Schap ACT.5 knuckle

作:幻影


 人気のない裏路地。人目につきにくいその細道に、1人の青年と、彼を取り囲む数人の男たちがいた。
 青年は長身と逆立った茶髪をしていた。いかにも柄の悪い男たちを、青年は鋭い眼つきで睨んでいた。
 この発端は、男たちが縄張りとしていたこの近辺を、青年が踏み込んできたのが始まりだった。憤りを感じた男たちは、即座に彼を取り囲んだが、彼は全く動じた様子さえ見せない。
 この態度が男たちの憤慨に拍車をかけ、いっせいに青年に殴りかかった。しかし数分後、倒れていたのは男たちのほうだった。
 青年はボロボロになった男たちを見下ろし、そのリーダーと思しき男に視線を止める。
「ま、まさかここまでつえぇとはな・・だが、これで貴様は組長に狙われるぜ。オレたちの組長はこのあたりの闇企業を牛耳っているお方で・・」
「あぁ?それがどうした?」
 不敵な笑みを見せてきた男の言葉を青年はあしらう。すると男の言動が慌しくなる。
「お、おいっ!組長に狙われたら命の保障さえなくなるぜ!今のうちにオレたちに謝っとけ!」
 忠告のつもりで言ったこの言葉に、青年はその男につかみかかった。同時に男から先程の威勢が消える。
「何、エラソーに指図してんだ?だらしねぇザマさらしといて、勝手なことぬかすな。」
 内なる怒りを込めた青年の形相を前にして、男が完全に意気消沈する。青年は男を離し、舌打ちをしながらその細道を後にした。

 この出来事は、すぐに霜月学園の情報通の生徒たちをきっかけにして、学校中に広まった。
 その話を、ますみとユキもさくらを通じて聞かされていた。
「えっ?数人の暴走族をたったひとりでやっつけちゃったの?」
「うん。外見はカッコいいの半分、怖いの半分ってとこなんだけど。理事長の親戚の息子なんだけど、これだともうかばいきれないと思うよ・・」
 ますみの驚きの声に、さくらは戸惑いながら答える。
 京極扇(きょうごくせん)。霜月学園高等部1年。
 外見だけで判断すれば好評だが、彼は毎日ケンカに明け暮れる不良である。命令や指図をされることを極端に嫌い、それをきっかけに問題を引き起こして、学校の処分を受けさせられていた。
 彼の親の親戚に当たる理事長は彼を大目に見てきたが、彼はそれを気にしてはいなかった。
「こんなことを続けても、あなたのためにはなりません。これ以上は・・」
「うるせぇ。」
 理事長の嘆きの言葉を一蹴する扇。聞く耳を持たずに振り返り、理事長室を出て行こうとする。
「待ちなさい、扇くん!こんな自分を追い詰めることは・・!」
「誰に向かって指図してんだ?」
 声を荒げて呼び止めた理事長に、扇が睨みつけてくる。その鋭い視線に、理事長は押し黙ってしまう。
 しばらく沈黙していると、扇はそのまま理事長室を出て行ってしまう。
 不機嫌な態度を取りながら廊下を進む扇。彼の苛立たしさに、周囲の生徒たちが後ずさりする。
 そんな廊下に、外の騒がしい声が響いてくる。扇が気にして窓から外を見る。
 その校庭の隅には、1人の藍色の髪の女子に対して、女子数人が憧れの様子を見せていた。しかし藍色の髪の女子はそれを不快に感じ、その場から離れようとしていた。
 扇はその女子を気にし始めた。自分と同じく人と戯れることを嫌悪している彼女。彼は自分と似た雰囲気を持っている彼女を気に留めていた。

 昼休み、ますみとユキは屋上に来ていた。その日の昼食はますみの作ったお弁当だった。
「それにしても、ユキちゃんがスキャップだったなんて思わなかったよ。」
「私もだよ。ますみもそうだったって。」
 互いに笑顔を見せる2人。しかしそれとは裏腹に、素直に喜ぶことができなかった。
「ユキちゃんは、スキャップについて知ってるの?」
「うん。全部ってわけじゃないけどね。」
「それじゃ、スキャップが破壊されたら、どうなるかも・・」
 困惑を隠せないますみの問いかけに、ユキも物悲しい笑みを見せて頷く。
「もしもフブキが死んじゃったら、私は凍っちゃうんだよ。自分が凍っちゃうのは、何だか不思議な気分がしていい気もするけど・・」
「ユキちゃん・・!」
 この言葉にますみの顔が強張る。それを見たユキは慌てて笑顔を作って、
「大丈夫。ますみを困らせてまでそんなことはしないよ。私がいなくなったら、ますみの笑顔がずっと見られなくなっちゃう気がするから・・」
 ますみに笑顔を見せて弁解するユキ。これほど無二の親友に辛い思いをさせたくない。それが彼女の願いだった。
 そして、それはますみのユキに対する願いと同じだった。
「ねぇ、ユキちゃん・・あたしたち、争ったり戦ったりしないよね・・・?」
「えっ?」
 ますみの問いかけの意味が分からず、ユキが疑問符を浮かべる。
「スキャップを持つ人同士が戦うこともあるって聞かされて・・・それで、ユキちゃんとも戦わなくちゃいけないんじゃないかって・・」
「アハハ、イヤだね、ますみったら・・大丈夫だって。私とますみが戦うなんてことはないよ。友達の私たちが、ありえないことだよ。」
 ますみの心配に対し、照れ笑いを浮かべながら答えるユキ。2人が戦うことをありえないことだと2人とも信じていた。
 2人が笑顔で微笑んでいると、クラウンとフブキが姿を現した。
「クラウン?」
「フブキ?」
「そういうの、ありかもしれないね。」
 2人の考えと願いに同意したクラウンが頷く。
「こうしてスキャップ同士が手を取り合うのも悪くないね。君たちがそのいい例だよ。」
「うん・・いつか、みんなが手を取り合えるときがくるかもしれないね。」
 クラウンの励ましに、ますみが笑顔を作って頷く。
「だったらみんな集まって、“手のひらを太陽に”を歌えばいいんじゃないかな?」
 そこへユキとクラウンの手を取り合うフブキが呼びかける。意味を理解するのに時間がかかり、ますみたちはただ唖然となるしかなかった。

 放課後。寮に帰ろうとバイクのエンジンをかけるハル。学園で禁止されているバイク登校に関して注意を受け、彼女は今不機嫌になっていた。
「おいっ。」
 そこへ1人の青年が声をかけてきた。ハルがメットを脇に抱えたまま振り向く。
 昨晩に暴力事件を起こした扇である。
「テメェ、名前は何ていうんだ?」
「人に名前を聞くときには、まず自分から名乗るものだが?」
 ハルが言い放つと、扇は鼻で笑った。
「オレは京極扇だ。テメェは?」
「私は青葉ハル。で、私に何の用だ?」
 バイクの上にメットを置いて、ハルが不敵な笑みを浮かべる。
「なぁに。テメェがオレに何となく似ていると思ってな。」
「似てる?」
「人とつるまないとことか、1人で何かを背負い込んでいるとことかな・・・テメェ、何を考えてる?」
 小さく微笑を見せた後、ハルに鋭い視線を向ける扇。
「お前に教えてやる必要はない。それよりも、お前バイク乗れるか?」
「あ?それがどうした?」
 扇が眉をひそめると、ハルは不敵な笑みを見せる。
「ちょっと争ってみるか?お前がどういう走りを見せるか、見極めてやるよ。」
 そういってハルは、自分のメットを扇に放り投げる。それを受け取った彼は不敵に笑う。
「面白い。望みどおり遊んでやろう。」

 街から少し離れた公園。その片隅にあるブランコを揺らしている1人の少女がいた。
 金髪の髪をした幼い少女の名は、東野千沙(とうのちさ)。人形遊びが1番好きな遊びである。
 この日も1人で人形と遊んでいた千沙。持っているのは女性をかたどった着せ替え人形が2体。
 ブランコに揺られながら、人形遊びをして笑顔を見せている千沙。そこへ帰宅途中の女子高生3人が彼女のところにやってきた。
「何だコイツ?1人で人形と遊んでるよ。」
 あざ笑ってくる女子高生たちに、千沙は困惑していた。
「何だよ。コイツビクビクしてるよ。」
「遊び相手がいなくて困ってるのかな?」
「だったら、お姉ちゃんたちが遊んであげるよ。」
 そういうとロングカールの女子高生が、千沙の持つ人形のひとつを強引を奪い取る。
「あっ!返して!」
「はいはいはい、それそれ〜。」
 血相を変えて取られた人形を追いかける千沙。しかし女子高生たちは、その人形を投げ渡していく。
「ねぇ、返してよ!私のお人形さん!」
「ほらほら、こっちだよ〜・・あっ・・・」
 パスを繰り返していくうち、ツインテールの女子高生が、放り投げられた人形を取り損なう。人形は近くの木に当たり地面に落ちる。
 そしてその衝撃で、人形の片腕が取れる。
「あっ!人形さんが!」
 千沙が涙ながらに人形に駆け寄っていく。無残な姿となった人形を手にとって、ボロボロと涙をこぼす。
「あ、ワリィ。つい取り損なっちゃったよ。」
 謝ってみせるツインテール。しかしその態度は本気で謝っているようには見えない。
「なかなか面白かったよ。じゃあな。」
「待ってよ・・・」
「ん?」
 立ち去ろうとした女子高生たちを千沙が呼び止める。
「私の人形さん・・・」
「あ?」
「私の人形さんを!」
 千沙が涙ながらに叫ぶ。すると彼女の横に、淡い光をまとった別の少女が現れる。
「な、何だ、お前は!?」
 ショートヘアの女子高生が声を荒げる。光の消失した少女が、閉じていた眼をゆっくりと開く。
「私はマリオネットのマリー。千沙ちゃんをいじめる人は、私が許さない。」
 少女、マリーが虚ろな表情で、動揺する女子高生たちを見つめる。ゆっくりと手をかざすと、その手に淡い光が灯る。
 するとその女子高生たちにもその光が灯り、驚愕したまま動かなくなる。マリーの光る手を握ると、彼女たちの体が徐々に小さくなっていく。
 そして完全に小さくなったところで、地面に落ちる。手の光を消したマリーは、ゆっくりと彼女たちに近寄る。
「これでまたお人形さんが増えたね、千沙ちゃん。」
 マリーが人形となった女子高生たちを拾って、千沙に小さく微笑む。千沙も泣き止んで笑みを見せる。
「うん。ありがとうね、マリーちゃん。」
 ゆっくりと近づいて、マリーの抱えた人形たちを受け取る。
 マリーはスキャップである。対象に念動力を送って、着せ替え人形に変える効力を持っている。人形以外で、千沙の唯一の友達である。
「壊れた人形さん、持って帰ってあげよう。」
 マリーに促されて、千沙は公園の1本の木を見つめる。その根元には、壊れてしまった人形が落ちていた。
「うん。壊れても私は、お人形さんを大事にするよ。」
 千沙はその壊れた人形も拾い、その無残な姿を哀れむ。
 壊れてしまったものは、2度と元には戻らない。治せば元に戻るのだが、千沙にもマリーにもその力はなかった。
「ありがとう、マリーちゃん。私のお友達はこのお人形さんたちと、あなただけ・・・」
 千沙は物悲しい笑みを浮かべて、マリーと人形たちを見つめていた。

 長い林道の直前に設置されたパーキングエリア。その出入り口付近にハルと扇はいた。
 2人とも自分のバイクのエンジンの具合を確かめ、メットを被って走行の準備をしていた。
「コースはこの道を直進、街直前の広場までだ。分かったか?」
 ハルがコースを指示すると、扇は無言で頷いた。
「では行くぞ。」
 ハルはアクセルをかけ、バイクを走らせる。扇もその直後に発進する。
 道は目的地まで真っ直ぐな道。曲がり道はない。
 2人はほとんど互角の走り、大差ないスピードを続けていた。
(何て走りだ・・私についてきている・・・迷いのない走りだ・・・)
 走行の最中、ハルは扇の走りを観察していた。
 1人よがりな人間は、何らかの迷いやわだかまりを抱いているものだった。しかし扇の走りからは迷いが感じられない。少なくともハルはそう感じ取っていた。
 いつしか林道を抜け、2人は目的地である広場の直前まで来ていた。
 2人はほぼ同時にスピードを上げる。
(その十字路を曲がれば到着だ。)
 曲がるため、ハルがハンドルを切る。
 そのとき、ハルの眼前、曲がった先の横断歩道に1匹の猫が横切ってきた。
「危ないっ!」
 ハルがとっさにブレーキをかけた。しかし最速に達しているスピードを止めるには至らない。
 そのとき、扇がハルのバイクの右ハンドルをつかみ、一気に引き込んだ。左に曲がろうとしていたバイクが引き戻され、それがさらなるブレーキへとつながった。
 メットを外し、猫の安否を確認するハル。猫は何事もなかったかのように、平然と歩道を横切っていた。
「大丈夫かよ?ったく、ちゃんと前見えてたのかよ・・」
 体勢を立て直した扇が、不機嫌そうにハルに声をかける。ハルは困惑を振り切りながら小さく頷いた。
「この勝負、私の負けのようだな・・・」
「フン・・つまんねぇことに勝ち負け決めたってしょうがねぇのによぉ。」
 素直に負けを認めるハル。しかし扇は飽きたような言動をこぼす。彼にとってこの勝負も、ただの茶番としか見ていなかった。
「ケッ!オレのバイクに傷ができちまったぜ。」
 扇は横倒しになっている自分のバイクに歩み寄った。ハルを止めた際、出ていたスピードのまま倒れ、地面を引きずったのだった。
「すまない、私が迂闊だったばかりに・・・」
「フンッ!いつまで情けねぇツラ見せてんだよ。オレのすることにケチつけてんじゃねぇよ。」
 謝るハルを気に留めず、扇はバイクのキーを入れた。無事にエンジンがかかった。まだ走れそうだ。
 目的地の広場から悲鳴が聞こえてきたのは、その直後のことだった。

 下校の途中、ますみはユキと夕食の買出しに来ていた。ユキの食べたいものを聞いて、ますみは寮内の部屋にない材料を買う。
 そして買い物を終え、ますみたちは帰路につく。
「お兄ちゃーん!」
 その途中、兄を呼ぶ少女の声がかかった。ますみたちがその方向に視線を向けると、黒髪のおさげをした少女が人ごみの中にいた。
 制服からして、霜月学園中等部の女子だろう。
「どうしたの、きみー?」
 ますみがその少女のところに駆け寄る。少女は彼女たちに気付いて振り返る。
「え・・霜月の高等部の人・・・」
 少女はそわそわしながら、ますみたちに声をかける。
「お兄さんを探してるの?・・・あっ、あたしは飛鳥ますみ。」
「私は神尾ユキだよ。」
 ますみとユキがそれぞれ自己紹介する。しかし少女はまだおどおどした様子を見せている。そんな大人しい性格なのだろう。
「ところで、君の名前は?」
「私は、千尋です・・」
 千尋と名乗った少女が小さく笑みを作る。
「ところで、お兄さんの心当たりとかないのかな?」
 ますみが協力の意を込めて、千尋にたずねる。彼女は首を横に振る。
「お兄ちゃん、いつもどこかに行ってしまうんです。そしていつの間にか家に帰ってきていて・・それでお兄ちゃんのことが、最近気になってきてしまって・・・」
「なるほどね・・・もしかしたら、もう家に帰ってきてるのかもしれないよ。」
 千尋から事情を聞いたユキが思い立つ。すると千尋が、
「そ、そうですね。ちょっと戻ってみることにします。」
 そういってそそくさに街を出ようとする。
「あ、待って、千尋ちゃん!あたしも行くから。」
「ちょっと、ますみ!?」
 彼女の後を追いかけるますみ。ユキも驚きの表情を見せて、後に続くことにした。

「これでまたお人形さんが増えたね、千沙ちゃん。」
 広場の片隅に千沙とマリーはいた。彼女たちはここで1人の女性を人形に変えていた。
「私のお友達がまた増えた・・・私のお友達・・・」
 人形となった女性を手に取り、千沙が微笑む。人形(ともだち)が増えることが、彼女の何よりの喜びだった。
 そんな喜びに浸っていると、悲鳴を聞いてハルと扇がやってきた。千沙がきょとんとした表情を彼らに向ける。
(アイツは、スキャップか!)
 ハルはマリーの正体に気付いた。彼女が悲鳴を上げたであろう女性を、別のものに変えたのだろうとも推測していた。
 しかしハルは自分のスキャップ、ウサギのぬいぐるみの姿をしたラビィを呼び出すことができなかった。そばに扇がいたからである。
「そうだ。お兄ちゃんたちもお友達にしようね。」
 千沙が微笑むと、マリーがそれを聞き入れて小さく頷く。そして鋭い視線を向ける扇に狙いを定める。
「おい、早くここから逃げろ!この子は普通の人の常識では計れない力を持っているぞ!」
 危険を察知したハルが、扇に逃げるよう指示する。しかし扇は苛立った表情を見せ、
「オレに指図すんじゃねぇ。誰が逃げるかよ。」
「何を言っている!?お前に太刀打ちできる相手だと思ってるのか!?」
 声を荒げるハル。扇は全く聞こうとはしない。
 その間にも、マリーがゆっくりと手を伸ばす。
「ケッ!テメェがそいつを人形にしたってか。ったく、オレのに似た力を持ってるヤツかよ。」
「何!?」
 舌打ちする扇の言葉に驚くハル。
 マリーが扇を人形にしようと、右手に光を灯す。しかし光が伝達するものの、扇の動きが止まる様子はない。
「えっ・・?」
 千沙とマリーも驚きを見せる。彼女たちは間違いなく、扇を人形にしようと力を使った。しかし扇は平然としていた。
「知ってんだよ。力を持つヤツ同士でやっても効き目がないってことはな。だから効かねぇんだよ!」
 扇が拳を作って、それをマリーに叩き込む。彼女は苦痛に顔を歪めながら吹き飛ばされる。
「マリーちゃん!」
 千沙が倒れたマリーに向かって叫ぶ。
「あ、千沙ちゃん、私ならだいじょう・・・」
 千沙に心配かけまいと笑みを見せて言葉を返すマリー。そのとき、彼女は違和感を感じ出した。
 殴られた腹部を見てみると、そこが灰色に変わっていた。そればかりか自分の意思に反して、自由に動かすことができない。
「ちょっと、コレって・・・!?」
 マリーの変化に、千沙はさらに驚愕する。マリーの体が徐々に灰色の金属に変わっていた。
 その姿を目の当たりにしていたハルが、扇に視線を移す。マリーを殴りつけた右手には、灰色のメリケンサックが装備されていた。
「マリーに・・マリーに何を・・・!?」
「なあに、ただブン殴っただけだ。コイツでな。」
 叫ぶ千沙に扇がメリケンサックを見せながら言い放つ。
「まさかその効果で・・・まさか、それはスキャップ・・!?」
 ハルはそれを見て確信した。扇もスキャップ。殴りつけた相手を金属に変えるスキャップなのだと。
 その効果を受け、マリーの体は完全に金属へと変化した。

つづく

Schap キャラ紹介5:京極扇
名前:京極 扇
よみがな:きょうごく せん

年齢:15
血液型:O
誕生日:1/25

Q:好きなことは?
「バイク、麻雀。」
Q:苦手なことは?
「エラソーに命令されること、他のヤツらと絡むこと。」
Q:好きな食べ物は?
「ファーストフード。」
Q:好きな言葉は?
「んなもんねぇよ。」
Q:好きな色は?
「ブラックとシルバーだ。」


幻影さんの文章に戻る