絶望はにはに その1〜凍った2人の先生〜

作:デュール


「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
車内での沈黙の中野乃原 結と仁科 恭子は黙ったままだった。
彼女達は生徒達とスキーに来るはずだったが人数の影響で結と恭子は車で来る事にした。
結の車こと「まるぴん号」は今猛吹雪の中なので前方は吹雪のせいで進めなっていた。
やっとのことか結は
「・・・・・・え〜と迷っちゃいました☆」
ツッコミを入れるように恭子は
「・・・・・なんで迷うのよ!」
「ふえ〜んすみませ〜ん」
「まったく・・・・結がのろのろと走ってるからこんな猛吹雪になったのよ」
言い訳をするように結は
「でも〜、速度制限守らなきゃいけないですよ〜」
「・・・・・はぁ・・・・で、ど〜するのかな?」
「とりあえず進んでます!」
またツッコミを入れるように
「走ってたんかい!」
とその時あたりが暗くなりました。
どうやらトンネルに入ったようです。
「あ、トンネルに入りましたよ、とりあえず雪を落としましょうよ」
「はいはい・・・・・」
二人は降りたとたん
「あれ・・・・・・ここ洞窟ですか?」
「あーらら・・・・・どうするの?」
「とりあえず雪を落としましょうよ、みんなが待ってますよ」
「はいはいそれじゃあ結はそっちね・・・・・ん?」
「どうしました〜?」
結は聞いたが
「いや・・・・・何でもないわ」
と恭子は少し心配な表情になってきた。
そのとき
「はぅ・・・・・・」
恭子は少し色っぽい声を出したのを結は気づいた。
「どうしたんですかぁ〜そんな色っぽい声出し・・・・・・いやぁぁぁぁぁ」
結は叫ぶそれもそうだ、恭子は凍り付いているから
驚愕の表情のまま、座り込んだまま、凍っている。
「え・・・・・なんで・・・・・なんでぇぇぇぇぇ」
と叫んだとたん後ろから誰かの声がしました。
「この人恭子って言うんだ〜」
「・・・・・!!!だれ?」
結が振り向いた先は結と同じ小さい少女がぽつんといた。
「今度はあなたね」
結はその言葉から直感した・・・・恭子を凍らせたのはこの子だと
「そういえば君のほかにもいたとかいったよね・・・・・」
結は嫌な予感がした・・・・・
多分的中しているだろう・・・・・
早く知らせないと・・・・・
早く逃がさないと・・・・・
生徒達が全員凍りついてしまうと・・・・・
結は即座に「まるぴん号」に乗り込みアクセルを全開にした。
(恭子さん・・・・ごめんなさい・・・・・でもみんなのために・・・・・)
そう思いながら車を走らせていた。

無我夢中で走っていたら吹雪はやんでいた。
ふと副座席に携帯があった。
多分恭子のものだろう、結は車を止め生徒達がいるペンションへ電話をかけた。



生徒達がいるペンション・・・・
2年生の部屋で支配人から委員長の文緒へと電話が渡された。
「はい・・・・あれ?先生?」
文緒は余裕の表情だが結からの電話で恐ろしい事になるとは文緒にも分からなかった。
『早く・・・逃げてください!・・・・・いや今すぐ帰ってください!』
「え?それどういうことですか?」
文緒は信じがたい表情だった。
『早く逃げないと・・・・・みんな凍って・・・・・・いや・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁ』

ぶつ・・・・・

それ以降何度もかけても通じなかった。
文緒は
「みなさん、今から帰ります」
「え?それどういうこと?」
「え〜・・・・・今来たばっかりじゃん」
「もしかして委員長・・・・スキー怖いんじゃあ」
みんなが口々に言う
「だまりなさい!!!!」
全員がびくっとした、文緒は一瞬の沈黙の後に
「理由は分かりません、ただ結先生の電話の話のよると、帰らなければなりません」
文緒は必死ですですがしかし
「もしかしたら脅かしじゃね〜の?」
「あっそうかも、前だって先生のプリン食べちゃたもんね直君」
「お・・・・おい!バラすなよ〜」
「・・・・・・・だといいけど」
文緒はいったん部屋から出ました、その後に保奈美がついていきます。



そのころ、結の車こと「まるぴん号」の中は・・・・・
水色に包まれていた・・・・・乗っていた結もろとも
結は動かないむしろ動けないといった方がいい。
なぜなら結も凍り付いているのだから・・・
ドアにへばりつき涙を流したまま氷像と化していた。

つづく


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