アカツキ起動の謎

作:夢


この話はガンダムSEED DESTINYと設定が異なります



「なんですって?」
「だから、アカツキが動かなくなったんです」
「ん〜…それは困ったわねぇ」

CE73

ヤキン・ドゥーエでの戦いが終わり二年が過ぎ、世界は平穏であるように見えたが、ロゴスの策略により、地球連合とザフトがまたもや対立。 世界は混沌としていた


オーブは中立を保っているが、二つの巨大な勢力にいつ侵略されるかもしれない
そこで、オーブも対策としてMSの開発を進めている

その対策の切り札の一つとしてMSアカツキがある

アカツキはヤタノカガミをという特殊な装甲で、ビーム兵器を全て跳ね返すという特殊な能力備えてある
オーブで極秘に調整されてきた
それがいきなり動かなくなったという事でエリカ・シモンズ女史は頭を悩ませていた

「何故かしらねぇ…整備にミスは?」

「いいえ、特にありません」
「そう…私がまた直々に調べとくわ。 お疲れさま」
「はい、失礼します」

そういって整備員が出ていった後もエリカは整備室でせかせか一人でコンピューターをいじっていた

画面にはアカツキがワイヤー状にうつっており一ヶ所一ヶ所念入りに調べていた
「脚部問題なし、腕部問題なしか…じゃあやっぱ胸部しかないわよねぇ」

ワイヤー状になったアカツキの胸部にカーソルを合わせプログラミングや出力のミスがないか調べるがまたもや問題なし。

「あー駄目だわ…後は頭部しかないけど」

駄目もとで頭部をチェックしてみた

コンピューターがビーと音を立て異常な事を示す

「嘘でしょ…?」

頭部を細かく調べると口部に問題の元がある事がわかった

エリカはガラスごしに立っている格納庫のアカツキに目をやり、いてもたって入られず直接アカツキの頭まで行ってみた

アカツキの頭はGのタイプがもとになっており、いわゆるガンダムのような顔である

「そんな私を見ないでよ…」
誰もいない格納庫で一人呟きながら口部を触ってみる
「特に異変は…ん?」

よくみると口部の横にスイッチがあった

「これは何かしらね?」

興味本意でおしてみると、なんとアカツキの口が下から上にスライドし開かれたではないか

「こんな仕組みがあったとは…ん、これは?」

口の部分をのぞくと思わず「ヒッ」と声を挙げてしまった。

「マユラ!?」

そこには緑色の綱のようなものが左右にぎっしり詰まっており、真ん中に人一人が入れるスペースがあるところに金色に固まった裸体のマユラが恐怖に顔を歪め体がその綱に体が絡まっているではないか

「なんでマユラがここに!?」

マユラはヤキン・ドゥーエ戦が終わりオーブに戻った数日後に失踪していたのだ


マユラを確認したと同時にアカツキの口の中から思いがけない声がした
「新たな女性生体CPUを入れて下さい…」

そう録音された声が口の中のスピーカーから発した

エリカは気味が悪くなって部屋に急いで戻った

「まさかアカツキって…人食いMS!?」




生体CPU。人をCPUとみなし、階級は与えられず死ぬまで戦争の道具として使う最悪のやり方

まさかオーブがこんな事を…連合でもここまでひどくなかった
エリカはオーブのやり方に恐怖した

しかしこれが中立を守る手段と考えると…エリカの心情は複雑であった

そんな時に


部屋に入ってくる者が…

「エリカさん…」

「アサギ…まだいたの?」

アサギ・コードウェル。 ヤキン・ドゥーエ戦で機体を破壊され、左腕を失うが命だけはなんとか取り留めた女性である

「みてたの…?」

「…はい」

しばし沈黙が流れる

その流れを打ち消したのはアサギであった

「私、生体CPUになります」
「!」

「あんな所にマユラ一人だけなんてかわいそうです!」

「本気なの?」
「もともと私は死んだ身ですから」
「私は止めないわよ…?」
「…はい」
「…わかった」

エリカとアサギは再びアカツキの口部に来てアカツキの口を開いた

そこにはさっきと変わらず金色の裸体になったマユラが綱に絡まれ、固められていた

「あぁ…マユラ…会いたかった…」

アサギの声はマユラに聞こえてるのだろうか?

「アサギ…なにを?」
「マユラだって裸なんですよ。なら私も裸で生体ユニットになります」

軍服を慣れた片手でに脱ぎ捨て、ブラジャーのホックを外し、その豊乳をさらけだし、ズボンもパンツと一緒に脱いだ。
その様はとてもじゃないが今から生体CPUとなる女性には見えない

「それじゃエリカさんさよなら…」
「…」
アサギがゆっくりとアカツキの口へと入っていき、エリカは無言で口のスイッチを押し、閉めた

アサギが中でマユラにむかい駆け出した瞬間


「な、なによこれ!?」
口が閉まった瞬間、今まで動いてなかった綱がいきなりうねりをあげてアサギに巻き付いてきた
「こ、…こ……いう」

綱はアサギの下半身と片腕にに絡み付き身動きが取れなくなる
「…これは…」

そして足元からじわじわと金色になり固まりはじめた
「ふふ……生体CPUもアカツキと同じ色に…」

そう金色になっていく自分の体は股まで浸食してきた
「足が動か…く、苦しい……」



「マユラ…」
固まったマユラを見るアサギ。 その顔には苦しみの中に喜びが満ちていた
「私も、もう…動けな…くなる…けど……あん!」
大事なアソコまで体が固まってきていた
「怖く…な…い、だって…マユラが…マユラと…一緒だもん…マユ…ラがい……れば…苦し…く……ねぇ…ユラ……最後に望…み…が…ある…の」

そう言いながら上半身を精一杯前にゆっくり倒し始める
「ねぇ…マユラ…キスし…よ…キ…ス…それ…が私の…望…み」

アサギはその胸まで金色になって、腕は完璧に固まっている

「へ……息苦……くなって…きた…私もマユ…ラと同…じに」

そしてついに首までが金色になった

「マユラ…これ…で…寂し……ない……マ……大………き」

金色の光る二つの像が口付けをかわす…









その後アカツキは正常に動き、見事この戦乱を駆け抜けるのであった

しかしアカツキの口の中に今でも口付けを交わしている金色の女性の像があるのを知っているのは…………

<終>


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