魔法少女ルカ 第五話「二人の魔法少女」

作:シャドウ


瑠花は自分の部屋で考えていた。

「(私が戦わなきゃ…また多くの人が固められちゃう…! やっぱり、私がやるしかないんだ!)」

新たな決意を胸に、瑠花は変身した…。


魔法少女ルカ 第五話「二人の魔法少女」


さて、話は前回の廃棄された病院へと戻る。

魔族界十幹部の一人、コランダムは新たな少女を連れてきて、次々と自らの糧となるルビーやサファイアに変化させていった。


「ああっ…もう…やめて…。」


連れてこられてきた少女の一人がもはや喘ぎ声に近い声でコランダムに言う。

高校生かと思わしきその少女は、すでに両腕両足がサファイアと化していた。


「でも、気持ちいいんでしょ? 素直になりなさい。あなたの友達みたいに。」


今堪えている少女の友達は、すでにルビーと化していた。


「私の薬を体内に注入された女の子は、3回イッてしまうと宝石となるのよ。堪えたって無駄よ…。」


そういってコランダムは、少女の秘部に指を入れ始めた…。


「あ、あ、あ、あ、あひゃぁぁん!!」


少女はイッてしまい、あとにはサファイアの像が残された。


「フフフ…。これだけいれば当分は生きていられるわね。でも…。」


コランダムは言葉を切り、この場所への侵入者に呼びかけた。


「あなたをサファイアに変えてからにしましょう…。藍(サファイア)の魔法少女:ルカちゃん。」

「許さない……。人を宝石に変えていくなんて…絶対に許せない!」

「われわれ魔族が生きるためには、それしか方法がないのよ…。レッドオーガ! ブルーオーガ!」


コランダムの合図で2体のオーガがルカに襲い掛かる!

ルカの頭の中では部屋で言われたルーナの言葉が反芻していた。


(回想)

『「マジカルスラッシュ」以外の技を使うには…ですか?』

「うん…。別の技があれば戦いにも幅が出るんだと思うんだけど…。」

『望むことです。』

「え…?」

『私達の魔法は「そんな事が起こってほしい」という望みによって、使えるんです。』

「望み…。」

(回想終わり)


「敵を倒す力の螺旋を我に与えよ! マジカルスパイラル!!」

「なっ!?」


ルカの剣から、魔法の力が溢れ出し、光の螺旋がオーガ2体の体を打ち抜く!

オーガ2体は光の粒子となって消滅した。


「(馬鹿な…!? ルカちゃんは魔法少女になってから間もないはず…! なぜあんな威力のある魔法が使える!?)」

「来て! マルティス!」

「!!!」


コランダムの後ろから発せられた声は、朱里のものだった。

レッドオーガが倒されたことにより、元の姿に戻ったのだ。

朱里のもとにルビーのブローチが飛んできて(ぇぇ)、紅いビームで彼女の拘束を解く。


『さぁ、反撃開始だ!』

「行きますわ!」


ルビーのブローチを胸に置き、目の前で十字を切る。

服が復活し、魔法少女シュリがそこに出現した。


「くっ…!」

「もう終わりです!」

「覚悟してくださいまし!」


コランダムを追い詰めていく、ルカとシュリ。


「マジカルスラッシュ!」

「マジカルスマッシャー!」


二人の大技が決まり、コランダムはついに動けなくなった。


「くっ…! 私が負けるなんて…! でも…」


苦痛で歪むコランダムの顔だが、突然…


「アッハッハッハッハッハッハ!」


笑い出した。ルカとシュリもその行動に唖然とする。


「私を倒しても、魔族界十幹部はあと9人いるわ。全員を倒せるかしら?」


コランダムの体が光の粒子になって消え始める。


「アッハッハッハッハッハッハ!」


だが、彼女は笑うのをやめなかった。

それは、魔法少女たちがこの先固められてしまうのが目に見えているからか、

自分の一生がここで終わることが怖いのをごまかしているのか、

それは誰にもわからないまま、彼女は消えていった…。


「シュリ…ちゃん…。」

「シュリでいいですわ。私もルカって呼び捨てで良いですか?」

「これからもよろしく! シュリ!」

「こちらこそ、ルカ。」


二人の魔法少女の友情がここに芽生えた。

続く。


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