とある国のお姫様・前篇〜私がいるからこそ絶対なのです〜

作:デュール


「・・・・・暇です」
とある国の偉い少女が呟く。
彼女の名はティレス、10歳のハーピーですが一応この国の全ての主権者です。
「・・・・そういえば、ミリィ君にキリル君?」
「「はい」」
呼ばれたメイド服を着た少年双方は声を揃えて言葉を返す。
「・・・・友達って何でしょうか?」
「え?友達・・・ですか?」
意外な質問にミリィは驚くが
(また姫さんのわがままですか・・・・)
小声で本心を言うキリル、だがティレスは
「聞こえてますよ・・・・・キ〜リ〜ル〜く〜ん〜、お仕置きね?」
「え?・・・・何のことでしょうか?」
少しずつ後ずさりするが後ろから一人の少女が彼の肩を捕まえる。
「ふふぅ・・・・お仕置きの時間ですね〜?」
「あ・・・え・・・と・・・その・・・・」
「あ、ちょうど良かったねティファニー」
ティファニーと言う少女は固体化実行委員と呼ばれ、いわゆる処刑係みたいなもの・・・
「ティレス様を馬鹿にしたのでキリル君は2ヶ月間大理石像の刑ですよ?」
「お・・・・お願いします・・・ゆ・・・・許してください・・・・・」
「ん〜?謝っているように聞こえないなぁ・・・・えい♪」
ティファニーが魔法を使う、それと同時にキリルの足は大理石になり始める。
「あ・・・・あぁぁ・・・・」
「ふふ・・・・今ならチャンスをあげるわ、ちゃんと謝って♪」
最後の選択を迫られたキリルの膝は既に大理石となっている。
「す・・・すみませんでした・・・」
「聞こえないよ?」
しぶしぶと言うキリル、大理石は腰まで侵食しています。
「すみませんでした・・・・」
「ん〜〜?」
嫌々言うキリル、彼の肌も着ているメイド服もはどんどん純白の大理石となっていく
「すみませんでしたぁ・・・・・・」
ちょっと本気を出したキリルだが、ティファニーはにやにやし
「ん〜、ちょっとしか聞こえないなぁ?」
「ふ・・・ふぇぇ・・・・」
半ば泣きのキリル、大理石の侵食は既に首まで及んだ。
「すみません〜〜」
「・・・・80点」
聞こえているのにわざと聞こえない振りをするティファニー
「す・・・す・・・すみませんでした!!!だから、元に戻してくだ・・・・さ・・・・」
最後の力を振り絞り大声を上げるキリル、だが途中で大理石の侵食に塞がれた。
絶望の表情を焼き付けたまま、少年メイドが素材の大理石が出来上がった。
「あ〜ら残念♪もうちょっとだったのにねぇ〜」
「お疲れ様です、いつもの所に飾ってくださいね」
「はい♪・・・・ふふっ、男の子を脅しながら固めるのって楽しいねぇ〜♪」
思いついたようにティレスは
「あ、そうそう・・・・ミリィ君もお願い」
「え?いいの?」
「いいよ、ミリィ君さっきの質問答えてないから・・・」
「じゃあお言葉に甘えて・・・・」
いやな予感がしたミリィ、逃げようとしたが・・・
「一瞬で大理石化ってどんな風に面白いかなぁ?」
「い・・・いや・・・たすけ・・・・」
ピシッと逃げようとしてる格好のまま一瞬にしてメイド服ごと喋りかけのミリィの大理石が完成した。
「いやぁ・・・・今日は大量ねぇ・・・・昨日より10人多いんだからぁ・・・」
くすくすと笑いながら二つの大理石像をいつもの場所、入り口の廊下に置きに行った。
ティレスも微笑しながら
「ふふっ・・・・この国は私たち少女が支配しているからね・・・」

説明が遅れたが、この国は主権的に少女達が主権を握っており、少女達それをいいことに少年達にいろいろとやっている。
だが、やりすぎると立派な犯罪なので処刑されます。
しかも、国の全主権であるティレスに仕える者にはメイド服を着るというルールがある、もちろん少年限定で・・・
私語は厳禁、ティレスに対する批判などとんでもなく、ちょっとしたミスをすれば処刑
ちなみに処刑と言っても死ぬわけではなく、ただ固められるだけである。
短ければ1週間、長ければ5ヶ月、酷い場合は永遠に固まったままの少年もいる。
ちなみに少女の場合は王国美術館と言うところで飾られます。
まぁ、とりあえずそんな少女達が支配しています。

話は戻し、大理石像を置き終わったティファニーは戻ってきた。
「それはそうと・・・・ティファニー・・・・」
「はい・・・なんでしょうかぁ?」
少しのため息をし、窓の方向を見る。
「友達って・・・・何でしょうか?ティファニーなら答えれますよね?」
「はい〜・・・・でも答えると言うより実際やってみた方が良いですよ〜」
「実際やってみる?」
「ちょっとだけ私に時間をください!お願いします〜」
ティファニーの必死のお願いにティレスは
「・・・・・分かった、あなたに任せるわ」
「ありがとうございますぅ〜・・・では、3〜4日くらい待っててください〜」
とパタパタと走り去っていった。


さて、この国には少女が主権と言いましたが、外の少女達は例外です。
外の少女達には、いろいろと愛し合う・・・いわゆる百合と言ったところでしょうか
もちろん・・・外の少年達は国内と同じ扱いです。
そして、その行動を繰り返し、少女が優勢だと言うことを教えられ、この国へ住むことになります。
ですが、そういう行動はとある範囲内に限られていて、出ると別世界になってしまうらしい。


また話を戻します、ここは宮殿内の軍部場です。
「さて、今回皆さんには特別なことをします!」
多くの軍服を着た少女達が真剣に聞く
「今回は国への移住目的ではなく、ティレス様の友達を作ろうと言う作戦ですぅ」

内容はと言うとただ固めてお持ち帰りなだけ、ただし場所などは絶対記憶しておくと言う仕事内容
ティファニーが言うように移住目的ではなくただ友達相手がほしいだけなだけの事で終わったら終わったで返すらしい。
少年の方は邪魔してきたら固めて放置だそうだ・・・・

「以上、3〜4日の間に10歳の少女を100人ぐらい集めて来てください・・・では健闘を祈りますぅ」
と言うと、配属者の少女達は出動した。



ガッシャーン
「はわぁ・・・・やっちゃったぁ・・・・」
少年メイドのジュールは慌てて花瓶を落としてしまったようだ。
「み〜ちゃった・・・・・ジュール君やっちゃったねぇ〜」
「ひっ・・・・・ティファニー・・・・さん・・・・」
帰り際のティファニーに見つかったジュール
「ふふっ、哀れな少年が冷たくてきれいな赤い宝石になっちゃいま〜す」
「そ・・・そんなぁ・・・・・宝石はいやですぅ・・・・せめて大理石にしてくださいぃ・・・」
「だ〜め、気分的に宝石化なんだからぁ・・・大人しく可愛らしい赤い宝石にになりなさい〜」
「いやぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!」
ジュールの叫びは誰にも届くはずがなく・・・・
「はわわぁ・・・・・おかあ・・・・さ・・・・ん・・・・」
ぺたんと座り込んたまま赤い宝石の侵食に飲み込まれ、少年自身が赤い宝石と化した。
「へぇ〜、この子マザコンかしら?」
とか言いながら、ティファニーは赤い宝石像となった少年メイドを軽々と運んでいった。

中篇に続く


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