作:senti
「………なあ、まずはどーするよ」
「さあ……俺に聞くなよ」
「うーーーーーん…………」
二人の男の前には、一人の少女が気を失って倒れていた。
いや、意図的に気絶されられた。
〜変格〜
〜それはさかのぼること30分前〜
ある道の上に一人の少女がいた。
叶野 由良(16)高校生
この日はいつもどうりの帰り道……
なのだが、今日は少し違うものがあった。
「なに……あれ」
そこには、朝からずっとある黒いワゴン車が止まっていた。
「あれ……確か朝も……」
〜車内〜
「きょ……京さん、あの娘ですよね!」
「ああ、間違いない…あの娘に決定だ!」
京 (21)謎の人
健二 (20) 京の相棒 バカ
「えーと、叶野 由良16歳 高校生 成績はよく、男子から相当な人気がある。と、こんな感じでいいすか?」
「なんか足りねーけどいいか」
(うーん……なんか中の人がずっとこっち見てる気が……)
おっと、なかなか勘の良いお方で。
「んじゃあお前がまず……………ということでいいな?」
「ええ、OKです!」
ガラガラッ
「?」
男が一人ワゴン車からでてきてこっちに近づいて来た。
「ヘイヘイ彼女!一緒にお茶しない?」
(え……え〜〜〜……)
(あいつ……何みて育ったんだ?)
バカ丸出しのあまりにも寒すぎる言葉を言いながら由良に近づいて来た。
いや……バカじゃなくても寒いか……
「彼女〜いっしょに来てよ〜」
「あの……私…知らない人にはついていったらダメって…」
「いいじゃないの〜ちょとハメはずしても〜」
「いやっ…離してください!!」
由良の腕を掴んでくる。
「離して…離してくださいっ!!」
「チッ…覚えてろよ…」
「フゥ……なんだったの……」
ガバッ
「!!」
その時、由良の後ろから何者がが口を抑えてきた。
「んん〜〜!んん〜〜!!」
(結構暴れるな……でも、そろそろ…)
「ん………ん……………」
由良は完全に気を失った。
「よし京さん、とっととこいつを運ぼうぜ!」
「ああ…そうだな」
二人はワゴン車に由良を乗り込ませ、どこかへ走り去っていった。
ブロロロロロ………
「なあ健二」
「ん、何ですか京さん?」
「オメーに言いたいことがある」
「ん、何すか?(誉められるのか?!)」
「あのやり方やめろよな。こっちすげー恥ずかしかったんだからな…」
「えー結構イケてませんでした?」
「………テメーの脳にきゅうりブチコんでやろうか!!」
「……サ………サーセン」
「やめろニコ厨」
「…………(京さんこそ……)」
というわけで、こんなグダグダな醜いバカ争いをしているうちにこいつらのアジトにたどり着いたわけです。
といっても、二人だけなのでアジトというのもおかしい。
「んーーーー……じゃあちょいと出ててくれないか?」
「へ?なんでですか?」
「もうじき起きるだろうからちょっとな。その間にコーラと梅酒買ってくれ」
「えー」
「つべこべいわずはよ言けや……もし覗いたらテメーの毛穴に十字架ねじ込むぞ……」
「い…行ってきまーーーす!!!」
ドドドドドド!!!
「ふう………」
「う……ううん…」
由良が目を覚ました。
「おっ、目ぇ覚ましたか」
「え……ここ…どこなの」
場所がいきなり変わったため困惑している。
「由良ちゃん、気分はどうだい?」
「はい……ちょっと気持ちわ……え…なんで私の名前を?」
「まあ、気にするな。それよりその気持ち悪いのを治してあげるからね。
ちょっと手を乗せるよ……」
「はぁ……はぁ……えーとコーラサワーと米酒……じゃなかった。コーラと梅酒っと」
「はい320円ね」
「はい、ありがとうございます」
「ゆっくり帰らないとな……じゃないと毛穴に十字架を………あれ?」
ここで健二は考えた。
(まてよ………毛穴の大きさに十字架…………あれ、どうやってもはいんねーぞ)
いや、こんなことにそんなに考える必要あるか?
「あれ………そっか、毛穴に十字架入るわけねーからビビる必要ないじゃん!」
やっと気づいたかこのバ〜カ(若本ボイス)
「あれ…なんかすごいムカつくこといわれたよーな」
「そう………自分は何か私に言ってみろ……
「わ……私は…あなた様の…奴隷…です……なんなりと……おもうしつけ…ください……」
「ふう……こんなとこか」
ガチャ
「戻りました〜、コ〜ラと〜梅酒は〜あ〜うのかイっっ!!」
某WAWAWAのような感じで入ってくると、そこには京と全裸で何かを求める犬のような体制になった由良の姿があった。
「おう、おかえりー」
「な……何があったんすかぁ〜〜!?」
「何って、見ての通りだよ。あっ、梅酒とコーラはもらうぞ」
「そのまま………(自主規制」
「ハイハイ、どうでもいいから本題にうつろーぜ」
「で、これからどーするかだ。そのままだと俺ら捕まっちまうしな……」
(んなことより、どうやって京さんが短時間であんなことやったのかが気になる…)
ここで京は考えた。
(売る……売るなら別の形で売らなければ……)
ここより下はその考えの進行経路です。
売る→物→物体→遊ぶもの→遊び→落書き→教科書→歴史→偉人→石像→彫像
(これだ!!)
「健二!いいこと思いついたぞ!!」「…………………」
「おーい、バカー」
プチッ
「誰がバ」
「こいつを彫像にして売るんだよ」
「は…はぁ(な……殴りてぇ!!」
「んじゃあちょっと……」
「?」
京は再び由良の頭に手をおいた。
「ねえ由良ちゃん」
「はい……なんでしょうかご主人様……」
「君は今から彫像になる。たくさんの人から見られる。でも君は彫像になる瞬間も、人から見られている時も……いや、彫像になっている間はすべてが快楽に感じる。いいね?」
「はい……全てはご主人様のいうとおりです……」
(催眠術か!!)
と思ったその時
「ホァァァァァサァァァ」
京がなんだか言葉を発し始めた。そして……
「ホイサッサ!!!!」
ドウッ!
由良の体に何かが当たった。と、その時
パキパキパキ………
突如由良の体が白く変化し始めた。
(ああ………私のからだが……白く……なってく……あぁぁ………)
その光景を健二はボーゼンと見ていた。
(マジ……かよ………)
パキパキパキ………
(ああ……むねが……あああああぁぁぁぁぁ…………いい……いいのぉ…………ごしゅじんさまぁ)
「死にはしないさ、だって死んだらさっきの言霊の意味がないもんな」
(コトダマ?なんのことだ?)
パキパキパキパキ………
(ああぁぁぁ……イク…イっちゃう………イっちゃうぅぅぅぅ!!)
パキィーーーン
彫像化が終わったと同時に彫像から液体が出てきた。
「ほぉ……偶然の産物かな」
「……………」
しばらく時間が静止した。その沈黙を破ったのは健二だった。
「あの……京さん……あんた…なにも」
「あ………いるの忘れてた」
(えええええええ……………)
拍子抜けと言わんばかりにその場に倒れ込んだ。
「仕方ない、俺の正体教えてやるよ」
「俺は魔術師だ」
健二、心の中では大爆笑
しかし、目の前の出来事と雰囲気を見て感じたら、あながち間違いではない。
「まあ、それはどうでもいいとして早く運び出すぞ」
〜車内〜
「あの〜ずっとこの像から出る汁が止まらないんですけど……」
「仕様だと思って我慢しろ」
〜裏市場〜
「こんなもんでどーだ」
「………旦那、こいつはかなりの上もんですな……よし、300万出しましょう」
いよっしゃああぁぁぁ!!!
「これでしばらく暮らせるな!」
「いんや、まだまだあるんだぜ獲物は……」
「ああ……そっか」
「よし……とりあえず飛ばすか!」
「よっしゃあああ!!!」
はしゃいでいても、いつか殺されてしまうんじゃないかと内心不安の健二であった。
エピローグ
その後、由良はしばらくの間美術館に飾られた。その後また別の持ち主に売られるようだ。
そしてその間である現象が語り継がれる……
「ねえ…あの像みてよ……なんか股の所濡れてない?」
「うわ〜ここの館長変態なんじゃない?」
「でも……なんかさらに濡れてきてない?」
「まさか……まさかね……」
あぁ………みんなにみられてる……あぁ……きもちいい……どうか……このいんらんなわたしをみて…………
完