絶望はにはに その2〜少女達の運命〜

作:デュール


廊下・・・文緒と保奈美がいた。
「文緒さん・・・・私は信じますよ」
「そう・・・・・ごめんなさいね保奈美さん」
「いえいえ・・・・・今夜・・・・・何も起こらないといいですけど」
「・・・・・・えぇ」
2人は廊下を渡っていった。



一年生の部屋、直樹・弘司・美琴他生徒はいろいろと話し合ったりしていた。
「あれ?そういや保奈美は?」
「え?さっき文緒さんの後について行ったよ」
「ん?・・・・・そうか」
直樹はあきれていたとたん

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

廊下から叫び声がした。
声の主は間違いなく文緒だ。
即座に廊下に出た直樹・美琴・弘司
走ってくる文緒、半ば泣いていた。
「おい・・・・委員長どうしたんだ?」
「えぐ・・・・・ひっく・・・・・保奈美が・・・・・保奈美がぁ」
「保奈美が・・・・・どうかしたのか?」
美琴は突然ロビーに向かって走りだした。
「おい・・・・美琴」
その後に文緒を抱いた直樹・弘司もロビーへと急いだ。



ロビーに着いたとたん3人は保奈美を見つけたが
「・・・・・・保奈美?」
見るからに保奈美だが保奈美ただ尻を突いたまま動いていない。
美琴は保奈美に触る・・・・・冷たい感触が美琴に伝わってきた。
「・・・・・氷?」
「え?・・・・・・」
そのとたん文緒は立ち上がり
「・・・・・いやぁぁぁぁぁぁぁぁ」
叫びながらどこかへ行った。
「あっ・・・・委員長!」



(嫌だ・・・・・氷像になりたくない・・・・・・)
一番恐怖の感情を抱いているのは文緒なのだ。
電話で分かっていた、結の叫びが結の体が凍り付いていくことを・・・・
そして今まで一緒にいた保奈美もだ・・・・自分の目の前で凍っていったのだから。
(それにしても・・・・・なんなのあの子)
文緒は一人の少女に出会った、保奈美もだ、だが少女一つの行動で文緒を恐怖という感情を抱かせたのだ。

怖い、凍りたくない・・・・ただ文緒の脳裏にはそれしか思い浮かばなかっただけだ。
文緒は無人の部屋へ逃げ込んだ。
(怖い怖い怖い怖い怖い・・・・・・・)
文緒はただ怖かったわけではない、耳で聞いた自分の先生の断末魔、目の前で友達が別の姿に変えていった恐怖・・・・文緒にはそれが否定的になっている。

こつ・・・・こつ・・・・こつ・・・・

足音が聞こえた、誰かの足音が・・・・・
文緒は少し期待をしていた、ふすまの影が結だったからだ。
(せ・・・・せんせい?)
助かりたいそう思いふすまを開けた。


だが文緒の期待は違った。


違う少女だった、いや文緒が見たあの少女だった。
保奈美を氷像にした、あの少女が
文緒は叫ぼうとした、だが文緒はぴくりとも動かなかった。
それもそうだ、文緒は瞬間的に凍り付いてしまったのだから。
蓮美台学園の冬服ごと文緒の肌は水色の氷に変換しており、凍った文緒の体からは冷気がふわふわと落ちていた。
期待はずれの絶望的な表情・・・・・凍りつきたくないと思っていても実際文緒自身凍りついている。
文緒の全てを氷という束縛がふさいでいる・・・
凍りついた文緒を後に少女は闇へと消え去った。

つづく


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