(このイラストの続きです)
貧乏なためやむを得ず錬金術で黄金の像にしてお金に換えた娘のルクレツィアを
国を立て直した領主夫妻はなんとか買い戻す事ができました。
しかし、戻ってきたルクレツィアは無惨にも身体の大部分を失っていました。
金細工の材料として少しづつ身体を切り刻まれてしまったのです。
これでは生身に戻したとたんに死んでしまいます。
やむを得ず領主夫妻は泣きながらルクレツィアを台座に据えて彫像として手元に置く事にしたのです。
それから領主夫妻は毎朝毎夜、生きている娘にするように黄金の彫像に語りかけて過ごしました。
ルクレツィア専用のメイドも付けられ、彼女をピカピカに磨く事がメイドの役目になりました。
…何代か後、ルクレツィアを知る子孫もいなくなった頃、彼女の身体には宝石が埋め込まれ、
そして鮮やかなラピスラズリで模様が書き込まれて領主の自慢の逸品となっていました。
しかしやがて家が再び傾いたとき、またルクレツィアは売り飛ばされ、
その後どうなったか誰も知りません。
このイラストのストーリーを奈須野雪葉さんから頂きました