作:シャドウ
―その夜
『ルカ、起きて下さい。』
「…まだ朝じゃないよ…。」
『ルカ、起きて下さい。』
「うるさいなぁ…ムニャムニャ…。」
プチッ
『起きなきゃ始まりませんから起きて下さいっ!!』
「うわぁ!!」
魔法少女ルカ 第二話「夢の中の魔法少女」
そこは、瑠花の部屋ではなかった。
いろいろな光が鬩ぎ合い、色々な色が弾け飛ぶ…。
まるで夢のような空間だった。
「ここ…どこ…?」
『ここには、「どこ」という概念もありませんよ、ルカ。』
「え…!?」
瑠花の目の前に、少し年上に見える女性がいた。
髪の色も、目の色も見事なまでのサファイアブルーだった。
「ルーナ…?」
『そのとおりです。これが私の本当の姿なんですよ。』
瑠花の目の前の女性は、サファイアの妖精:ルーナだった。
今日はずっと話をしていたので、声で何となくわかったのだ。
『この世界が…何なのかわかりますか?』
「うーん………。」
しばし、考える瑠花。
「…ひょっとして…『夢の中』!?」
『中々の閃きをお持ちですね。その通りです。』
そう、ここは瑠花の夢の中。
ルーナが魔法で空間を生み出したのだ。
『ここならば…修行ができるでしょう?』
「え…修行って…?」
『…今日は確かに勝つことができました。ですが、
このまま戦っていくと、いつかは負けてしまうでしょう。
そんなあなたの姿は見たくありません。
強くなれば、私の魔法障壁無しでも敵を倒すことができると思いますよ。』
「わかった…。」
瑠花はそう言うと、左手にはめたサファイアの指輪にキスをする。
青い光に包まれ、瑠花は魔法少女ルカへと変身する。
『修行は…あまり気が進まないんですけどね…私にとっても。』
「へ…?」
間抜けな声を出してしまうルカ。
『でも…仕方のないことですから!』
ルーナが右手を上げると、今日戦ったばかりのローパー型モンステラが召喚された。
「って、ちょっとちょっと!! 何でルーナがそいつを操れるの!??」
『お忘れですか? ここは夢の中です。つまりこれはモンステラの姿をした私の分身ということですよ。』
「んんん???」
混乱するルカ。
説明すると、ここは夢の中だからモンステラは入ってこれない。
ルカの目の前にいるモンステラはルーナの思考で動く自動人形(オートマトン)みたいなもの。
ただし、相手を固体化する能力は残されたままである。
が、魔法少女を危険にさらすわけにはいかないので、固められても10秒で元に戻る。
「…やっと理解できた…。」
『剣を抜いてください…はじめますよ…!』
モンステラが滑る様に動く。
同じ方向にルカも走る。
「はぁっ!!」
ルカが剣を兜割りの様に縦に振るう。
しかし、滑るように動くモンステラはそれを悠々と回避。
『教科書通りの太刀筋は…避けられますよ。ルカ。』
「なら…! これでいきます! マジカルスラッシュ!!」
このモンステラを倒した大技、マジカルスラッシュ。
刀身を魔法の力で長くし、敵を真っ二つにする技だ。
が…モンステラはマジカルスラッシュをしゃがむ様にして避けてしまった。
「なっ…!?」
『これが敵だったら…負けていたでしょうね。ルカ。』
パシュッ!!
モンステラの粘液がルカの体に命中した…。
パキパキパキパキッ!
一人の魔法少女の石像が、そこにあった…。
「やっぱりもっと強くならなくちゃ…。」
10秒間だけ、モンステラによって石像となっていたルカは元に戻るとそう呟いた。
『がんばりましょうね。ルカ。今度は固められないようにね。』
「う〜。ルーナの意地悪…。」
――謎の場所
「ぁ……う…ぅん…」
ガラスケースに入れられた裸の少女が自慰行為をしていた。
くちゅくちゅと淫らな水音がし始め、漏れてくる声もますます高くなってきた。
「ぁ…あああっ!!」
絶頂に達したようで少女は気を失ってしまう。
それと同時に…少女は石像となった…。
「……さて…これで魔法少女が倒せるのかしら…?」
その場にいた白衣の女性は怪しい笑みを浮かべてそう呟いた…。