いじゃん。」
「・・・フィーリアさん。」
「もしかして、今回の事件の事で悩んでるの?」
「・・・はい。もしかして、私と青葉は、戦力にならないんじゃないかって思いまして。」
「・・・ねぇ風濫。唯はなんであんなに強いと思う?」
「えっ?え〜とそれは・・・、やっぱり実戦をくぐりぬけてきたからでしょうか?」
「それも有るわ。けど、唯が強いのは、光と闇の相反する力を、
うまく両立させてるから、唯はあんなに強いのよ。」
「フィーリアさん、それってどう言う事ですか?」
風濫の言葉に立ち上がるフィーリア
「自分で考えなさい、風濫。一度闇に落ちた貴女なら、必ず理解出来るわ。
そのとき貴女は、私を越える。それじゃ。」
そう言うと去っていくフィーリア
「フィーリアさん!・・・光と闇の、両立。か。」
フィーリアに言われた事に悩みながら部屋に戻り就寝する風濫

それより少し前の水月邸ロビー

「・・・ルイが戻って来ない?」
「うん。何か用事が有るって言って出て行ったきりで。」
フェルミナからルイが戻って来てない事を知る唯
「(・・・まさか、ね。)とりあえず明朝迄待ちましょう。」
「うん、解った。」
フェルミナがそう言うとドアが開く
「・・・あれ?どうしたんですか?」
そこに居たのはフィーナと幻だった
「・・・よう、久しぶりだな。水月唯。」
「えぇ、鳳幻。」
「唯姉!」
唯と幻の挨拶が済むと唯の服を掴むフィーナ
「フィーナ、どうしたの?とりあえず落ち着いて話を聞かせて。」
「ルイが、ルイが!」
フィーナの言葉に驚く唯とフェルミナ
「予感的中って、奴かな?」
「唯、それってどういう事?」
唯の言葉に疑問を持つフェルミナ
「・・・ルイはアークレイヴに倒されたと思って良いでしょう。
さて、問題なのはこのメンバーで何処まで対抗出来るかって事ね。」
「唯姉、風濫と青葉は、どうするの?」
「・・・現状じゃ、フリージングメイデンすら相手に出来ないでしょうね。
それだけ彼女達の魔力は高いのよ。」
「そんな・・・。」
唯の言葉にショックを受けるフィーナ
「けど、風濫ならチャンスは有るわ。」
ふと聞こえる女性の声
「フィーリア。何しに来たの?」
「風濫にチャンスを与えたわ。光と闇の両立。
彼女、これが解れば、戦力にはなるでしょう?唯。」
「・・・まぁ、そうね。」
「もしもの時には、私が彼女を挽きつける。その間に唯は出来るだけの事をして。」
「フィーリア、貴女。」
「・・・オリジナルに対して、恩返しするのも何か良いでしょう?ねっ、オール。」
そう言うとロビーから外に出て行く
「フィ、カルナ!!!」

続く

次回予告
光に勝利をもたらす為、犠牲になる事を覚悟したフィーリア
そんな中風濫と青葉にアークレイヴの魔の手が伸びる
次回ACT6「疾風と吹雪」

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